悪役令息レイナルド・リモナの華麗なる退場

遠間千早

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第二部

百十三話 バグラードの橋の上で 後②

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 いつだったか、グウェンの屋敷で彼と喧嘩した時、俺は迷うかもしれないと思った。

 もし危機的状況でグウェンと他の誰かが同時に天秤に乗っていたら、俺はどちらを助けるか、ギリギリまで迷うかもしれないと。

 でも、実際はそんなことはなかった。

 グウェンしか見えない。

 俺には彼しか。

 グウェンの身に危険が迫っていることを知った俺には、もう彼の姿しかこの目に捉えられなかった。他のことは全て忘れた。ルシアのことも。さっき闇の中に落ちていった公爵のことさえも。
 ただグウェンが危ないと、その言葉だけが頭の中で繰り返し響いた。

 もしかしたらグウェンは紙一重で振り返り、危なげなくノアの襲撃を跳ね除けたかもしれない。

 でも俺は迷わずに選んだ。

 ノアの手が太刀を振り下ろす瞬間、俺は服の中からオズから貰った魔法陣の最後の一枚を素早く掴んで破いた。残った最後の一枚は少し特殊な転移魔法だったはずだ。運がいい。
 
 俺はそれを使ってグウェンと自分の位置を

 視界が慣れる前に後ろを振り返り身をよじったが、それよりも早く太刀の一撃を浴びた。

「っ」

 右肩から左の胸の下までをざっくりと斬られた感覚があった。鋭く熱い痛みが上半身を駆け抜ける。斬られた瞬間に体内を循環していた血液が傷口から溢れ出て外に吹きこぼれたのがわかった。

 でも間に合った。良かった。

 目の前に浮かぶノアは突然グウェンが消えて俺が現れたのを見ると意表を突かれたという顔をした。
 それから猫のように目を細めて俺と目を合わせると、「なんだ、残念だな」と呟いて笑う。
 俺が何か言う前に、その姿は瞬く間に掻き消えた。

「レイナルド!」

 地面に向かって落下を始めた時、空中に現れたグウェンが俺を受け止めた。

 俺の傷を見て顔面を蒼白にした彼は、また転移してルシア達がいた円盤の上に戻り、俺を抱えたまま床に膝をついた。

「レイナルド!」

 焼け付くような痛みで失神しそうだった。それよりも出血が多すぎて意識を保てそうにない。多分骨のおかげで内臓は損傷していないが、既に視界が歪んでいた。頭の後ろがどんどん冷たくなっていき、もう指の一本も動かせない。
 それでも心の中ではグウェンが無事だったことに安堵していた。
 俺でも彼を守れた。この世界の意地悪な女神に感謝したい。

「レイナルド! 君はどうして」
 
 愕然とした顔のグウェンが、痛みに顔を歪める俺を見下ろして混乱したような声を出す。

「……ルシアは」
 
 吹き飛ばされたルシアのことが気になって小さな声で聞くと、顔を歪めたグウェンが「問題ない、ライネルが助けた!」と大声で答えた。
 それを聞いてほっとした。

 ルシアは無事だった。良かった、俺はさっき彼女を見捨てようとしてしまった。

 後でなんと言って弁明したらいいんだろう。と状況にそぐわず訳の分からないことが頭に浮かぶ。手足が痺れて意識がぼんやりとしてきた。喉と心臓が焼けるように熱い。呼吸が上手くできなくて手足を動かせないのに喉を掻きむしりたくなる。

 なんだこれは。苦しくて死にそう。

 あまりの苦しさに顔を顰めると、焦ったような顔をしたグウェンが俺の傷を押さえながらまた大きな声を出した。

「レイナルド! しっかりしろ!」

 マークスと一緒に駆け寄ってきたリリアンが俺の傷を見た瞬間顔を強ばらせた。

「毒です!」

 そう叫んで彼女は肩にかけていたライルの鞄を素早く外した。

 毒か。

 リリアンの声を聞いて納得する。
 この身体が痺れるように麻痺して呼吸が苦しいのは、毒のせいだったのか。
 毒にやられたのは初めてだが、こんなに苦しいなら進んで経験したい体験ではなかった。試験の時の俺はやっぱり無謀だったな。

