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正面の問題集はまだ一周目というのに飽きてしまった。問題という枠は変わらず、ただ文字列だけが変化していく。それを見るのが嫌で右を見て左を見て、それでも結局は正面に戻ってしまう。いつかは正視しなくてはならない文字列をいつもいつかに回すだけ。いるだけの自習室。回す為のシャーペン。肘を置く為の参考書。向き直れば向き直るほど見づらくなっていく。そうして後悔する。そんなことを繰り返して同じだったスタートラインはもう半周差つけられている。一周つけられると最初からやり直し。所詮自分。そんなことをまじまじと感じられる。時間が経って日はとっくにしずんで夜になっていた。頭を働かせるという言い訳で飯でも食おうとそう思った。夕食にはカレーを選んだ。いつ食べてもおいしい、変わらないおいしさ、それがなんだか羨ましい。その羨ましさはいつしか自身へのため息へと変わっていた。火が見える中、ヘラでぐるぐると回っていた。取り返すはずのローリエがいつまにか消えていた。これが無いとなんだか味気ないカレー。昔は無いことなんて考えずにただスプーンを口に運んでいた。まだ、レースは何周かある。せめてものバトンを繋がなければ、
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