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第二部
七話 蕾の薔薇と世の喜び《開演》 後②
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グウェンの気が収まってから、空中で停止した板は地面に下ろされた。土下座して謝ってくる大工たちに手を振って許し、ソフィア達と一緒にその場から離れる。俺たちもあんなところで立ち話をしてたのも悪かったしな。
何事かと周りに集まっていた人々も、俺たちがその場を離れるとまた散っていき広場は元のような賑わいに戻っていく。
ソフィア達と別れ際に、気分が落ち着いたオルタンシアが俺に歩み寄ってきた。まだ少し青い顔で俺の顔を無表情で見上げてくる。
「レイナルド、あなたって本当に……いいえ、いいわ。これは私が言うべきことじゃない。きっと団長が言ってくれる。さっきはありがとう。助けてくれて。この借りはいつか返すわ」
淡々と言われて俺は軽く首を傾げた。
「いや、借りとかじゃなくていいけど……。そういうつもりだったわけじゃないし」
そう言うとオルタンシアは少し目を見開いてから、ソフィアには見えない角度で顔を顰めると小さな声で呟くように言った。
「だから、あなたのそういうところがいちいち私を追い詰めるのよ。いいから借りておいて。じゃないと私の気が済まないの」
「うん……?」
よくわからなくて俺はとりあえず頷いておく。
そのままソフィア達とは別れて、俺とグウェンドルフは一度フォンフリーゼ公爵邸の離れに戻った。
俺はどうせなら昼飯を食べてから帰ろうと言ったのだが、強張った顔をしたグウェンが首を横に振った。俺が街にいたらまた何かに巻き込まれるとでも言いたげな顔だった。
さっきのは予想外だったけど、多分回避する時間はあったし、怪我するつもりもなかったんだけどな。
そういえばお婆さんにもらったネックレスは、何も反応しなかった。やっぱり気休めのお守りだったのか、あるいはあの程度では危険のうちに入らないということなんだろうか。それならそれでこれから待ち受けてる受難というのが何なのか、俺はすごく不安になるんだが。
グウェンは屋敷に戻ってから二階の寝室に入ると、部屋の真ん中で俺を振り返って不機嫌そうな顔をした。
「君は、何故いつもそう息を吸うように自分の身を投げ出すんだ」
少し怒った調子の声で言われて、俺は昨日に続けてまた怒られるのか、と少しむっとする。
「……投げ出してないけど。さっきのは多分ギリギリで避けられたし」
そう言い訳を含めて反論すると、グウェンは眉間に皺を寄せた。
「自分を大切にしてくれと昨日言っただろう。見殺しにしろとは言わないが、軽々しく自分の身を危険に晒すのはやめてくれ」
彼の言いたいことはわかる。心配させてしまったのも悪かったと思っている。でも俺は、さっきの自分の判断が間違っていたとは思わない。
俺は不機嫌そうな彼を見返した。
「驚かせて悪かった。でもあのままだったらオルタンシアが大怪我してたから」
「さっきのことは例えそうだったとしても、君はもう少し身の振り方を考えろ。君が代わりにあの板に押し潰されていたらどうするつもりだったんだ」
「だから、さっきのは多分ギリギリで避けられたって」
「避けられなかったかもしれないから言っている。君は、何度も言うが普段からもう少し冷静に物事を判断した方がいい」
俺が素直に謝らずに言い返したから、グウェンは眉間に皺を寄せて珍しく棘のある口調で責め立ててくる。
でもまるで、それは俺がいつも何も考えていないかのような言い方じゃないか。
咄嗟に手が出る時は実際そうだったとしても、なんとなくカチンときた。
昼食を街で食べ逃して腹が減っていたから、それで余計に気が立っていた。
