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II (鬼崎)
story.14 好転か荒転か
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その日は雪乃が風邪で休みをとったため、田米の運転で幹線道路を走っていた。大手商業ビルの社員との約束の帰り、社にとって良い話をもらい田米は機嫌よく鼻歌を歌っている。
内容は来月のあたまに企画されているイベントのことだった。当商業ビルで三十店舗ほどの飲食店をよんで三日間限定のフードフェスが開催される。ビル内の広い多目的エリアを使用するため天候の心配はなく、冬ならではの温かいメニューを中心に、クリスマスを見越したスイーツを取り揃える予定らしい。その場に我が『オフィス スモールハウス』も出店を希望されている。
「やっぱグルメ雑誌の影響って大きいよなぁ、鬼崎は渋ってたけど取材受けて良かったじゃん」
「んー、まぁね」
この商業ビルは老舗店を好んで多く扱う。口コミで人気を確立してきてはいるものの、まだまだ無名に近いうちの店に声がかかったのは、イベントの担当者が二ヶ月前に掲載された雑誌記事を目にしてくれたのがきっかけ。
「それで、出店させるのはどっちにするんだ?」
「coco・・・・・・うーん、悩むな、新店のほうが今回のイメージに合う気がする」
今話題に出したオープンしたての新店舗は似たかんじのカフェなのだが、より都会に近い場所に店を構えており、学生街の店とくらべ価格帯を上げて設定していた。
安価すぎると逆に敬遠される富裕エリアの街なので、そのぶん食材にこだわり、メニューも変えてある。
「目も舌が肥えているお客さまがほとんどだろうから、フードフェス用に特別メニューを作らせよう」
「スケジュールがかなりぎりぎりになるぞ」
「仕方ないさ、仕事に妥協はしたくない」
「そうか」
一瞬、ニヤッと笑う田米とミラー越しに目があった。
「なにがおかしい?」
「おかしいんじゃなくてワクワクしてんの、久しぶりに楽しくなってきたなぁって思ってさ」
「ああ、まあ、そうだったな。すまん」
俺と田米そして田米の姉の梨穂子さんは高校時代からの仲だ。甘いもの好きの俺と、たまたま姉がパティシエを目指しているという田米が偶然にも出逢い、将来は店を開こうと話していたことが現実になった。
いや、三人の力をあわせて現実にした。
現在までにいたる困難をたびたび田米の行動力に救われてきたのである。身体に鞭打つほどの多忙好きという若干の変態ぶりが玉に瑕だが、その変態なくらいのアクティブさがなければここまでこられなかった。
それに変態なのは、俺のほうがずっと・・・・・・。そういえば蓮太郎の写真のことを雪乃は知っていたといったけれど、田米はどうなんだろうか。
バレていたら最悪だ。年下の大学生に首輪を渡していっしょに住んでいるなんて、おおやけに言えるわけがない。根掘り葉掘り訊かれたらどう答えればいい?
恋人か? 否、俺にとってはそんな簡単な関係じゃない。
俺は蓮太郎が何であるのかを説明できない。言葉にしてしまうのが怖いのかもしれない。
これは誰も知らない俺の『秘密』。蓮太郎へ抱く想いを純粋に捉えられないのは、ある過去の出来事が原因だった。
そんなことかと、いっそ笑いとばされてしまえば、抱える必要のない軽い出来事だったのだと思えるのだろうか。そうすれば蓮太郎を泣かせ、いつか壊してしまうかもしれないという憂いを捨てられるのだろうか。
けれど失笑をかってしまったら? 同情をかってしまったら? 俺は過去のそれと今の自分を、酷いものとして現実に認めなくてはいけなくなる。
「鬼崎、このあとどうする? オフィスに戻るか?」
考えごとに真剣になり、俺はすぐに返事ができなかった。
我にかえって顔を上げた瞬間、車の前を黒い影が横切った。
「田米、前!!」
「わかってるっ」
