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序章

竜神様、ほぼ全て決めないでください。そしてあなたの尻尾は催眠作用があるのですか?

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 ようやく色々切り替える事の出来た私は確認のために竜神に訪ねてみた。
「他意でないなら仕方ないですね。私は今後どうすればいいですか?」
「うむ。ちゃんと行く場所と今後の事は決まっておる」
「そうなんですね」
「さすがに、そのままでは弱々過ぎてすぐに神界ここに逆戻りするからの」
「えっ!!そんなにき......」
「これから行く場所はワシの創った"アスタルシア"と言う星で魔法と冒険の世界だぞ」
「いや!!星の名前はいいから話を......」
「それなりのスキル・ステータスや格好が相応しいから............」
「あの。ちょっと?聞いてます?」
「........................」
 1人(1匹?)で全てをブツブツと決めていく竜神と全然話のキャッチボールが出来ないでいる私。ただ断片的に分かったことは、どうやら私は竜神が創った異世界に転生すると言うことと彼はなにかを急いでいること、後は星の名前や魔法と冒険の世界だと言うこと。後は全て彼が決めてしまっている。ただ、彼が楽しんでいること分かる。彼の尻尾が左右に千切れんばかりに速く揺れているからだ。なんだか大型犬っぽいな。
「よし。こんなところだろう。さて、名前なのだが向こうでは誰も読めぬと思うのだが、すまぬが変えてもよいか?」
唐突な竜神の質問に目で尻尾を追ってた私は若干催眠術にかかっていたのだろう。生返事で答えてしまった。
「はい。それなら"レイン"にしてください。私がやっているゲームのプレイヤー名なので......」
「あい、わかたった。それと、これはワシからの詫びの品じゃ。受け取ってくれ」
 嬉しそうに目を細める竜神様から貰ったのは大きな卵。40cmほどの卵で少し暖かい。どこか懐かしく、見慣れた感じがした。何処で見たんだっけ?
「あっ......ありがとう......?」
「それでは送るぞ。何かあれば"ステータスオープン"と言え。荷物なども準備してあるから後で確認するんだぞ」
 ここで私の催眠は解かれた。気が付いた私は大きな声で言った。
「ちょっと待って!!半分以上分からないんだけ............」
「お主たちの未来に幸多からんことを。そして......我が覇王を頼むぞ」

 辺りは眩しく光、目が開けていられなかった雨音は思った。

少しくらい私の話を聞けよーー!!と
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