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飛竜と海竜は惹かれ合う
第三十話 飛竜と海竜は番い合う 中*
しおりを挟む※がっつり、かなりがっつりやってますので、苦手な方は飛ばしてください。
「ちょっと待てんっ」
ベルトを外されて、ズボンを性急にずり下げられながら荒々しくキスされた。口の中に潜り込んでくる舌がリアンの舌に絡みついてくる。蛇のような動きで締め上げられ、啜られるとぞくっとした快感が背筋を走り抜けた。
「んぅっ、ふ……」
まだ自分の感情はそこまで追いついていないと思っていたが、ヴァルハルトの勢いが強すぎて引いていただけで、キスをされたらすぐに身体の熱が高まってくるのを感じた。今日は陰の日ではないから完全に素面だが、それでもヴァルハルトに触られると身体の奥からむずむずするような、ふわふわするような恍惚を感じる。
黙ってろと横暴なことを言われるのに、強引にキスされてシーツに縫い止められた手を絡めて握られると怒りが湧かない。それどころか次は抱きしめてほしいと思う自分がいて戸惑う。
「ん、ん」
口の中を丹念に調べられた後、唇を離してリアンの身体の上をたどる頭が肌に吸い付きながら胸の前まで下がってくる。右の尖りをぱくっと食まれて吸われたら肩が跳ねた。舌で先端を転がされて強く吸われる。むず痒い痺れを身体の奥に感じて握り合った手にぎゅっと力が入った。
眉を寄せて緩い刺激に耐えていると、好き放題両方の胸を弄り倒してから、ヴァルハルトはおもむろにリアンのズボンと下着を一緒に足から引き抜いてベッドの下に投げ捨てた。動揺しているリアンに取り合わずに膝裏を掴んで大きく広げる。
「おい、待っ」
さすがに羞恥が勝って慌てると、淫蕩な顔をした男は唇を舐め、一切の躊躇いなく軽く兆していたリアンのものを口で咥えた。
「は?! おま、んん」
あの夜にも口淫はされたような気はするが、もうかなり理性が残っていない状態だったし、何が何だかわからなかったからされるがままだった。しかし今は完全に意識も自我もある。番になるとは言ったが、だからといって戸惑いと羞恥心がなくなるわけではない。濡れた舌に鈴口を攻められて腰が跳ねた。
「オーベ……んっ、ん」
ヴァルハルトはおかまいなしに竿まで舌を這わせてくる。そこを他人に舐められるなんて理性がある状態ではとても目視できない。手の甲で口を押さえて快感をやり過ごそうとするが、聞かせるようにわざと音を立ててしゃぶられたら堪えようもなく官能が高まった。
「ふっ……オーベル、もう」
根を上げたら弾ける手前でヴァルハルトが口を離した。リアンがもどかしく身を捩ったのを見て獰猛な眼をして笑い、唾液とリアンの先走りで濡れた後孔に指を当てて押し込んでくる。つぷ、と指が入ってくる感覚に身を震わせると、宥めるように覆いかぶさってきた竜に唇を柔らかく食まれた。
余裕がないという顔をしているのに、リアンに受け入れる準備をさせる手つきはひどく優しい。あの夜も最初の準備はかなり入念だった。
ヴァルハルトの指を覚えているのか、リアンの中は少し探られただけで従順になった。押し込まれて敏感な部分を擦られるとびりっと腰骨が痺れて思わず喘ぎ声が漏れる。
「んっ、あっ……や」
ヴァルハルトも思い出してきたのかリアンの弱い場所を執拗に押し込みながら、指を増やしてじっくり中を広げていく。足が閉じないように太腿を掴んで押さえ込んでくる男を見上げると、ギラついた眼が瞬きもせずにリアンの顔を凝視していた。その鋭い眼光を放つ青い瞳を見たらひくっと喉が震えて無意識に中の指を締め付けてしまう。
ぺろ、と舌舐めずりしたヴァルハルトが指を引き抜き、自分の下衣を脱ぎ捨てるとリアンの膝を掴んで折りたたんできた。
「もう限界。入れる」
押し当てられた熱に怯む前に、ぐっと先っぽが入ってきた。
「んぅっ」
衝撃に顎が上がる。
慎重に、けれど容赦のない動きで剛直を押し込まれる。侵入される部分にものすごい圧力を感じるが、解された内部は熱い屹立の侵入を拒まない。
入ってくる。ヴァルハルトが。
そう思ったら自分の中の竜が悦びを得たように胸が戦慄いた。
「息を抜け」
反射的に息を止めたらそう言われて、詰まった息を吐き出そうと浅く呼吸するとまた少し身体の奥に入ってくる。
「は、……う」
奥を開かれて内臓を押し上げるようにして侵入される。慣らされたおかげで痛みはあまりないが、苦しくて眉を寄せるとヴァルハルトが覆いかぶさってきてリアンの背中に腕を回した。ぴたりと肌をつけて抱きしめられ、挿入の角度が変わる。ひくっと震えたら宥めるように目尻にキスが降ってきた。
「もう少し」
と呟いた男の逞しい身体からは記憶にある体温と肌の質感を感じて、それを思い出したら身体が弛緩した。力が抜けたところで更に押し込まれ、ようやく奥まで入ったのかヴァルハルトがそこで動きを止める。