ブレーキが勢いよく踏まれ、ハンドルが強引に左に切られる。遠心力で身体は大きく傾き、前のめりになった肩にシートベルトが食い込んだ。
「あっぶな、野良猫?」
「たぶん」
窓から身を乗り出して見てみると、走り去っていく小さな動物の頭に三角の耳が確認できる。
「ぶつかってないよな・・・・・・」
「大丈夫だったと思う」
「よかった、あーあ、ヒヤヒヤした」
「俺も」
思いがけないアクシデントに見舞われ、手汗をかいていた。幸いに、後続車がいなかったからよかった。田米は注意深く車をもとの位置に動かし運転を再開させる。
「で、なんだっけ」
首を傾げる田米に俺も首を傾げた。
「えっと、なんだっけ?」
「思い出した。オフィスに戻るかって話だ。どうする?」
「戻るよ、頼む」
納得して頷く。俺は自分の頭から直前の記憶が溢れ落ちてしまっていたことに気づけなかった。
夕方、蓮太郎に仕事で遅くなるとメッセージを送った。ものの数秒で既読がつき、「了解、がんばってください」と返信が表示される。その日を境に多忙が連日続き、蓮太郎と顔を合わせる機会が極端に減ってしまった。
忙しさと共にプライベートの悩みを考える時間もなくなり、気絶するように短時間の睡眠を取る。良くも悪くも充実した日々、ハッとしたころには蓮太郎の啜り泣きを聞いてしまった夜からひと月が経っていた。
十二月の一日目。外はまだ薄ら暗い。朝のワイドショーのお天気お姉さんが「おはようございます、朝の五時になりました」と朗らかに時刻を告げてくれる。
昨晩帰宅したのが三時、ソファで二時間だけ寝落ちし、今さっき目覚めたところだ。眠気覚ましに濃いコーヒーを淹れながら冷蔵庫を開けると、ラップのかかった皿が置いてあった。
「・・・・・・蓮太郎」
自分で作ったものではないので、蓮太郎が用意してくれた夕飯だったのだろう。ぶつ切りのキャベツとウィンナーが入った焼きそば。どうしても仕方がないのだけれど、仕事で余裕がないために家事が疎かになっていた。そのせいか胃がシクシクと痛んでいる。たいして食欲のない胃に、苦いコーヒーといっしょに焼きそばを押し込み、シャワーを浴びて新しいスーツに着替えた。
起床から一時間ほどで支度をすませ、俺は家を出ようとした。すると二階で慌ただしくドアが開閉する音が聞こえ、蓮太郎が駆け足気味に玄関へ顔を出す。
「おはよ、鬼崎さんいってらっしゃい」
蓮太郎と久しぶりに面と向かって話をした。変わりなく尻尾を振るように微笑んでくれる蓮太郎が恋しくなる。
「蓮太郎の顔を見れてよかった」
自然とそんな言葉が口から出た。
「ん、俺も。最近忙しそうだもんね。無理しないでいいよ、家のことは気にしなくていいから。洗濯して欲しいものがあれば適当に置いといてね」
蓮太郎の気づかいが嬉しくて、張っていた気持ちがゆるむ。家を出るまでの五分間だけと決め、蓮太郎の肩に頭を預けた。
「鬼崎さん?」
「すこし、充電させて」
「・・・・・・うん、なんかへにょへにょの鬼崎さんって可愛いね。風邪ひいてたときも思ったけど、よしよしってしたくなっちゃうよ」
「俺はもう、いい大人なのに恥ずかしいな」
「そんなことない。甘えてくれて嬉しいよ。今日も忙しいんでしょ? あまり無理しないで頑張ってね」
疲れも眠気も吹き飛ぶ愛おしい蓮太郎からのエール。俺は態勢を直し、額と頬、唇に口付け、「いってきます」と家を出た。
しかし数メートル行ったところで忘れものに気がついた。スーツを着替える際に、愛用の万年筆を差し替えていなかった。
急いで家へ戻ると玄関に立ったまま、蓮太郎がスマホを触っていた。
「蓮太郎?」
俺の顔を見て、蓮太郎はひょいと背中にスマホを隠す。
「あれ、鬼崎さんどしたの?」
他に怪しい様子はない。気にしすぎだろうか。
「いつも使っている万年筆を忘れて」
「ジャケットの内ポケットに入れてるやつ?」
「ああ、そうだよ」