「へえ。冷静な判断っていうのは、たとえばどういうことを言うんだ?」
むすっと腕を組んで首を傾げると、俺の剣のある雰囲気を察したのか少し怒気を弱めたグウェンドルフは少し思案してから口を開いた。
「周りの状況を見て、それが本当に必要なのか、手を出さずとも解決できるのかどうか、見極めろと言っている。例えば、君は、もしあの板の下にいたのが私だったら、助けなかっただろう」
「は?」
俺が低い声を出したことに気がつかないのか、グウェンは考えるような顔のまま言葉を続けた。
「君は私の実力を知っているから、無闇に飛び込んだりはしないはずだ。それでいい。それが状況を読むということだから。その判断の中に、次は君自身の身の安全も含めて考えて欲しい」
「おい、ちょっと待てよ。もしお前が落ちてくる板の下にいたら、お前は俺が助けないで黙って見てると思ってんのか?」
話を続けようとしたグウェンを遮って、今度は俺が不機嫌さを全開にして聞くと、彼は少し不思議そうな目をして俺を見てくる。
「それはそうだろう。例えば子爵令嬢と私があの板の下にいたら、君はマルス嬢の方を助けるだろう。それは当然だが」
「なあ、お前何言ってんの?」
途中で言葉を遮ってグウェンを睨んだ。
もうカチンじゃない。
プチっときた。
こいつは一体何を言っているんだ?
俺は込み上げてくる憤ろしい感情を一度抑えようとしたが無理で、目の前で何故俺が怒っているのかわからない、という顔をしたグウェンを見て更に腹が立った。
ダメだ。
キレる。
「あのなあ……お前が板の下にいたら、お前を助けるに決まってんだろバカ野郎!!」
苛立った感情のまま怒鳴ると、グウェンの黒い瞳が大きくなった。虚を突かれたような顔をして彼は俺を見る。
その驚いた顔にますます苛立ちがつのった。
「なんで他人をお前より先に助けなきゃなんねーんだよ! お前を助けるよ! 当たり前だろうが!」
そう怒鳴ってグウェンを睨みつけた。
冷静に状況を判断したら、それは当然弱い者を先に助けるだろう。俺だってそうする。ただしそれは、目の前にいるのがどちらも自分にとって同じ重さの相手だったときの話で、危機的状況に好きな奴がいたら、そんなこといちいち冷静に考えられるわけない。
なんでそんなことがわからないんだ?
こいつは俺を何だと思ってるんだ。
「レイナルド、私は」
戸惑った顔で言葉を探そうとしたグウェンを俺は待てなかった。いつもなら彼が自分の言葉を見つけて話し始めるまで俺は待つが、今日はそれが出来なかった。
グウェンが言ったことがどうしても気に入らなくて、俺はそれに猛烈に腹を立てた。
「気持ちの問題だろ! 実力がどうとか関係ねーよ! なんでその天秤に平気で自分を並べるんだよ! 俺がお前を助けないなんて言い切るなよ! オルタンシアとお前だったらお前の方が大事に決まってんだろ! 考えるまでもねーわ!」
言いながらますます腹が立ってくる。
実際オルタンシアとグウェンが同時に天秤に乗っていたら、俺は状況によっては判断を迷うかもしれない。でも、初めから迷わないなんて決めつけて欲しくない。
俺が怒っていることは、もともとの話の内容からはずれている。それは分かっているのに、あまりに憤ろしいものが胸の中に溢れて、もう自分でも話の本筋がなんだったのか思い出せなかった。
グウェンは固まっている。
手加減なく捲し立てる俺の剣幕に、口下手なこいつが敵うわけがない。
「今日は俺が助けられる余裕があると思ったからオルタンシアを助けただけで、それだけだろ! なんでそれとお前への気持ちを一緒の土台で話されなきゃなんねーんだよ! なんで俺が助けないなんて決めつけんだよ! さっきお前だって真っ先に俺を助けただろ! 俺だってそうするよ!」
