私の転生先を神様(竜神様)が"勝手に"決めました ~ドラゴンテイマーになりました~

黒炎 瑠懿

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閑話 ~箸休めにどうぞ~

ドレイクの1週間異世界旅行 10 (~会えなくても~)

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 ※ 長めです


 大変な時期に入ったのだ、しばらく待った方がいいとの判断が出された。これには妻や息子達も納得してくれた。
「そういえば、もう1通の手紙はなんだったのでしょうか?」
「宛先は書かれてはいないが、魔法がかけられていて開かなかった。発動条件は皇族が開けることと書いてあった。とても高度な魔法だ」
 少しだけ息をのみ、ペーパーナイフで手紙を開ける。
 特に変わった所はない。中から折り畳まれた便箋と小さい封筒出て来た。
 便箋を開き中を読む。しばらくの沈黙の後、その便箋と封筒を妻にわたした。妻は恐る恐る開き読み始める。
 妻は涙を流しながら頷き、封筒を開ける。
 すると封筒は1冊の本になり、当たりは驚いた。しかし、妻は躊躇いもなく本を開いた。また涙を流しページをめくる。その眼には慈愛が滲み出てとても穏やかだった。
 しばらく、そっとしておこうと、席を立ち息子達を連れていく。



「母上はどうしたのですか?あんなに泣いて」
「春の柱達が彼女に贈り物プレゼントを送ってくれたんだ」
 そう彼らは、1ヶ月程会う事の出来ない私達の代わりに、ある絵をもらった。
 それはとても小さいが精巧に作られた絵で、それを見た彼女は涙を止めることが出来なかったのだろ。
 泣き止むまで待つことにした。



 しばらくしてから、私達は妻の元へ行った。ノックをし中に入ると妻は、恥ずかしそうにうつ向く。
「貴殿方も見て下さいませ」
 そうして渡された本を私と息子達は一緒に見る。
 最初のページには、あの日別れた我が卵我が子の姿があった。次のページにはヒビか入り、隣のページには顔を覗かせ翼を広げた姿があった。
 私は嬉し泣きしてしまった。会える可能性がないあの子にこんな形だが会えたのだ。嬉しくないわけがない。
 しばらくは、会えない我が子に想いを馳せながら本をめくる。
 時々、人化の儀あの時に見た少年少女が我が子を抱いていたり、怒ったり一緒に寝ていたりした絵が多くなった。
 後半のページに、手紙を小さな姿で書く我が子の絵とその時に書かれた手紙が貼られていた。
 手紙には【まだ会えていない、ちちうえははうえ、きょうだいたちにはやく会いたいです。ジークより】と書かれていた。息子の名前を始めて知った。ジーク。いい名前だ。
 最後のページに手紙が貼られていた。
【この本を読むジークの家族の皆様へ
 私の名前はレインとドレイクです。今、ジークを育てている者です。勝手に彼の名前を決めてしまいすみませんでした。
 また、1ヶ月後に行うジークと私の人化・竜化の儀にご参加を御待ちいています。レイン、ドレイク】と書いてあった。

 人化の儀が行われる。とても嬉しい知らせだ。会う時は、皆で行こうと改めて誓ったのだった。妻も息子達もそう思ったのだった。
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