ハズレ者の国造り

名の無い神様に名を 〜 創造神様と破壊神様の置き土産 〜

　でなんで、ラルフやオレルにそのお鉢が回ったかと言うと、どうやら今回の件でほぼ被害者の自分たちに二柱から限定的な加護を貰ったらしい。
　その名も【二柱の権限（極小）】と言うものだ。
　内容としては、この箱庭限定且つ回数制限が付いた有り難い（？）加護だそう。
　なんだか、色々見透かされてそうなご都合主義的なものを感じます。
　まぁ、今は有り難いので良しとしよう。

　早速、彼女神様の名を決めることにした。
「候補を3つ挙げていくか？」
「それより名前を挙げていくから、気に入ったものから神様に決めてもらうのが早くない？時間もなさそうだし」
「それもそうだ」
「じゃっ初めは僕から、ゆかり」
「ササラ」
「ルージュ」
「サザンカ」
　…………
「シュルビーネ」
「シェミリア」
　…………
　ポンポンと名前を挙げながら様子を見ているとと、“シュルビーネ”と“シェミリア”と“ゆかり”が反応が良かった。
　理由を聞くとどちらも、転生先向こうの古代語で“縁えにし”や“祝い”等のめでたい感じの発音に近いらしい。
　ちなみにビーネが祝いでミリアが縁。
　なので、その名前を入れ替えて“ミリアビーネ”にするのはどうかと聞いてみた。由来は勿論【この縁が未来永劫と続きます様に】これに尽きるのではないだろうか？
　神様を見るとブンブンと顔を縦に振っていた。なんだか反応が少女のそれだったのは内緒だ。
　すると、神様がいきなり光出した。かなり眩しいため目を開けてられなかった。


　暫くしてから目を開けると神様彼女はいなかった。
　大神様曰く、神格が上がり今は仮の主神としては浅過ぎる為、まだ姿を表すまでの安定はないらしい。というか、姿すら決まっていないらしい。2、3年もすれば安定するだろうとのこと。また、姿が見えないだけで近くに入るらしい。同じ神様なので見えも話すことも出来るそうだ。
　どうやらミリアビーネ様は、大神様を経由して感謝とこれから主髪を見付に行く事を伝えて来た。
「こちらも感謝します。事故とはいえ、弟に会え次の生では本当の弟として共に生活していく事が出来る事に感謝します」
「僕も感謝します。同性として一番尊敬できるラル兄ーと一緒に貴女様たちの世界異世界を楽しんで来ます」
　兄弟して感謝を述べると、優しい一陣の風が頬を撫でた。
　多分、もうミリアビーネ様彼女は居ないのだろうが2人はそれでも一礼した。