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56、学園入学式 当日 1
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(か、帰りたい……)
学園の門を通り、校舎へと向かっているもののすごく帰りたい気分だ。
私は今日、学園の入学式に来ている。当たり前のことだが、入学するためにだ。
しかし、学園の寮に入るわけではないので、二日前から入寮している学園の生徒達とは顔を合わせた事は一切ない。
そのため、注目を集めている。勿論、当日に来るこいつは誰だ、という理由ではなく、何人もの美形を連れたあの(美)少年は一体どこの誰だという意味で、だ。
誰なのか知りたいという意味では同じだが、美形を引き連れているかどうかで変わっていたことだろう。今私と行動を共にしているのは、まずは、団長さん(現騎士団長カイン・ランベルト)とレオンさん(現副団長レオンハルト・ホークレイ)。私の誘拐事件の時、貴族だという情報を得たので興味本位で聞いたことだが、実は二人とも貴族の中でも結構上なそうで。団長さんの父親は宰相、レオンさんの父親は財務大臣だそうで、現国王とも幼馴染みな超お偉いさん。その話を聞いた時、団長さんの生意気な態度に納得しましたとも。
さて、そんなイケメン&ハイスペックな二人に加え、あと六人私はイケメンを連れている。
四神の紹介からしよう。
ゼウス、アポロ、ハデス、ヘファイストスだ。説明が面倒なので、俺様、子ども、声超ちっちゃい、エセ関西と覚えてほしい。全員、そこらのイケメン以上にイケメンだ。まぁ、人間じゃないから当たり前なのだが。
そして、精霊王のアズマ。聖獣のヒライだ。二人は、私が契約した大物だ。というか、四神も含め全員大物だ。
なぜそんな人達が私と一緒にいるかはみんな知っているだろうから説明は省く。
団長さん達は私の保護者として、ゼウス達は…何になるのだろう?まぁとりあえずは、加護と契約獣として今私と行動を共にしている。
周りの視線にビクビクとしている私にはお構いなしで、興味津々という雰囲気で学園を見ている男性陣。
『あれは何だ?』
(そんなキラキラした笑顔私に向けないでよ、ゼウス)
『ねぇねぇ、もう疲れちゃった。転移魔法使っちゃダメ?』
(可愛く言ってもダメ、これ以上目立ちたくないから大人しくしててよ、アポロ)
『……』
(小さすぎて聞き取れないよ、ハデス)
『なぁ、なんか目立ってへん?』
(ようやく気づいたの?もう校舎につくよ?遅すぎない?門を通った時点で気づこうよ、ヘファイストス)
『ふむ、我も楽しみじゃのぅ』
(うん、アズマは仕方ないね。生まれてから私と契約するまで一度も外に出たことなかったから)
「ナナキ、俺がちゃんと守ってやるからな?」
(落ち着こうね、ヒライ。守ってもらうようなことは学園ではあんまり起きないと思うよ。だいたい、私、六年前と違って強くなってるんだからね!)
「久しぶりだな」
「そうですね」
(懐かしんでる場合じゃないよ、二人とも!?)
どこまでもマイペースな男性陣に、入学式の会場につく頃には私の心は疲れきっていた。
「どうしたナナキ、まだ入学式も終わってないのにもう疲れたのか?こりゃ、学園生活が大変そうだな」
(誰のせいだと思って…!)
「では僕達は保護者席に行くので、あとは頼みましたよ。六人とも 」
(何で六人に頼むの!?私そんなに頼りない?)
六人がそれぞれ了承している中、一人悶々と考えるのだった。自分の席に着いた後、左右を固めてもらい、視線から逃れたためか安心しきった私は、
「 ……以上で、歓迎の言葉を終わります。上級生代表、生徒会長ユリア・バルトロ 」
パチパチパチ……
王族も学園に通っていたということを忘れていた。
学園の門を通り、校舎へと向かっているもののすごく帰りたい気分だ。
私は今日、学園の入学式に来ている。当たり前のことだが、入学するためにだ。
しかし、学園の寮に入るわけではないので、二日前から入寮している学園の生徒達とは顔を合わせた事は一切ない。
そのため、注目を集めている。勿論、当日に来るこいつは誰だ、という理由ではなく、何人もの美形を連れたあの(美)少年は一体どこの誰だという意味で、だ。
誰なのか知りたいという意味では同じだが、美形を引き連れているかどうかで変わっていたことだろう。今私と行動を共にしているのは、まずは、団長さん(現騎士団長カイン・ランベルト)とレオンさん(現副団長レオンハルト・ホークレイ)。私の誘拐事件の時、貴族だという情報を得たので興味本位で聞いたことだが、実は二人とも貴族の中でも結構上なそうで。団長さんの父親は宰相、レオンさんの父親は財務大臣だそうで、現国王とも幼馴染みな超お偉いさん。その話を聞いた時、団長さんの生意気な態度に納得しましたとも。
さて、そんなイケメン&ハイスペックな二人に加え、あと六人私はイケメンを連れている。
四神の紹介からしよう。
ゼウス、アポロ、ハデス、ヘファイストスだ。説明が面倒なので、俺様、子ども、声超ちっちゃい、エセ関西と覚えてほしい。全員、そこらのイケメン以上にイケメンだ。まぁ、人間じゃないから当たり前なのだが。
そして、精霊王のアズマ。聖獣のヒライだ。二人は、私が契約した大物だ。というか、四神も含め全員大物だ。
なぜそんな人達が私と一緒にいるかはみんな知っているだろうから説明は省く。
団長さん達は私の保護者として、ゼウス達は…何になるのだろう?まぁとりあえずは、加護と契約獣として今私と行動を共にしている。
周りの視線にビクビクとしている私にはお構いなしで、興味津々という雰囲気で学園を見ている男性陣。
『あれは何だ?』
(そんなキラキラした笑顔私に向けないでよ、ゼウス)
『ねぇねぇ、もう疲れちゃった。転移魔法使っちゃダメ?』
(可愛く言ってもダメ、これ以上目立ちたくないから大人しくしててよ、アポロ)
『……』
(小さすぎて聞き取れないよ、ハデス)
『なぁ、なんか目立ってへん?』
(ようやく気づいたの?もう校舎につくよ?遅すぎない?門を通った時点で気づこうよ、ヘファイストス)
『ふむ、我も楽しみじゃのぅ』
(うん、アズマは仕方ないね。生まれてから私と契約するまで一度も外に出たことなかったから)
「ナナキ、俺がちゃんと守ってやるからな?」
(落ち着こうね、ヒライ。守ってもらうようなことは学園ではあんまり起きないと思うよ。だいたい、私、六年前と違って強くなってるんだからね!)
「久しぶりだな」
「そうですね」
(懐かしんでる場合じゃないよ、二人とも!?)
どこまでもマイペースな男性陣に、入学式の会場につく頃には私の心は疲れきっていた。
「どうしたナナキ、まだ入学式も終わってないのにもう疲れたのか?こりゃ、学園生活が大変そうだな」
(誰のせいだと思って…!)
「では僕達は保護者席に行くので、あとは頼みましたよ。六人とも 」
(何で六人に頼むの!?私そんなに頼りない?)
六人がそれぞれ了承している中、一人悶々と考えるのだった。自分の席に着いた後、左右を固めてもらい、視線から逃れたためか安心しきった私は、
「 ……以上で、歓迎の言葉を終わります。上級生代表、生徒会長ユリア・バルトロ 」
パチパチパチ……
王族も学園に通っていたということを忘れていた。
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