私の転生先を神様(竜神様)が"勝手に"決めました ~ドラゴンテイマーになりました~

黒炎 瑠懿

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2章 前編

星の砂丘にて(探索2日目 ~迷える子羊達を先導する~)

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※長め



 今日のドレイクは機嫌がいい。尻尾を揺らしながら、戦闘を楽しんでいる。一方レインは疲れている。朝から構い倒されれば誰だって疲れる。しかし今は敵と大戦中なのでそちらに集中する。
 今回の敵は【お化け蜥蜴】と言って砂の上を静かに移動し、背後から獲物を襲う砂漠のハンターである。
 武器は前足にある4本あるうちの2本の麻痺毒の爪。場所は個体別なので注意が必要だ。見極めとしては少しだけ鈍い光を帯びているが、見えにくいので全て切り落としている。
 それに、食べる場所が少なく腐りやすいので皮と爪だけ剥がし捨てている。 


 しばらくして、目的地の近くまで来た時、目の前にモコモコの縫いぐるみのような羊が数頭いた。



 頭が理解するのに少しだけ時間がかかった。
 何故こんな砂漠のど真ん中にいるのか?そもそも生き物なのか?何故そんな姿なのか?疑問が頭の中を行ったり来たりしている。
 取り敢えず、テイムを試みた。

 結果から言うと出来た。
 種族名は【ドールアニマル(羊)】だった。

【ドールアニマル】とは、その名前の通り人形の様な動物の魔獣(?)。種類も多く、特に羊は毛を刈ることが出来る。
 変な話だが毛をハサミで切ると少しだけ小さくなり、エサなどを食べると元に戻る。ハサミではなく手で無理矢理引っ張ると嫌がる前に縫い目が解れてしまうそう。かなりショッキングなので、決して引っ張らないでほしい。
 冬場は暖かい場所を好み、夏場は1日中外にいる。毛からは天日干しされた匂いがするそうだ。


 何故こんなところにいるのか。聞いてみると、元々は森にいたが3日前に地震が起き気付くとそこは砂漠のど真ん中にいたらしい。他の子(【ドールアニマル】の種類も豊富)も近くにいるかもしれないので、助けてほしいらしい。
 どうやら、ここにもレインの被害者が大勢いた。気まずくなりながらも(罪滅ぼしとも言うが)承諾した。


 各スパイダー部隊のリーダーに同時連絡すると、あちらにもこちらにもいるとの事だったので、進行報告することにした。
 Α隊、Β隊、Γ隊、Ω隊は進担当区域を終了し他の部隊と合流したらしい。成果の方は秘宝はなかったが、レアアイテムを入手したそうだ。
 なので、Α、Β、Γ、Ω隊で各部隊から今まで集めたアイテムたちと【ドールアニマル】引き連れて神殿に集合して貰うことにした。
 エサは取り敢えず、こちらから肉と野菜をメインに持たせることにした。肉は何重にも保護布で巻き、汁や劣化しないよう魔方陣を急いで縫い渡した。
それを袋にいれ、キリージュと1匹の蜘蛛に【ドールアニマル】の護衛として頼んだ。
 実はギリージュともう2匹の蜘蛛はレイン達と行動を共にしていたのだ。
 任されたとばかりに敬礼する2匹。
 もう一方の蜘蛛はレイン達の護衛として付くらしい。


 彼らの準備が終り次第、出発して貰った。
「レインは後で反省会だな」
 ドレイクはレインにそう呟き彼女は涙目になっているのだった。
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