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37、休養日 1
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今日は第四小隊へ行かずに、団長さんのところで休養だ。昨日魔力を使いすぎてまだ思うように体が動かない。そのため、私は今日一日中ベッド要員だ。……正直言って暇。暇すぎる。
なので、芋虫のように床を這ってただ今移動中。なぜかゼウス達が居ないので私を止める者はいない。ただ、これには難点がある。一つ、進むのが遅い。二つ、汚れる。この二点が若干悩みの種である。
(むぅ、面倒くさい…。でも、寝てるだけってのも嫌だなー)
動くのにも疲れて、でも寝たくなくて…。というように悩んでいると、
『うぉわっ!』
正面から驚いた声がした。顔を上げてみると、手に桶を持ったゼウスがいた。しかもエプロン姿。……なんで?
私はその格好に驚いて何も言葉が出てこなかった。
『おいおい、なんて格好してるんだ?仮にも女の子だろ?』
(こっちのセリフなんだけどね。なんでそんな格好してんの?神様でしょ?)
どっちもどっちな気もするが気にしないことだ。さて、私の床の這いずりを見つけたゼウスだが器用に片手に桶を持ったまま、もう片方の腕に私を座らせるとベッドの方へ向かった。
(えー?戻っちゃう?)
全く、私の動力の無駄だったというものだ。私は頬を膨らませて抗議の視線をゼウスに送ってみたが一瞥しただけで無視されてしまった。…ちっ。
さて、ベッドから脱走した私は呆気なく突然現れたエプロン姿のゼウスによって戻されてしまった。体に力を入れようとすると逆に抜けてしまうので立つことは出来ない。
(まったく、誰だ魔力を一気に使うなんて馬鹿なことをしたやつは!…って、私か)
なんて自分で突っ込んでみるが気だるさしか感じない。やるせない気持ちでいっぱいだ。しかし、なぜこの神はエプロンなんて格好をしてるんだろうか。ジーッと眺めているとそれに気づいたのか見つめ返された。
『何だ?』
「えっと…なんで、そんな格好?」
『そんな?』
自分がおかしな格好をしている自覚がないのか不思議そうだ。
「エプロン」
『あぁ、なんか着せられた。お世話をするにはこれが一番だー、とか何とか』
「へー」
よく分からんが似合っているからそれはそれでいいと思う。まぁ、神様に似合ってどうするんだって感じだけどね。そう、まるでイケメンな家政夫さんとかそんな感じの雰囲気だ。
「他のみんなは?」
さっきから姿が見えない。ゼウスだけなのだろうか。
『いや、ナナの近くにいると甘えたくなる?から今日は離れとくって言ってたぞ』
「そうなんだ」
私の近くは甘えたくなる…か。私はマタタビとか薬の類なのだろうか。でも、面白いな。今の私よりも年上の人に甘えられる…想像しただけで吹き出しそうだ。
「じゃあ今日はゼウスが私の面倒を見てくれるんだね」
『あぁ、だからナナが寝込んでるのも心配だしさっさと良くなれよ』
「うん!」
そう言って私が返事をすると、ゼウスは急に恥ずかしくなったのか私の頭をくしゃくしゃと撫でた。
(ふふっ、お父さんみたい)
寡黙な父親が子供が倒れたら心配してデレる…うん、いい感じ。萌だね、萌が詰まってるよ。まぁ、強面でもなんでもいいからイケメンに限りますが。
『なんか変な事考えてねぇか?』
「え?」
するとゼウスは顔を指でとんとんと指し、
『かーお、にやけてんぞ?』
少し意地の悪い顔で言った。
「うっ、うほっ!」
(あっ、噛んだ!しかも、うほっとか…ゴリラじゃん。恥ずっ)
私は思わず舌をかんでしまい恥ずかしい思いをしてしまい、顔を真っ赤にしてベットサイドに座っていたゼウスのお腹に顔をグリグリと押し付けた。ゼウスはそんな様子をただケラケラ笑って眺めている。理不尽だ。
「ぅーっ、で、お世話って具体的に何するの?」
恥ずかしくなったので別の話題に変えた。
『そうだな、ご飯の世話と額に当てる布の取り換え、あと風呂の世話とかそんなもんだ』
「へー」
(ご飯と布とお風呂ねー…えっ、風呂っ!?)