身の内に溢れたものを叩きつけるように怒鳴ったが、全然気持ちが収まらなかった。
「お前俺のこと何だと思ってんの? 実力があるから見てていいや、なんて思う程度の奴に身体まで好きにさせる訳ねーだろ!! 俺の気持ちを甘く見てんじゃねーよ!!」
これが話の本筋とは違うことはわかっているのに、俺がグウェンを助けないなんて、そんなさも当たり前みたいな顔で言われたことが許せない。
なんでいとも簡単にそんなことを口にするんだ。
こいつは俺の気持ちを全然わかってないんじゃないかと絶望感すら感じる。
固まったままのグウェンをきつく睨んで見上げた。瞬きもせずに彼の墨色の瞳を睨め付けて、息を吸い込む。
「お前はその、俺に対する自己評価の低さを何とかしろよ!」
そう怒鳴り散らして、まだ憤りを収められない俺は深呼吸してからグウェンに背を向けた。
狼狽えたような、不安げな顔をし始めた彼をこれ以上見ていられなかった。
「レイナルド」
慌てて追いかけてくるグウェンの足音を聞いて、俺は振り向いた。勢いのまま彼の胸ぐらを掴んで強く引っ張った。驚いた彼の唇に歯が当たるくらいの勢いで自分の唇を押し付けると、すぐに離して顔を背ける。
「悪い。俺今どうかしてる。大丈夫だから、頭冷やしてからまた来る。すぐ戻ってくるから待ってろ」
そう言い捨ててグウェンの顔を見ずに早足で部屋から出た。
グウェンは俺を追って来ず、多分その場で立ちすくんでいる。
グウェンを悲しませたい訳じゃないから、俺も胸が絞られるような思いが湧くが、今あの場に居続けたら多分俺はもっと彼を傷つける。
今はどうしようもなく気が立っているから、落ち着いて一回冷静にならないとちゃんと話が出来ない。
頭を振って、俺はグウェンドルフの家の書庫に描いてある魔法陣から一度実家の屋敷に転移した。
気持ちを切り替えたら、すぐに戻ってくるつもりだった。
この判断を、俺は後になってものすごく後悔することになる。
すぐに戻ってくるから、なんていつかのフラグを想起させるような不吉な言葉を、口に出して言うべきではなかったのだ。
何事かと周りに集まっていた人々も、俺たちがその場を離れるとまた散っていき広場は元のような賑わいに戻っていく。
ソフィア達と別れ際に、気分が落ち着いたオルタンシアが俺に歩み寄ってきた。まだ少し青い顔で俺の顔を無表情で見上げてくる。
「レイナルド、あなたって本当に……いいえ、いいわ。これは私が言うべきことじゃない。きっと団長が言ってくれる。さっきはありがとう。助けてくれて。この借りはいつか返すわ」
淡々と言われて俺は軽く首を傾げた。
「いや、借りとかじゃなくていいけど……。そういうつもりだったわけじゃないし」
そう言うとオルタンシアは少し目を見開いてから、ソフィアには見えない角度で顔を顰めると小さな声で呟くように言った。
「だから、あなたのそういうところがいちいち私を追い詰めるのよ。いいから借りておいて。じゃないと私の気が済まないの」
「うん……?」
よくわからなくて俺はとりあえず頷いておく。
そのままソフィア達とは別れて、俺とグウェンドルフは一度フォンフリーゼ公爵邸の離れに戻った。
俺はどうせなら昼飯を食べてから帰ろうと言ったのだが、強張った顔をしたグウェンが首を横に振った。俺が街にいたらまた何かに巻き込まれるとでも言いたげな顔だった。
さっきのは予想外だったけど、多分回避する時間はあったし、怪我するつもりもなかったんだけどな。
そういえばお婆さんにもらったネックレスは、何も反応しなかった。やっぱり気休めのお守りだったのか、あるいはあの程度では危険のうちに入らないということなんだろうか。それならそれでこれから待ち受けてる受難というのが何なのか、俺はすごく不安になるんだが。
グウェンは屋敷に戻ってから二階の寝室に入ると、部屋の真ん中で俺を振り返って不機嫌そうな顔をした。