「……は、……う」

 短く浅い呼吸しか出来ない。喉が腫れているのか肺に上手く空気が入らないし、全身が痺れてもう感覚がない。グウェンが緊張したように息を呑んで身体を震わせるのがわかった。

 もう息が出来なくなってきた。繰り返し俺の名前を呼ぶグウェンの顔が見えない。引き攣るような呼吸をしても空気が入ってこないことに焦り、苦しくて意識が朦朧としてきたら、「これを使ってください!」とリリアンの大声が聞こえて、すぐに口元に何かが当たった。

 小さな器の縁が唇に当たる感覚がして、口の中に何か液体が入ってくる。
 とろりとした不思議な酸味のある液を舐めた瞬間少し呼吸が楽になった気がした。

「……う、ごほっ」

 しかし麻痺が回った身体で上手くその液体を飲み込めず、咽せると次は間髪入れずに柔らかいものが唇を塞いでくる。

 あ、グウェンの唇。

 こんな状況で馴染んだ感触を感じて間抜けたことを考えたら、緩く開いた口に彼の舌が潜り込んできた。彼の舌を通して喉の奥に少しずつ液体が入ってくる。唾液に混じるくらいの少量が慎重に時間をかけて落とし込まれた。
 
 もしかして、これはリリアンの髪飾りか。

 飲み込むたびに呼吸の苦しさと身体の痺れが緩まった。目もうっすら見えてくる。俺の様子をうかがいながら辛抱強く解毒薬と思われるものを口移ししてくれるグウェンの顔が見えた。
 リリアンの髪飾りについていた真珠は、確か水に溶かせばどんな毒も解毒すると言っていた。俺に使ってくれたのか。まさかこんなところでリリアンのマジックアイテムを消費することになるなんて。

 何度か唇を離し、グウェンが口に含んだ解毒剤を数回に分けて俺に飲ませてくれた。
 それでかなり毒のものと思われる症状は緩和されたが、肩から胸にかけての傷が多分思ったよりも深い。着ている衣装は自分の血で濡れて重かった。

「レイナルド、目を開けろ」
「……ん」

 口を離した彼の怯えが混ざった震える声を聞いて、俺は底に引き摺り込まれそうになる意識をかろうじて繋いだ。まだ愕然として、この状況を受け入れられないという表情をしているグウェンを見上げる。見開かれた漆黒の瞳が動揺で揺れていた。

「……大丈夫」

 掠れた声で小さく言うと、グウェンはそれを聞いて泣きそうな顔をした。俺を抱えて傷を押さえる手に力が入る。

 本当は身体が裂かれた痛みで泣き喚きたいし、どんどん感覚が無くなってくる身体が怖くて内心では恐慌していたが、俺よりも動揺しているグウェンを怖がらせたくなくて気力で平静を保った。

ーーママ!

「レイナルド様!」

 ベル達の声が聞こえて、グウェンの後ろにベルとウィルの姿が見えた。
 ベルパパが俺の姿を見て前に出てくる。
 頭の角から白い光が流れてきて俺の傷口を包むように広がった。血が流れすぎて寒気が止まらなかったが、光に包まれたところが暖かくなって、恐らく出血が止まった。

ーー今の私では完全には治癒できない。

 苦しそうな声を出したベルパパの声を聞いて、離れたところで結界を維持していたベルのおばあちゃんが頭を空に向かって上げた。

「クーーン」

 と鳥のように高い声で一度鳴いたおばあちゃんは心配そうな顔で俺を見た。
 それでも彼女が結界を解いてしまったら、周りに押し寄せている魔物が襲いかかってくるだろう。今俺の側に来てもらうことは出来ない。

ーーママ! しんじゃダメ!

