ハズレ者の国造り

種族と伝承と中年のやらかし

　ちなみに、【サーベ・リーゼル】とはこれから住む世界のネコ科最大の体長を誇る神獣と云われている。また、【フェリ・エストーラ】も狼科最強に分類されるらしい。異世界モノによくある【フェンリル】という種族もいるが神獣ではなく魔獣に属するそうだ。
　また、これから住む世界では体の色が黒や白に近い者ほど最上位種に近づくそうだ。
　理由は、この世界を作り出した神（中年じゃない）が、何も無い世界にご降臨なさった際、最初に黒色の空と白色の空を作り出しそれが夜と朝になって、世界が様々に色づき始めたとされる伝承がある（実話）。最初の色とされる黒色と白色は神の色とされている。
　その為、黒持ちや白持ちの動物は神の使者として広く知られていて、その者たちをまとめて神聖獣と呼ばれている。

　しかしここ300年では人族（を創り出した中年）が新しい神（中年）を祀る（ww）新教会を建て旧教会（今までの）を排除した結果、“黒持ち白持ちは厄災と繁栄を齎す色”と歪んだ認識が少し浸透しまったらしい。旧教会側はそれを否定してはいるそうだが主神不在（ご神体消失）のため説得力に欠けるとのこと。
　この件で説教していた神も憤りを隠しきれていないようだ。というかブチギレ一歩手前まで来てる（ご本人談）ため、中年に創造神様と破壊神様の天罰が下り次第速やかに対処するそうだ。黒い微笑みで答えていた。人族（中年が創り出した）は今回特例で破壊神様直々の障りがあるそうな。
　基本は神が直接手を下す事はしてはならないのだけど、あの中年のせいで歪められた星の掟（よく分からない）を破る結果になり対処も遅れた為、特別措置が施されるらしい。どんな措置なのか、星の掟とは何なのか、またどんな障りがあるのか聞いていたが、大神様も彼女神様もただただ微笑むだけで教えてはくれなかった。
　人が知る権利のないことだけ知る事が出来た。

　話はそれたが、本来ならラルフやオレルも黒色を持つことはできないのだが、他の世界地球の神の加護がある為、黒色の毛皮を持つことを許されたらしい。男女で白になるか黒になるかは特に定められていないらしいので、ラルフとオレルは前世の色姿のまま転生する事にした。