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1章 前編
迷いの森にて(本題とお別れ)
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食事が終わり、食器類や調理道具を片付けながら、レインは精霊王を見た。
満足そうに口元を刺繍入りのハンカチで拭く精霊王。いやぁ、実にいい食べっぷりだった。作る私としては料理人冥利に尽きるが......
気を取り直して、レインは精霊王に質問を再開したのだった。
数分後、レインたちは各々聞きたいこの世界の知識を教えてもらい、そして当初の目的について話してみた。
「えっと。質問なのですが【コッコ】の居場所ってわかりますか?」
「ここから、数キロ離れた場所いると思うよ。よかったらその場所まで空間を繋げておくよ」
「ありがとうございます!」
「いいよ、いいよ。暇だし。それにこの世界の森の精霊王だから全ての森を把握してるしね」
笑顔でウィンクしながら、何でもないみたいに話す精霊王はやっぱり、親戚の叔父さんみたいだった。
もうそろそろお暇しようと思い、忘れ物がないか辺りを見渡し確認する。特に無かったので、精霊王にその旨を伝えた。
「色々教えてもらいありがとうございます。そろそろ【コッコ】を見つけに行こうと思います。本当にありがとうございました」
「そっか......。少し寂しくなるね。また、いつでもおいで。そうだ!これを君たちに贈ろう」
そう言いながら、精霊王は左手をレインに向けた。その手が一瞬強く光り、掌から上が緑色で下の部分が木目調の鍵をレインに差し出した。
「鍵は精霊界と君たちのいる界域を繋ぐ鍵。これを精霊王の盟友として渡す。もしどちらかに困り事があれば、可能な限り協力しよう」
「あっありがとうございます!」
鍵を貰い受け、レインはお礼を言うと辺りが強い光りに包まれ、目を開けていられなかった。
「今日は会えた楽しかったよ。また、何時でも遊びにお出で」
光がおさまった時には、カボセも精霊王もそこにいなかった。ただ、こぼれ日が差す森の中に立たっていた。しかし、レインの掌には鍵が握りられていた。
満足そうに口元を刺繍入りのハンカチで拭く精霊王。いやぁ、実にいい食べっぷりだった。作る私としては料理人冥利に尽きるが......
気を取り直して、レインは精霊王に質問を再開したのだった。
数分後、レインたちは各々聞きたいこの世界の知識を教えてもらい、そして当初の目的について話してみた。
「えっと。質問なのですが【コッコ】の居場所ってわかりますか?」
「ここから、数キロ離れた場所いると思うよ。よかったらその場所まで空間を繋げておくよ」
「ありがとうございます!」
「いいよ、いいよ。暇だし。それにこの世界の森の精霊王だから全ての森を把握してるしね」
笑顔でウィンクしながら、何でもないみたいに話す精霊王はやっぱり、親戚の叔父さんみたいだった。
もうそろそろお暇しようと思い、忘れ物がないか辺りを見渡し確認する。特に無かったので、精霊王にその旨を伝えた。
「色々教えてもらいありがとうございます。そろそろ【コッコ】を見つけに行こうと思います。本当にありがとうございました」
「そっか......。少し寂しくなるね。また、いつでもおいで。そうだ!これを君たちに贈ろう」
そう言いながら、精霊王は左手をレインに向けた。その手が一瞬強く光り、掌から上が緑色で下の部分が木目調の鍵をレインに差し出した。
「鍵は精霊界と君たちのいる界域を繋ぐ鍵。これを精霊王の盟友として渡す。もしどちらかに困り事があれば、可能な限り協力しよう」
「あっありがとうございます!」
鍵を貰い受け、レインはお礼を言うと辺りが強い光りに包まれ、目を開けていられなかった。
「今日は会えた楽しかったよ。また、何時でも遊びにお出で」
光がおさまった時には、カボセも精霊王もそこにいなかった。ただ、こぼれ日が差す森の中に立たっていた。しかし、レインの掌には鍵が握りられていた。
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