私の転生先を神様(竜神様)が"勝手に"決めました ~ドラゴンテイマーになりました~

黒炎 瑠懿

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1章 後編

過去話し(善先輩と雨音の出会い 1 )

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※長めです。


 善先輩と初めて出会ったのは会社に入った頃、先輩が上司で雨音ことレインは後輩。といっても彼女は下っ端中の下っ端で、同じフロアの近くの席に事務として働いていた。

 当時から先輩は男女共に人気で、特に女子ウケが良かったらしく、ファンクラブが設立していた。
 席のせいもあるかもしれない。雨音が用事があるとしても気軽に声をかけることが出来ず、ワンクッションファンクラブの誰かを挟まないと話せず苦労した。
 先輩はファンクラブの行動に対して、その都度注意した。「仕事が進まない」「何の為に会社に来ている?」「いい加減にしろ」等、御尤な意見に対してファンクラブ彼女らはその時は聴くが1ヶ月後ぐらいにはまた同じことを繰り返す。


 一方、雨音は職務の時間は必要最低限しか話さず、勤勉に働いていたので先輩からよく褒められた。まぁ、そのせいで虐めのターゲットにされ、酷い時には死にかけた事もあった。
 だが常にボイスレコーダーを持ち歩いていたので、病院の診断書とボイスレコーダーと加害者の名前を明らかにして、警察に被害届を提出しを繰り返した。

 不思議な事に、加害者はいつも大体同じで真犯人に辿り着かずに、蜥蜴の尻尾切のように末端で足取りが着かない。
 もしかしたら、相当な権力者で圧力をかけて揉み消しているのかもしれない。
 頭の痛い話だ。時には謂れの無い罪や噂がたったりした。まぁ、全てガセネタやアリバイのある物しかないので、特に気にしていない。と言うか論破できる範囲で解決する。

 若い女性社員に一方的に嫌われてはいるものの、男性社員や年配で地位のある女性社員とは、何故か仲が良いので擁護して貰う事もあった。その方々に菓子折りを持ち頭を下げてお詫びをした。
 時々、その方達と一緒に飲みに行ったり、愚痴を聴いて貰ったりと良くしてくれた。本当に頭が上がらない。
 だからその時間でかなりの時間が潰され、仕事が思うように進まず腹が立つのだ。


 だから、反旗を返したのだ。今までされてきたことを文章にし、グラフを使った業務効率の悪化度や損失金額を調べ掲載し、荷担した者達を書き出して匿名で上層部に提出してやった。最後に書いた一言は「この事は労働組合にも証拠と一緒に提出する予定ですので覚悟してください」と締めくくった。


 案の定大問題になり、ファンクラブは解体され関わった若い女子社員が解雇された。
ようやく落ち着いて職務を遂行出来るようになった。


 事件後人員は減ったものの、業務に支障は今のところ無い。さすが大企業だと思う。社長自ら社内放送を使いお詫びしていたし、事の発端は善先輩が社長のお孫さんで次期社長になるのではとの噂がたった事。社長は特に考えていないそうで、「本人がやりたいことがあるのならば継がなくて良い」と全社員に言っていた。
 まぁ、雨音には関係ないので気にしないことにしていた。
 ようやく、女の嫉妬地獄から解放された雨音はバリバリ働いた。


 その姿を見ていた人物は雨音を気に入ってしまったことに気付かないで。
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