「君は、何故いつもそう息を吸うように自分の身を投げ出すんだ」
少し怒った調子の声で言われて、俺は昨日に続けてまた怒られるのか、と少しむっとする。
「……投げ出してないけど。さっきのは多分ギリギリで避けられたし」
そう言い訳を含めて反論すると、グウェンは眉間に皺を寄せた。
「自分を大切にしてくれと昨日言っただろう。見殺しにしろとは言わないが、軽々しく自分の身を危険に晒すのはやめてくれ」
彼の言いたいことはわかる。心配させてしまったのも悪かったと思っている。でも俺は、さっきの自分の判断が間違っていたとは思わない。
俺は不機嫌そうな彼を見返した。
「驚かせて悪かった。でもあのままだったらオルタンシアが大怪我してたから」
「さっきのことは例えそうだったとしても、君はもう少し身の振り方を考えろ。君が代わりにあの板に押し潰されていたらどうするつもりだったんだ」
「だから、さっきのは多分ギリギリで避けられたって」
「避けられなかったかもしれないから言っている。君は、何度も言うが普段からもう少し冷静に物事を判断した方がいい」
俺が素直に謝らずに言い返したから、グウェンは眉間に皺を寄せて珍しく棘のある口調で責め立ててくる。
でもまるで、それは俺がいつも何も考えていないかのような言い方じゃないか。
咄嗟に手が出る時は実際そうだったとしても、なんとなくカチンときた。
昼食を街で食べ逃して腹が減っていたから、それで余計に気が立っていた。
「へえ。冷静な判断っていうのは、たとえばどういうことを言うんだ?」
むすっと腕を組んで首を傾げると、俺の剣のある雰囲気を察したのか少し怒気を弱めたグウェンドルフは少し思案してから口を開いた。
「周りの状況を見て、それが本当に必要なのか、手を出さずとも解決できるのかどうか、見極めろと言っている。例えば、君は、もしあの板の下にいたのが私だったら、助けなかっただろう」
「は?」
俺が低い声を出したことに気がつかないのか、グウェンは考えるような顔のまま言葉を続けた。
「君は私の実力を知っているから、無闇に飛び込んだりはしないはずだ。それでいい。それが状況を読むということだから。その判断の中に、次は君自身の身の安全も含めて考えて欲しい」
「おい、ちょっと待てよ。もしお前が落ちてくる板の下にいたら、お前は俺が助けないで黙って見てると思ってんのか?」
話を続けようとしたグウェンを遮って、今度は俺が不機嫌さを全開にして聞くと、彼は少し不思議そうな目をして俺を見てくる。
「それはそうだろう。例えば子爵令嬢と私があの板の下にいたら、君はマルス嬢の方を助けるだろう。それは当然だが」
「なあ、お前何言ってんの?」
途中で言葉を遮ってグウェンを睨んだ。
もうカチンじゃない。
プチっときた。
こいつは一体何を言っているんだ?
俺は込み上げてくる憤ろしい感情を一度抑えようとしたが無理で、目の前で何故俺が怒っているのかわからない、という顔をしたグウェンを見て更に腹が立った。
ダメだ。
キレる。
「あのなあ……お前が板の下にいたら、お前を助けるに決まってんだろバカ野郎!!」
苛立った感情のまま怒鳴ると、グウェンの黒い瞳が大きくなった。虚を突かれたような顔をして彼は俺を見る。
その驚いた顔にますます苛立ちがつのった。
「なんで他人をお前より先に助けなきゃなんねーんだよ! お前を助けるよ! 当たり前だろうが!」
そう怒鳴ってグウェンを睨みつけた。
冷静に状況を判断したら、それは当然弱い者を先に助けるだろう。俺だってそうする。ただしそれは、目の前にいるのがどちらも自分にとって同じ重さの相手だったときの話で、危機的状況に好きな奴がいたら、そんなこといちいち冷静に考えられるわけない。
なんでそんなことがわからないんだ?
