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1章 前編
夢を見る(不思議な人)
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暫くしてから、御盆を持ったドラゴンが元の座席(?)に戻り、スカルドラゴンの体がブルブルと揺れ出す。
何が起きたのか固唾を呑みながら見守っていると、スカルドラゴンが一瞬で消えた。慌てて辺りを見渡すと、彼の居た場所に長めのマントを羽織った者が佇んでいた。
その人物(?)がこちらを振り返る。振り返る間際マントのフードが取れ姿が露になる。
彼は少年だった。月明かりでよく見えないが、顔立ちはしっかりしつつも、何処かあどけなさが残っている。少し長目の短髪は、白銀で猫ッ毛なのかピョンピョン跳ねているが少しも変ではない。
その中、1番印象が強いのは瞳。爬虫類を彷彿とさせる縦割れ瞳孔の瞳は、月夜の僅かな光にも反応し宝石の様に煌めくアメジスト色。
目が離せなくなる。
すると彼は自分に気付いたらしい。目を細めて微笑んだと思う。
一瞬で頭の中が真っ白になった。軽いパニックになりながらも目が離せず。見つめたままアワアワするしか出来ない自分。
そんな様子を見たのだろう。彼は口許を押さえて笑った。高くなった体温がまた上がる。多分、赤くなっていると思う。同仕様もなく途方に暮れていると、彼の口が動く。この距離では聞き取れない。急に睡魔に襲われ、次第に目蓋が閉じていく。
気付く事もなく、視界が暗転して、深い闇に堕ちた。
誰かに抱き寄せられた様に、自分のとは違う鼓動を聴きながら闇の中を漂う。その時、鼻を掠める匂いはとても甘い物だった。
何が起きたのか固唾を呑みながら見守っていると、スカルドラゴンが一瞬で消えた。慌てて辺りを見渡すと、彼の居た場所に長めのマントを羽織った者が佇んでいた。
その人物(?)がこちらを振り返る。振り返る間際マントのフードが取れ姿が露になる。
彼は少年だった。月明かりでよく見えないが、顔立ちはしっかりしつつも、何処かあどけなさが残っている。少し長目の短髪は、白銀で猫ッ毛なのかピョンピョン跳ねているが少しも変ではない。
その中、1番印象が強いのは瞳。爬虫類を彷彿とさせる縦割れ瞳孔の瞳は、月夜の僅かな光にも反応し宝石の様に煌めくアメジスト色。
目が離せなくなる。
すると彼は自分に気付いたらしい。目を細めて微笑んだと思う。
一瞬で頭の中が真っ白になった。軽いパニックになりながらも目が離せず。見つめたままアワアワするしか出来ない自分。
そんな様子を見たのだろう。彼は口許を押さえて笑った。高くなった体温がまた上がる。多分、赤くなっていると思う。同仕様もなく途方に暮れていると、彼の口が動く。この距離では聞き取れない。急に睡魔に襲われ、次第に目蓋が閉じていく。
気付く事もなく、視界が暗転して、深い闇に堕ちた。
誰かに抱き寄せられた様に、自分のとは違う鼓動を聴きながら闇の中を漂う。その時、鼻を掠める匂いはとても甘い物だった。
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