私の転生先を神様(竜神様)が"勝手に"決めました ~ドラゴンテイマーになりました~

黒炎 瑠懿

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閑話 ~箸休めにどうぞ~

ドレイクの1週間異世界旅行 9 (~一方、中央帝国側~)

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 ※ この話しは別視点で書かれています。


 別視点

 今日の朝早くにフロル帝国から書簡が届いた。しかも、魔法速達便でだ。魔法速達便は他国の緊急時に送られる物なの。
 この国の前皇帝宛に届けられた書簡を心して前皇帝本人が確認した。


 その後、前皇帝は直ぐ様返事をしたため、フロル帝国に送ったのだった。


 そして次の日、現在帝国の客室には、前皇帝陛下の息子達が明日の≪安息の島≫に出立するために集まっていた。
 しかし、前皇帝陛下がそれに待ったをかけ、直ちに全員を談話室に集めた。


「今日は明日の準備ではなかったのか?」
「どうしたのです?あなた?」
 現皇帝陛下が怪訝そうに尋ね、妻が不思議に尋ねる。
「実は今日、≪安息の島≫から使者が来るそうなのだ」
 全員息を呑んだ。当たり前だな。
 ≪安息の島≫とは、春の柱の竜が住まう場所で、最後の子が住んでいる場所なのだ。そこから使者が来る。何かあったのだろう。
 全員固唾を呑み話を聞く。
「手紙は2通。どちらもフロル帝国から来た。1通目には【≪安息の島≫から来た使者が5日後"柱の儀"を執り行うこと】と【≪安息の島≫に行くのは後1ヶ月間って欲しい】と最後に【わしの孫をよろしく頼む】と書かれていた」
 この言葉に皆一様に安堵した。
 しかし現皇帝の息子が聞いてくる。
「なぜ、1ヶ月後なのですか?」
「理由は、詳しくは書かれていなかったが、多分まだ安定していないのだろう」
「安定ですか?」
「そうだ。お前達も生まれて数ヵ月は、体の急成長で体調をよく崩していた」
「そうだったわね。とても大変だったわ。特にクオルが産まれた時は、春の柱がバランスを崩されて、暴れに暴れて......」
「そうなんですか?」
 息子達は首をかしげていた。それはそうだろう。
 生まれて直ぐの記憶など、ほとんどないに等しいのだ。
 真竜族やハーフ、クォーターは卵で生まれる。卵は25センチから30センチの間で生まれ、1日2日で羽化し産まれる。それから3ヶ月から5ヶ月ぐらいまで急成長する。
 その際、暴れたり自分自身を引っ掻いたり噛み付いたりしてしまう。
 特に、春の柱がバランスを失った際は酷かった。
 今でも、その世界に与えた後遺症は拭えていない。
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