こいつは俺を何だと思ってるんだ。
「レイナルド、私は」
戸惑った顔で言葉を探そうとしたグウェンを俺は待てなかった。いつもなら彼が自分の言葉を見つけて話し始めるまで俺は待つが、今日はそれが出来なかった。
グウェンが言ったことがどうしても気に入らなくて、俺はそれに猛烈に腹を立てた。
「気持ちの問題だろ! 実力がどうとか関係ねーよ! なんでその天秤に平気で自分を並べるんだよ! 俺がお前を助けないなんて言い切るなよ! オルタンシアとお前だったらお前の方が大事に決まってんだろ! 考えるまでもねーわ!」
言いながらますます腹が立ってくる。
実際オルタンシアとグウェンが同時に天秤に乗っていたら、俺は状況によっては判断を迷うかもしれない。でも、初めから迷わないなんて決めつけて欲しくない。
俺が怒っていることは、もともとの話の内容からはずれている。それは分かっているのに、あまりに憤ろしいものが胸の中に溢れて、もう自分でも話の本筋がなんだったのか思い出せなかった。
グウェンは固まっている。
手加減なく捲し立てる俺の剣幕に、口下手なこいつが敵うわけがない。
「今日は俺が助けられる余裕があると思ったからオルタンシアを助けただけで、それだけだろ! なんでそれとお前への気持ちを一緒の土台で話されなきゃなんねーんだよ! なんで俺が助けないなんて決めつけんだよ! さっきお前だって真っ先に俺を助けただろ! 俺だってそうするよ!」
身の内に溢れたものを叩きつけるように怒鳴ったが、全然気持ちが収まらなかった。
「お前俺のこと何だと思ってんの? 実力があるから見てていいや、なんて思う程度の奴に身体まで好きにさせる訳ねーだろ!! 俺の気持ちを甘く見てんじゃねーよ!!」
これが話の本筋とは違うことはわかっているのに、俺がグウェンを助けないなんて、そんなさも当たり前みたいな顔で言われたことが許せない。
なんでいとも簡単にそんなことを口にするんだ。
こいつは俺の気持ちを全然わかってないんじゃないかと絶望感すら感じる。
固まったままのグウェンをきつく睨んで見上げた。瞬きもせずに彼の墨色の瞳を睨め付けて、息を吸い込む。
「お前はその、俺に対する自己評価の低さを何とかしろよ!」
そう怒鳴り散らして、まだ憤りを収められない俺は深呼吸してからグウェンに背を向けた。
狼狽えたような、不安げな顔をし始めた彼をこれ以上見ていられなかった。
「レイナルド」
慌てて追いかけてくるグウェンの足音を聞いて、俺は振り向いた。勢いのまま彼の胸ぐらを掴んで強く引っ張った。驚いた彼の唇に歯が当たるくらいの勢いで自分の唇を押し付けると、すぐに離して顔を背ける。
「悪い。俺今どうかしてる。大丈夫だから、頭冷やしてからまた来る。すぐ戻ってくるから待ってろ」
そう言い捨ててグウェンの顔を見ずに早足で部屋から出た。
グウェンは俺を追って来ず、多分その場で立ちすくんでいる。
グウェンを悲しませたい訳じゃないから、俺も胸が絞られるような思いが湧くが、今あの場に居続けたら多分俺はもっと彼を傷つける。
今はどうしようもなく気が立っているから、落ち着いて一回冷静にならないとちゃんと話が出来ない。
頭を振って、俺はグウェンドルフの家の書庫に描いてある魔法陣から一度実家の屋敷に転移した。
気持ちを切り替えたら、すぐに戻ってくるつもりだった。
この判断を、俺は後になってものすごく後悔することになる。
すぐに戻ってくるから、なんていつかのフラグを想起させるような不吉な言葉を、口に出して言うべきではなかったのだ。
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