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2章 前編
動き出した世界( 1 ~東の公国にて~)
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※ 長めです。また、こから先は別視点でお送りします。
別の視点
最近、国がざわついている。
ここブリトニア公国では、今国全体のドラゴン達が何故か落ち着きがない。ただでさえ、今は食糧難が大分緩和して来た中での騒動だ。周囲も緊張からピリピリしだしている。
特に国の守護を勤める竜騎士たちの相棒が落ち着きがないため急遽、安全を考慮し王宮の竜舎にて待機させている。
今、その中でも1番最年長の竜騎士に聞く事にした。
「オリーク卿。お話いいでしょうか?」
「これはこれは、リード公子にレオ公子それにゼア公子。3人揃ってどうされたのかな?」
オリーク卿と呼ばれる年は30後半に見える男性に、この国の公子達が揃って来たので驚いているようだ。それに、窓から首を伸ばしている彼の相棒竜が驚いて3人を見ている。
「今はそれどころではない!」
「ドラゴン達が何故ざわついているか聞いてもよろしいでしょうか?」
レオ公子がキツく言い放つとフォローするようにリード公子が押さえながら言う。しばらく悩むようにオリーク卿は相棒を眺めていると相棒が頷きながら鳴いた。
「わかったよリラ。公子方ソファーに座っていただいても?」
わかったとばかりにソファーに座る。3人を見てその間向かえにオリーク卿も座る。
「私のリラ、相棒に聞いたところ。どうやら前中央皇帝陛下の最後のお子が、産まれそうらしいのです」
「えっ?確か、最後のお子はすでに竜神様の身元にお行きになってしまったはずでは?」
驚きながらゼア公子が驚いた様に言葉を紡ぐ。困ったようにオリーク卿は言い出した。
「実は......この事はオーギス陛下と前中央皇帝陛下と私と相棒の間で、時が来たらあなた方に話すよう私めに伝言を頼まれた話です。いいですか?よく聞いてください」
「「「わかった」」」
姿勢を正し、身構える3人を見ながらオリーク卿は話し始める。
「まず、≪この世界の柱の竜が亡くなり春が訪れない≫この事も各国のトップシークレットですが、今は置いときますね。その柱の方が仮ではあるものの代を継ぎ、世界が安定し始めたのは、今年の夏の初め頃だそうです。また、お子の卵を隠されし聖地に輸送したのが今から19年前の話です」
「待って!話が大きすぎる!」
「つまり、昨今の食糧難はその柱の竜がいなかったからで......」
「19年も前の卵は無事孵化するのだろうか?」
「仕方ない話です。春を司っていた柱の方が亡くなってしまったのは、外層の奥にいた無法者達の軍勢が神の見業を掻い潜り、内層に攻めて来たのが原因だそうです。今は内層に留まっていた者達が、中央層に流れ込んでいるそうですから、気を付けるようにとの事。また、卵に関しては竜神様の見業で時を止めたのだと霊帝様よりお聞きしましたので」
「霊帝様も知っておられたのか?」
「竜神様の助力もあったのだな」
「しかし、なぜあなた様に伝言を任されたのだ?」
当然の疑問に3人の公子がオリーク卿を凝視している。
「私のリラ、相棒竜は火の柱の末席です。また、自分も風の柱の竜の血縁者です。と言ってもかなり遠いですがね」
時が止まってしまった。まさか、自分たちの知らない間に、柱の竜の血縁者がいたのだから無理はない。
別の視点
最近、国がざわついている。
ここブリトニア公国では、今国全体のドラゴン達が何故か落ち着きがない。ただでさえ、今は食糧難が大分緩和して来た中での騒動だ。周囲も緊張からピリピリしだしている。
特に国の守護を勤める竜騎士たちの相棒が落ち着きがないため急遽、安全を考慮し王宮の竜舎にて待機させている。
今、その中でも1番最年長の竜騎士に聞く事にした。
「オリーク卿。お話いいでしょうか?」
「これはこれは、リード公子にレオ公子それにゼア公子。3人揃ってどうされたのかな?」
オリーク卿と呼ばれる年は30後半に見える男性に、この国の公子達が揃って来たので驚いているようだ。それに、窓から首を伸ばしている彼の相棒竜が驚いて3人を見ている。
「今はそれどころではない!」
「ドラゴン達が何故ざわついているか聞いてもよろしいでしょうか?」
レオ公子がキツく言い放つとフォローするようにリード公子が押さえながら言う。しばらく悩むようにオリーク卿は相棒を眺めていると相棒が頷きながら鳴いた。
「わかったよリラ。公子方ソファーに座っていただいても?」
わかったとばかりにソファーに座る。3人を見てその間向かえにオリーク卿も座る。
「私のリラ、相棒に聞いたところ。どうやら前中央皇帝陛下の最後のお子が、産まれそうらしいのです」
「えっ?確か、最後のお子はすでに竜神様の身元にお行きになってしまったはずでは?」
驚きながらゼア公子が驚いた様に言葉を紡ぐ。困ったようにオリーク卿は言い出した。
「実は......この事はオーギス陛下と前中央皇帝陛下と私と相棒の間で、時が来たらあなた方に話すよう私めに伝言を頼まれた話です。いいですか?よく聞いてください」
「「「わかった」」」
姿勢を正し、身構える3人を見ながらオリーク卿は話し始める。
「まず、≪この世界の柱の竜が亡くなり春が訪れない≫この事も各国のトップシークレットですが、今は置いときますね。その柱の方が仮ではあるものの代を継ぎ、世界が安定し始めたのは、今年の夏の初め頃だそうです。また、お子の卵を隠されし聖地に輸送したのが今から19年前の話です」
「待って!話が大きすぎる!」
「つまり、昨今の食糧難はその柱の竜がいなかったからで......」
「19年も前の卵は無事孵化するのだろうか?」
「仕方ない話です。春を司っていた柱の方が亡くなってしまったのは、外層の奥にいた無法者達の軍勢が神の見業を掻い潜り、内層に攻めて来たのが原因だそうです。今は内層に留まっていた者達が、中央層に流れ込んでいるそうですから、気を付けるようにとの事。また、卵に関しては竜神様の見業で時を止めたのだと霊帝様よりお聞きしましたので」
「霊帝様も知っておられたのか?」
「竜神様の助力もあったのだな」
「しかし、なぜあなた様に伝言を任されたのだ?」
当然の疑問に3人の公子がオリーク卿を凝視している。
「私のリラ、相棒竜は火の柱の末席です。また、自分も風の柱の竜の血縁者です。と言ってもかなり遠いですがね」
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