「ん……」
「入った。っ……あんたの中すげぇ熱い」
耳元で興奮を滲ませた声を聞いて、抱きしめられたまま言いようのない感情を抱いた。男の自分が雄の番に抱かれる羞恥心のような、それでいてずっと欲しかったものが手に入った充足感のような。
リアンを抱きしめたままヴァルハルトが肩口に擦り寄ってくる。内壁が馴染むまで待つという意外な気遣いを見せる男が肩や首に吸い付いてきて、熱い指先で背中をなぞられると中がじわっと戦慄いた。
中を深くまで占領されて浅く息を吐いたところで、リアンは自分の身体がすでに受け入れる準備を整えていることを悟った。
抱かれたのは三ヶ月以上前に一度きりだったというのに、リアンの身体はヴァルハルトを覚えていた。硬い雄に貫かれて、中を掻き回された快感を忘れていない。
あまりに恥ずかしい現実だったが、ギリギリまで高められていたせいで馴染んでくるともどかしさを感じる。無意識に腰が揺れると、それを見た男が野生味溢れる表情でにやりと笑って上体を起こした。
「動くぞ」
「ん、……んっ」
最初はゆっくり揺らすように緩やかだった動きが徐々に激しくなり、次第に奥を抉るような突き上げに変わる。
「あっ……やめ、そこっ」
さっきも指で弄られて敏感になっている部分を強く擦られてびくんと身体が跳ねた。指先まで痺れるような快感が走り、思わず腰を逃そうとしたら開いた太腿を上からきつく押さえつけられて執拗に突き上げられた。激しい律動に合わせてベッドが音を立てて軋む。
「んっ、あっ、ぁあっ」
がくがく震えて首を横に振ったとき、硬さを取り戻していたリアンの性器に手が伸びて、抽挿に合わせて一緒に扱かれた。
「待っ、いっ……ッ」
制止する間も無く強く擦られて熱が弾けた。ぎゅっと爪先まで力が入り中の雄を締め付ける。ヴァルハルトが息を詰めて、そこで蠕動する内壁を更に奥までこじ開けてきた。達したリアンに構わず律動が続く。ギリギリまで引き抜いて、閉じかけたところをまた最奥まで開かされる。容赦のない抽挿に頭の中が一瞬白く飛んだ。
ガツンと奥まで突き上げられる衝撃で意識を引きずり戻され、攣ったような高い声が部屋に響く。
「ひ、あっ、待……そんな、奥」
揺さぶられる合間に涙声で無理だと訴えたが、「大丈夫」とあやすように目尻を舐められた。何が大丈夫なのか全然わからない。
達した直後で緩慢になった頭が荒々しい情動に攫われていく。苦しいくらいの快感を身体の奥に叩き込まれて、めちゃくちゃに揺さぶられてただ翻弄された。
「あっ、あ……は、あっ」
縋るものを求めてヴァルハルトの背中を掴む。強く爪を立てたらリアンを舐めるように凝視していた男が何故か満足げに笑った。
その顔を見たら何故か自分まで満たされたような気持ちになってしまい、荒々しく穿たれながらまた達しそうになった。
「あ、も、また」
「はっ、すげぇいい。あんたの中ぎゅうぎゅうに締まって」
「もう、いく、……う、あっ、ぁああっ」
自分が何を口走っているのかもわからないまま押し寄せてきた法悦の波に飲み込まれた。
一際強く突き上げられた瞬間もう一度頂点に達し、直後にヴァルハルトが短く唸ってリアンの中に放った。熱いものが中に広がる感覚がして、思わず小さな喘ぎ声が漏れる。
びくびく痙攣して後を引く余韻に束の間放心していると、覆いかぶさってきたヴァルハルトが眼を細めて啄ばむように口付けてきた。
「リアン、リアン」
鬱陶しいくらい何度も名前を呼ぶ竜が口付けてくる。うっすら開いた目で見上げたら、いまだに情欲に濡れた熱っぽい双眸がリアンを捉えていた。中に入ったままの奴の凶器は萎えていない。
「おい……待て。抜け」
「足りねぇ」
危険を察知して腰を引こうとしたら背中に腕を回されてぐっと抱き起こされた。ヴァルハルトの膝の上に座る体勢で座位に持ち込まれる。
息つく間もなく腰を掴まれて強く揺さぶられた。
「んっ、バカ、ぁ、あっ」
「こんなんで、終わるわけねぇだろ」
詰ろうとしたらそれよりも激しく突き上げられて声にならなかった。弱い部分を抉るように腰を入れられてびくっと背中が反り返る。散々弄られた胸の突起にがぶりと吸いつかれたらもう抵抗できなくなった。
力が抜けてされるがままになったリアンを見たヴァルハルトが獰猛な顔で笑う。
「覚悟しろって言ったよな」
完全に発情している男の欲望が恐ろしい。
振り落とされないように目の前の太い首に腕を回してしがみつき、強く揺さぶられながらこの獣をどうにかして落ち着かせる方法はないかと考えたが、そのうち自分も深い快楽の底に引きずりこまれて何も考えられなくなった。
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