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〜気持ちの整理をつけて〜

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翌日………

「ふわぁ~っ!良く寝たぁ~!」
窓から入ってくる朝日で私は目を覚ました。今の時刻は7時。朝ご飯の予定時刻まで…後1時間ほどある。
「………看護師さんが来るまでに、話、整理しておかなきゃ……。大丈夫、きっと………。」
自分に言い聞かせて、呼吸を整える。部屋は静まり返っていて、なんとも言えない虚しさが込み上げてくる。気を紛らわすかのように、私はTVをつけた。TVの内容なんて、今の私には、ほぼ入ってこないけれど。


     *


1時間後………

『ガラッ…ガラガラガラ……』

「雪ちゃんー、起きてるー?体調は大丈夫ー?朝ご飯、持ってきましたよー!」
看護師が今日も笑顔で部屋に入ってきた。
「ごめんねー!すぐ食べたいとこだと思うんだけどー………熱とか、まぁ、諸々点検したりしなきゃだから、ちょっと待ってねぇー!」
看護師はそう言って、私に体温計を渡し、器具の点検や、何かを紙にメモするなど、仕事をはじめた。
「………ねぇ、看護師さん………。昨日の約束………覚えてる?」
私がそう言うと、看護師はうなづき、
「もちろん!他の人に許可もらってねぇー、雪ちゃんが、ご飯食べ終わって、話終わるまで、一緒にいていい事になったのよー!」
そう言って、私の朝ご飯を机の上に置いた。そのあと、看護師はイタヅラをした子供みたいな顔をして、おもむろにポケットからパンを取り出し、
「本当はだめなんだけどねぇー!雪ちゃんと一緒に食べよーかなぁって思って、持ってきちゃった!(笑)一緒に食べてもいいー?あっ!他の看護師さん達には私がここで食べてた事、内緒にしてねー!」
「えーっ(笑)どーしよっかなぁー(笑)なーんて!嘘、嘘(笑)嬉しいです!一緒食べましょうー!」
その後、私達はご飯を食べながら、たわいもない話をして、盛り上がった。


     *


『「ごちそうさまでした!」』


私は看護師の目をじっと見つめて、
「じゃあ、そろそろ………話をしてもいいですか?」
といい、話始めた。

「………私、聞きました。ごめんなさい。お母さんと医師が話している会話、最後の方………少し聞いてしまったんです。私の病気を詳しく………詳しく教えてもらえませんか?」
看護師は首を横にふり、
「ごめんなさい。この話が来るかもって大体予想はしてたんだけど………。そっか、聞いていたのね………。
………こればかりは、私の口からは話せないの。決まりだからね。でも、今日中に、教えます。後で……退院する前に、医師と、雪ちゃんのお母さんも含めて、今後の事とか、しっかり話す機会も儲けるから。
………本当は…この事を話すのはもう少し後にしようと、雪ちゃんのお母さんの願いもあって、決めてたんだけど………。雪ちゃん、あなたには知る権利がある。後で…呼びに来るから、それまで待っててください。」
看護師はそう言うと、私の朝ご飯を片付けて、部屋を出ていった。
………静まり返った部屋の中、私の心は意外にも、とても落ち着いていた。


     *


『ガラガラガラ!!』

勢いよく開くドアに私は思わず飛び上がってしまうほど驚いた。こんな風にドアを開けるのは………やっぱり母だった。
「雪!聞いてたって、本当!?ごめんなさい!!!お母さん、心の準備が全然出来なくて………雪に聞かせたら…って、雪に傷ついて欲しくないって、思って………。
でも、違うわよね。雪の事だもん。きちんと雪も説明受けた方がいいわよね………。」
入ってくるなり、ものすごい勢いで話してくる母に、流石だなぁ、なんて思いながら、つい笑ってしまった。
そして、母の目をしっかり見つめて、宥めるように
「大丈夫、覚悟はできてるから。心配しないで。」
と言った。


     *


『カラカラ……』

「雪ちゃん!雪ちゃんのお母さん!ついてきていただけますか?」
看護師が呼びにきた。
「ここの部屋です。担当医師は中にいます。どうぞお入りください。」
このドアの先で………ついに、私の病気について聞けるんだ。そう思うと少し……いや、とても緊張してきた。
「失礼します。」
大丈夫、大丈夫………。心の中でずっと唱えながら、私はドアを開けた。


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