私の転生先を神様(竜神様)が"勝手に"決めました ~ドラゴンテイマーになりました~

黒炎 瑠懿

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1章 前編

迷いの森にて(甘い私と楽しむ彼)

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 仕方なく、彼の頬から手を離してそっぽを向く。しばらく口なんか聞いてやらない。と言う強い意志のもと、レインはドレイクを無視し続けた。
「ねぇ、どうしたの?」
「......」
「怒ってる?」
「......」
「さっきは笑ってごめん」
「......」
「許してください。お願いします」
「......」
 もう知らない。さっさと2枚の毛布を片付け、結界石を回収する。彼も手伝ってくれるがなにも言わない。私は今プッツンしているので話し掛けないで下さい。というオーラを放つ。ドレイクは渋々なにも言わなくなった。


 結界石は四つ角になるように組んでいるので、2個回収した残りを取りに振り向くとそこには、小さくなったドレイクが残りの結界石を抱えて、涙を目の縁に溜めウルウルさせていた。今にも、溢れ落ちそう。
 まっ、負けないもん!!いたずらし過ぎたドレイクが悪いんだもん!!そのまま、そっぽを向き目だけでドレイクを見る。
 彼はガーンと音が聞こえてきそうな、この世の終わりだと言わんばかりにショックを露にし、涙がボトボトと地面に落ちて行った。
 ま、まるで私が悪いみたいじゃないか?!し......仕方ない。そう思ったレインはドレイクの頭を撫でた。彼はレインを見上げて いて、未だに涙がボトボトと落ちている。
「ありがとう。だけど次はないからね!」
「うん!気を付ける!」
 その状態でも喋れるんだね。満面の笑みで嬉しそうにするドレイク。だか君。涙の形跡無くなるの速くない?もしかしてはめた?彼に聞くが、彼は目を細めるだけで何も話さなかった。これはかなりあざとい。はぁ。仕方ないよね。そう思いながら彼から結界石を貰い受け、もう1度頭を撫でてから小さな彼の頬に両手で包み、思いっきり引っ張ってやった。今度は相当痛かったらしい。別の涙が出ていたが、今は気にしない。多分さっきので、私が小さなドレイクの涙目が弱いと味をしめたと思う。これはいじめではない。しつけだ。
「これでおしまい」と言って頬から手を離した。彼の灰色の頬が抓られたところだけ真っ赤になっていた。彼は小さな両前足で頬にペタペタと触って労っていた。ただ、たまに自らの爪で突付いてしまうらしく、途中ヒンヒン言っていたけど気にしない。悪いのはドレイクだから。そんな彼を余所に、朝食を準備するレインでした。
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