「おっ、お風呂も?」
どうか聞き間違えであってほしいと願いつつ聞き返すと、私の期待は裏切られ、
『あ?当たり前だろ?あんまし動けねーんだし…何?風呂入りたくねーの?ばっちぃぜ?』
とあっさり返されたのだった。
なので、芋虫のように床を這ってただ今移動中。なぜかゼウス達が居ないので私を止める者はいない。ただ、これには難点がある。一つ、進むのが遅い。二つ、汚れる。この二点が若干悩みの種である。
(むぅ、面倒くさい…。でも、寝てるだけってのも嫌だなー)
動くのにも疲れて、でも寝たくなくて…。というように悩んでいると、
『うぉわっ!』
正面から驚いた声がした。顔を上げてみると、手に桶を持ったゼウスがいた。しかもエプロン姿。……なんで?
私はその格好に驚いて何も言葉が出てこなかった。
『おいおい、なんて格好してるんだ?仮にも女の子だろ?』
(こっちのセリフなんだけどね。なんでそんな格好してんの?神様でしょ?)
どっちもどっちな気もするが気にしないことだ。さて、私の床の這いずりを見つけたゼウスだが器用に片手に桶を持ったまま、もう片方の腕に私を座らせるとベッドの方へ向かった。
(えー?戻っちゃう?)
全く、私の動力の無駄だったというものだ。私は頬を膨らませて抗議の視線をゼウスに送ってみたが一瞥しただけで無視されてしまった。…ちっ。
さて、ベッドから脱走した私は呆気なく突然現れたエプロン姿のゼウスによって戻されてしまった。体に力を入れようとすると逆に抜けてしまうので立つことは出来ない。
(まったく、誰だ魔力を一気に使うなんて馬鹿なことをしたやつは!…って、私か)
なんて自分で突っ込んでみるが気だるさしか感じない。やるせない気持ちでいっぱいだ。しかし、なぜこの神はエプロンなんて格好をしてるんだろうか。ジーッと眺めているとそれに気づいたのか見つめ返された。
『何だ?』
「えっと…なんで、そんな格好?」
『そんな?』
自分がおかしな格好をしている自覚がないのか不思議そうだ。
「エプロン」
『あぁ、なんか着せられた。お世話をするにはこれが一番だー、とか何とか』
「へー」
よく分からんが似合っているからそれはそれでいいと思う。まぁ、神様に似合ってどうするんだって感じだけどね。そう、まるでイケメンな家政夫さんとかそんな感じの雰囲気だ。
「他のみんなは?」
さっきから姿が見えない。ゼウスだけなのだろうか。
『いや、ナナの近くにいると甘えたくなる?から今日は離れとくって言ってたぞ』
「そうなんだ」
私の近くは甘えたくなる…か。私はマタタビとか薬の類なのだろうか。でも、面白いな。今の私よりも年上の人に甘えられる…想像しただけで吹き出しそうだ。
「じゃあ今日はゼウスが私の面倒を見てくれるんだね」
『あぁ、だからナナが寝込んでるのも心配だしさっさと良くなれよ』
「うん!」
そう言って私が返事をすると、ゼウスは急に恥ずかしくなったのか私の頭をくしゃくしゃと撫でた。
(ふふっ、お父さんみたい)
寡黙な父親が子供が倒れたら心配してデレる…うん、いい感じ。萌だね、萌が詰まってるよ。まぁ、強面でもなんでもいいからイケメンに限りますが。
『なんか変な事考えてねぇか?』
「え?」
するとゼウスは顔を指でとんとんと指し、
『かーお、にやけてんぞ?』
少し意地の悪い顔で言った。
「うっ、うほっ!」
(あっ、噛んだ!しかも、うほっとか…ゴリラじゃん。恥ずっ)
私は思わず舌をかんでしまい恥ずかしい思いをしてしまい、顔を真っ赤にしてベットサイドに座っていたゼウスのお腹に顔をグリグリと押し付けた。ゼウスはそんな様子をただケラケラ笑って眺めている。理不尽だ。
「ぅーっ、で、お世話って具体的に何するの?」
恥ずかしくなったので別の話題に変えた。
『そうだな、ご飯の世話と額に当てる布の取り換え、あと風呂の世話とかそんなもんだ』
「へー」
(ご飯と布とお風呂ねー…えっ、風呂っ!?)
「おっ、お風呂も?」
どうか聞き間違えであってほしいと願いつつ聞き返すと、私の期待は裏切られ、
『あ?当たり前だろ?あんまし動けねーんだし…何?風呂入りたくねーの?ばっちぃぜ?』
とあっさり返されたのだった。
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