 ベルが横から出てきてオパール色の瞳から涙を零した。いやいやと首を横に振ったベルの角が光り、ベルパパと同じような白い光が集まる。驚く俺の身体にベルからも癒しの光が降り注いだ。
 そのおかげで息苦しさを感じていた呼吸が少し楽になる。命が削られていくスピードがいささかゆっくりになったような気がした。それでも傷口の痛みと血が足りないせいでめまいと重い倦怠感は収まらず、相変わらず身体は全く動かせなかった。

「ベル、ありがとう……」

 頭を撫でたかったが腕を動かせなくて無理だった。
 少し持ち直して俺を抱えているグウェンのことが気になった。転移したのは斬られる前だったから多分大丈夫だと思うが、彼に怪我はなかっただろうか。他のみんなにも。

「おまえは、大丈夫……?」

 俺の掠れた小さな声に耳を澄ませて、グウェンは強張った顔で眉間に力を入れ顔を歪めた。

「私は問題ない。ベル達も皆無事だ」

 そこにルシアを抱き上げたライネルが視界の隅に現れて「ルシアは気絶してるだけだ。呼吸もしてる」と伝えてくる。

 それを聞いてまた安心した。グウェンが無事なら、俺はもう何も怖くない。
 
 ベルパパが必死に癒しの光をかけて傷口を塞ごうとしてくれるが、血を止めるだけで精一杯のようで、息をするたびに裂けた傷が疼いて痛い。
 毒で急死するのは避けられたが、このままではヤバいかもしれない。
 多分、気力が途切れたらそこで意識がなくなって死ぬ。

ーー毒で弱った心臓が回復していない。私とこの子では力が足りない。母も魔物を避けながらやりきれるかどうか……。

 途方に暮れたようなベルパパの声を聞いて、俺は小さく頷いた。青ざめて震えているウィルと、ウィルの手に抱えられているメルも泣き出しそうな顔になっている。

ーーママ! ママ!

 ベルは涙を零しながら俺を呼んでいた。

「……ありがとう、ベルと、パパも」

 心臓が上手く動いていないのは分かっていた。鼓動が弱い。圧倒的に血が足りていないだろう。霞がかかったように頭がぼんやりしてしまう。痛みよりも身体の怠さと悪寒を感じる四肢の倦怠感が強くなってきた。

 死ぬつもりなんてないが、抗えるだろうか。
 アシュラフが戻ってくるまであとどのくらいかかるだろう。

「レイナルド、頑張ってくれ」

 俺を抱えるグウェンの泣きそうな声が聞こえた。
 青ざめて、絶望に近い恐怖を目に浮かべた彼が唇を震わせて囁いてくる。

「もう君がいくら厄介事を引き寄せようと、私を置いて他を構おうと腹を立てたりしない。君がずっと私の側にいてくれるなら何をしても構わない、だから」

 死ぬな、という言葉はとても口にできない、というように彼は顔を歪めて唇を噛み締めた。
 彼の悲壮な声を聞いて胸が苦しくなって、俺はグウェンを安心させようと無理矢理微笑んだ。

「……大丈夫だ。グウェン」

 いつかの時のセリフを、俺は掠れた小さな囁きでもう一度繰り返す。

 大丈夫。言っただろう。
 俺はお前から離れたりしない。

 こんなところで死んだりするもんか。

 俺がいなきゃ世界に意味がないなんて言うお前を、彼と同じ孤独の淵に立たせたりはしない。

 絶対に。

「……大丈夫。はなれない」

 浅い呼吸の合間に強い気持ちをこめて囁き、閉じてしまいそうになる瞼をこじ開けてグウェンの目を見た。
 彼は顔を歪め、震える手で俺の頬を包むと俺の頭を抱き寄せた。血の匂いに混ざってグウェンの馴染んだ匂いが鼻を通って緊張が緩み、痛みで強張った力が少し抜ける。

「すぐにアシュラフ陛下を呼び戻しましょう」
「俺が行く。転移してバグラードの城壁の辺りを探してみる」
「その前に王宮に転移してマスルールさんに手当を」
「リリー、彼がすぐに見つかればいいが、もしイラムにいたら俺たちでは登れない」

 リリアンとライネルとマークスが早口で話し合っている声を聞いていたら、気力で意識を繋いでいた俺の耳が遠くから微かな声を拾った。

 何か鳥が鳴くような、高い声。

 その声に真っ先に反応したベルのおばあちゃんがまた頭を高く上げた。

「クーーン」

 彼女がさっきと同じ声を上げた瞬間、空の上から稲妻のような勢いで金色の閃光が舞い降りてきた。

ーーおじいちゃん!

