防災としてジーン・シャープの非暴力抵抗をみんなが学んで 防衛費を生活や難民に回そう❗プロジェクト。& 嫌がる自分、苦しがる自分をいたぶってや

ボーダー

文字の大きさ
上 下
1 / 1

防災としてジーン・シャープの非暴力抵抗をみんなが学んで 防衛費を生活や難民に回そう❗プロジェクト。& 嫌がる自分、苦しがる自分をいたぶってや

しおりを挟む
 紫音が思っているのと同じように、ライオネルもこの1ヶ月本当に幸せだった。

 実は紫音がたまにじっと座り込んだりしているのは見た事があったが、紫音自身が心配かけないように隠しているようだったので、見て見ぬ振りをしていた。

 それがこの間はとうとう隠しきれなかったようで執務室で倒れた。

 毎日こっそり回復魔法をかけているが、最近急激にかかりが悪くなった。

 ーーもういよいよ別れの時間が迫っているかとでも言うように。

 認めたくない。
 せっかく心が繋がったようなのに。
 
 何が龍人の血が流れているだ。
 何も役にたたないじゃないか。
 俺は龍人の血が割と濃いらしく、魔力量が人より多いし、生命力も強い。どの種類の回復魔法も得意だ。
 だが、紫音の症状は全く分からない。異世界特有の病なのか。。。


 龍人はかつて番と呼ばれる伴侶がいてお互いその1人だけを愛し続けたという。そして、愛した者を事故等で失うと気が狂ってしまう者も多数いたという。

 今なら理解出来る気がした。

 紫音が現れるまで、恋などしたことがなかったし、そもそも恋愛に興味が無かった。
 それが紫音が現れてから世界が変わった。紫音と過ごす世界は輝いて見えたのだ。

 そんな紫音が失われようとしているなんて狂ってしまいそうだ。

 ……俺は諦めない。

 まだ紫音と会って1年も経って無いのだ、お互い離れていた期間もある。まだまだ一緒に過ごしたい。

 紫音は平気そうにしてるが、体は平気では無いのだろう、日々寝てる時間が増えている。
 俺は紫音の寝ている時間を利用して、あらゆる病気について調べている。早くしないと逝ってしまいそうだから。

 最近紫音の眼差しが申し訳なさと諦めを抱いているように見える。気を使う紫音だから申し訳なさは分かるが、諦めはなぜなのか?
 まさか紫音はこうなる事が分かっていたのだろうか? 

 そして、今日はヤらないかと誘ってきた。

 平常時であれば乗りたいくらいだが、今は少しでも体力を温存してほしい。少しでも時間を稼ぎたいのだ。


 ーー紫音の熱が出始めて2週間が経過した頃。

 紫音の起きている時間が極端に減ってきた。日中は細切れで4時間位しか起きていられないようだ。
 容態が急変してしまわないか怖くて、良くないとは分かっていても、また執務室に連れてソファで寝させるようになった。

 絶望がひしひしと伝わる中でも仕事はしなくてはいけない。
 今日も無言で執務を行なっていると、ルイスが話しかけてきた。

「ライオネル様酷い顔をしていますよ。寝る時間を削って調べ物をしているとうかがいました。少しお休みになられないと、シオン君が心配しますよ」
 
 暫く無言だったが、寝ている紫音をチラッと見た後、ライオネルはポツリと呟く。
「……ダメだ。このままではもう逝ってしまうんだ」
 今まで堪えていた弱音をルイスに吐く。

 紫音は熱がある事と起きている時間が少ない事を除けば、顔色が悪い訳でも痩せ細ってきている訳でもない為、見た目は健康そのものなのだ。

「やはりシオン君の言う通りライオネル様はご存知だったんですね」
「シオンは自分が弱っている事を知っていたのだな……」
「シオン君は逆にライオネル様が寿命を感じ取っている事に驚いていましたよ」
「…………寿命!? どう言う事だ? まだ18歳だろう? 詳しく話せルイス!」
「あれ? そこ辺りはご存知無かったのですね。これはシオン君から聞いた話なのですが……」

 興奮して聞いてくるライオネルに、ルイスは以前シオンから聞いた”ドール”の体質や特殊能力、寿命について話していた。

「寿命……。(本当に寿命なら何とかなるかもしれない)明日の執務は休む! 2人でなんとかしてくれ。今日も最低限終わったらあがる! いいな」

 ライオネルは有無を言わせず、手元にある書類を終わらせると、紫音を抱き抱え自室に戻って行った。

 アインとルイスは何だか良く分からないが、ライオネルの憂いを少しでも晴らせるようなら良かったと思った。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

学校であった怖い話の思い出語り【ネタバレ前提】

よもぎ
エッセイ・ノンフィクション
ファミコンソフト「学校であった怖い話」の思い出語りです。話の内容のネタバレ等が含まれますので、内容を知らない人向けではございません。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

カクヨムでアカウント抹消されました。

たかつき
エッセイ・ノンフィクション
カクヨムでアカウント抹消された話。

ハピエン厨になったわけ

華抹茶
エッセイ・ノンフィクション
執筆を初めて二年半。いろいろな物語を書いてきたものの、その全ては必ずハッピーエンド。 それ以外を書かない理由をただつらつらと書いたものになります。

【完結】腎生検の体験談的な話

佐倉穂波
エッセイ・ノンフィクション
 腎生検を体験してきました。  入院生活と検査について、自分の体験を振り返りたい気持ちと、今から腎生検をする方への参考になったら良いなという気持ちで、この体験談をまとめようと思いました。

読む処方箋、無気力に陥ってしまった私へ

立花 黒
エッセイ・ノンフィクション
 私が陥ってしまっていた無気力の克服法です。誰かのためになればと思い文章にしてみました。  もしかしたら無気力ではない一般の方々にも人生を楽しく生きるヒントがあるかもなので、5、6分ほどお時間を許す方は見ていって下さると嬉しいです。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

処理中です...