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閑話 ~箸休めにどうぞ~
ドレイクの1週間異世界旅行 8 (~無知は罪~)
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※ 長めです。また、苛立たしい表現があります。ご注意ください。
貴族専用の入り口に並んだのも、ドレイク自信は一応東の皇帝の孫なので、他の入り口での混乱を避けるための事(よくはわからないので取り敢えず)。
馬車については、持ち合わせがなかったからだ。ドラゴンの姿だったし、海を渡ったので馬もいない。
それに何人かは馬に乗って来ている者や旅人の姿で歩いている者もいた。(多分、馬車まで使う距離のない使いの者だと思う)
一応東の帝国の皇室専用の軍服を着ている。が悪目立ちするので、フード付きのマントを着込んでいる。
昨日の朝にお祖父様が、この国の皇帝に魔法速達便(この世界では魔法を使った速達便がある)を使い昨日のうちに返事も頂いている。
先程、書状を渡したのでドレイクがこの国に来たことは、上にも伝わっているはずだ。
その間しばらく待つことになった。他の荷馬車や旅人達が通り過ぎて行く。貴族達も通って行った。後ろにいた馬車も通って行った。すれ違いざまに馬車から怒号と唾を吐かれた。下品なオッサンだ。
「貴様のせいでわしの貴重な時間を無駄にした!!これでチャラにしてやろう。有り難く受けとると良い」
唾はマントのフードに付いた。
気持ち悪いし酒臭いが漂う唾だったが、ここで脱ぐことが出来ないため仕方なく着ている。が、それを見た門番達は顔面蒼白になり慌てていた。
オッサンの乗る馬車が通り過ぎると、門番の1人が真っ白な顔をして話してきた。
「たったっ大変申し訳ありません!!」
「気にはしない。俺は取り敢えず、このマントを何とかしたいのだが、ここで魔法を執行しても良いだろうか?」
「はっ!大丈夫であります!!上には私から報告します!しかし、どのような魔法でしょうか?お伺いしても?」
多分この門番は、あのオッサンに鉄槌を御見舞いしようと、魔法の執行の許可を取っていると思われたのだろう。さっきよりも顔色が悪い。
「大丈夫だ。汚れを取ろうと思っただけだ」
「......はい!大丈夫であります!!」
少し苦笑しながらドレイクは話しかけると明らかにホッとされる。
まぁ、当たり前だな。あのオッサンがこの国のお偉いさんだろうが、一応他国の皇帝の孫の俺に唾を吐いたのだ。まだ名乗っていないが、知らなかったでは済まされないような気がする。
そもそもこの貴族専用の入り口にいるのだ。どこぞの"世間慣れしてない他国の貴族の使い"とか"世間慣れしてない貴族のボンボン"とか考えなかったのだろうか。
考えなかったんだろうなぁ。
だから、人に向かって唾を吐くが出来たんだろうし、上や下など関係無しに人として終わっている。
気分は最悪だ。ため息が出る。
ただでさえ着なれていない服を着ているし、この黒のマントだってお祖母様がドレイクに送ってくれた一張羅なのだ。生地から金具、糸の1本まで全てに魔法が浸透している超高級品。ドラゴンに戻っても、魔法が浸透しているので破ける心配がない。とても気に入っている。
果たしておいくらになるやら......果たして臭いは取れるのだろうか......
貴族専用の入り口に並んだのも、ドレイク自信は一応東の皇帝の孫なので、他の入り口での混乱を避けるための事(よくはわからないので取り敢えず)。
馬車については、持ち合わせがなかったからだ。ドラゴンの姿だったし、海を渡ったので馬もいない。
それに何人かは馬に乗って来ている者や旅人の姿で歩いている者もいた。(多分、馬車まで使う距離のない使いの者だと思う)
一応東の帝国の皇室専用の軍服を着ている。が悪目立ちするので、フード付きのマントを着込んでいる。
昨日の朝にお祖父様が、この国の皇帝に魔法速達便(この世界では魔法を使った速達便がある)を使い昨日のうちに返事も頂いている。
先程、書状を渡したのでドレイクがこの国に来たことは、上にも伝わっているはずだ。
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「貴様のせいでわしの貴重な時間を無駄にした!!これでチャラにしてやろう。有り難く受けとると良い」
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「たったっ大変申し訳ありません!!」
「気にはしない。俺は取り敢えず、このマントを何とかしたいのだが、ここで魔法を執行しても良いだろうか?」
「はっ!大丈夫であります!!上には私から報告します!しかし、どのような魔法でしょうか?お伺いしても?」
多分この門番は、あのオッサンに鉄槌を御見舞いしようと、魔法の執行の許可を取っていると思われたのだろう。さっきよりも顔色が悪い。
「大丈夫だ。汚れを取ろうと思っただけだ」
「......はい!大丈夫であります!!」
少し苦笑しながらドレイクは話しかけると明らかにホッとされる。
まぁ、当たり前だな。あのオッサンがこの国のお偉いさんだろうが、一応他国の皇帝の孫の俺に唾を吐いたのだ。まだ名乗っていないが、知らなかったでは済まされないような気がする。
そもそもこの貴族専用の入り口にいるのだ。どこぞの"世間慣れしてない他国の貴族の使い"とか"世間慣れしてない貴族のボンボン"とか考えなかったのだろうか。
考えなかったんだろうなぁ。
だから、人に向かって唾を吐くが出来たんだろうし、上や下など関係無しに人として終わっている。
気分は最悪だ。ため息が出る。
ただでさえ着なれていない服を着ているし、この黒のマントだってお祖母様がドレイクに送ってくれた一張羅なのだ。生地から金具、糸の1本まで全てに魔法が浸透している超高級品。ドラゴンに戻っても、魔法が浸透しているので破ける心配がない。とても気に入っている。
果たしておいくらになるやら......果たして臭いは取れるのだろうか......
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