 ベルの声が耳に聞こえたのと、円盤の上に颯爽と降り立った大きな金色のチーリンを見つけたのが同時だった。

 おじいちゃん……?

 ベルパパやおばあちゃんと比べるとかなり大きくて立派な体躯だった。毛並はほとんど金色で白銀のイメージが強いチーリンにしては、多分珍しい色。
 おじいちゃんと呼ばれたチーリンは、ベルのおばあちゃんに近寄ると怒ったように足を踏み鳴らした。おばあちゃんが宥めるように番の首に擦り寄り、俺の方を見る。

ーーあの人を助けて。

 何か話しているのか、おばあちゃんが小さくそう言う声だけは拾えた。

 金色のチーリンが俺を見て、ベルとベルパパの姿を確認するとふん、と鼻を鳴らした。
 つかつかと蹄を鳴らして近付いてくると、俺の傷を見て子供と孫にそっくりのオパール色の瞳を鮮やかに煌めかせる。
 その瞬間、立派な角から澄んだ蜂蜜のように濃密な金色の光が溢れ出て俺の身体を包んだ。四肢が繭に包まれたようにふわっとして癒しの光が皮膚から体内に染み込んでくる。瞬く間に胸の傷が塞がり、光を浴びた心臓が目を覚ました。慌てたように強く鼓動を打ち、全身に血液を送り出し始める。

 さっきまでの泥に纏わりつかれたような倦怠感が薄れていく。
 皆が呆然として俺とチーリンを見つめ、俺を抱えたままのグウェンも目を見開いて俺の傷口が癒えていくのを見ていた。

 しばらくして、金色の光に包まれた俺は完全に復活した。少しだけ怠さがあるが、それは神経の疲労と緊張からくるものだと思う。肉体面では完治したと言っていい。

 俺が治ったのを見たベルのおじいちゃんは光を止めて、じとっとした目で俺を見てきた。何か色々言いたいことがある、というような目だった。
 そしてぷいと首を翻しておばあちゃんの方に歩き去っていく。

ーーおじいちゃん、ありがとう。

 ベルがチーリンの後ろ姿に言うと、ちらりと孫を振り返ったおじいちゃんは「クルル」と低い声で答えた。

「……すごくない?」

 一言目につい感想が漏れた。
 俺が掠れもしない声でつぶやくのを聞いて、我に返ったグウェンが俺の顔をよく見ようと身体を少し起こして抱え直した。

「もう大丈夫なのか」
「うん。ベルのおじいちゃんが治してくれたみたい」

 はっきりそう言うと、彼は俺を見る黒い瞳を大きく見開いた。そしてじわりと涙を潤ませて、眉間に力を入れると長く詰めていた震える息を深く深く吐き出した。
 俺の身体をもう一度よく見下ろして、傷が塞がっているのを確かめた彼は慎重に俺を引き寄せ、俺が痛がらないとわかると強く掻き抱いた。

「レイナルド……良かった……。本当に、君は、なんてことをするんだ。なんでそんな無茶をする」

 俺の肩に顔を伏せた彼の押し殺して泣くような震える声が耳元で聞こえて、俺はグウェンの背中にそっと腕を回した。

 後で怒られるのは承知の上だったが、これは俺の選択だからどうしようもない。
 また同じ状況になっても、俺はきっと同じことをするだろう。

「怒るなよ。お前が危ないと思ったから、選んだんだ。お前を」

 そう言うと、グウェンは俺の肩に顔を伏せたまま身体に力を入れた。

 脈絡はないが、多分分かってくれただろう。
 俺が何を天秤にかけて、どちらを選んだのかを。

 俺はグウェンの形の良い頭を肩から上げさせて、彼の顔を両手で包むように挟み、額同士をとん、とくっつけた。
 涙で濡れた宝石のように綺麗な目が俺を見つめてくるから、鼻先に擦り寄って微笑んだ。 

「だから言っただろ。俺の愛を甘く見るなって」

 愛してるんだよ。

 お前のことを一番。

 そう言うと彼はまた顔を歪め、震える腕で俺を固く抱きしめた。
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