俺はにこにこしている蓮太郎の横を通り、二階へ上がる。クローゼットの外にかけておいた着用済みのスーツから目当ての万年筆を取り出し、今着ているジャケットの内ポケットにしまった。
「あとは忘れものない?」
部屋を覗きに来た蓮太郎に訊ねられて頷き、時刻を確認する。
「遅れそうだ、いってくるよ」
「こんなに早い時間なのに?」
「やることが山積みなんだ」
「そっか、いってらっしゃい」
「ありがとう」
蓮太郎の髪をくしゃりと撫で、今度こそ俺は会社に向かった。
内容は来月のあたまに企画されているイベントのことだった。当商業ビルで三十店舗ほどの飲食店をよんで三日間限定のフードフェスが開催される。ビル内の広い多目的エリアを使用するため天候の心配はなく、冬ならではの温かいメニューを中心に、クリスマスを見越したスイーツを取り揃える予定らしい。その場に我が『オフィス スモールハウス』も出店を希望されている。
「やっぱグルメ雑誌の影響って大きいよなぁ、鬼崎は渋ってたけど取材受けて良かったじゃん」
「んー、まぁね」
この商業ビルは老舗店を好んで多く扱う。口コミで人気を確立してきてはいるものの、まだまだ無名に近いうちの店に声がかかったのは、イベントの担当者が二ヶ月前に掲載された雑誌記事を目にしてくれたのがきっかけ。
「それで、出店させるのはどっちにするんだ?」
「coco・・・・・・うーん、悩むな、新店のほうが今回のイメージに合う気がする」
今話題に出したオープンしたての新店舗は似たかんじのカフェなのだが、より都会に近い場所に店を構えており、学生街の店とくらべ価格帯を上げて設定していた。
安価すぎると逆に敬遠される富裕エリアの街なので、そのぶん食材にこだわり、メニューも変えてある。
「目も舌が肥えているお客さまがほとんどだろうから、フードフェス用に特別メニューを作らせよう」
「スケジュールがかなりぎりぎりになるぞ」
「仕方ないさ、仕事に妥協はしたくない」
「そうか」
一瞬、ニヤッと笑う田米とミラー越しに目があった。
「なにがおかしい?」
「おかしいんじゃなくてワクワクしてんの、久しぶりに楽しくなってきたなぁって思ってさ」
「ああ、まあ、そうだったな。すまん」
俺と田米そして田米の姉の梨穂子さんは高校時代からの仲だ。甘いもの好きの俺と、たまたま姉がパティシエを目指しているという田米が偶然にも出逢い、将来は店を開こうと話していたことが現実になった。
いや、三人の力をあわせて現実にした。
現在までにいたる困難をたびたび田米の行動力に救われてきたのである。身体に鞭打つほどの多忙好きという若干の変態ぶりが玉に瑕だが、その変態なくらいのアクティブさがなければここまでこられなかった。
それに変態なのは、俺のほうがずっと・・・・・・。そういえば蓮太郎の写真のことを雪乃は知っていたといったけれど、田米はどうなんだろうか。
バレていたら最悪だ。年下の大学生に首輪を渡していっしょに住んでいるなんて、おおやけに言えるわけがない。根掘り葉掘り訊かれたらどう答えればいい?
恋人か? 否、俺にとってはそんな簡単な関係じゃない。
俺は蓮太郎が何であるのかを説明できない。言葉にしてしまうのが怖いのかもしれない。
これは誰も知らない俺の『秘密』。蓮太郎へ抱く想いを純粋に捉えられないのは、ある過去の出来事が原因だった。
そんなことかと、いっそ笑いとばされてしまえば、抱える必要のない軽い出来事だったのだと思えるのだろうか。そうすれば蓮太郎を泣かせ、いつか壊してしまうかもしれないという憂いを捨てられるのだろうか。
けれど失笑をかってしまったら? 同情をかってしまったら? 俺は過去のそれと今の自分を、酷いものとして現実に認めなくてはいけなくなる。
「鬼崎、このあとどうする? オフィスに戻るか?」
考えごとに真剣になり、俺はすぐに返事ができなかった。
我にかえって顔を上げた瞬間、車の前を黒い影が横切った。
「田米、前!!」
「わかってるっ」
ブレーキが勢いよく踏まれ、ハンドルが強引に左に切られる。遠心力で身体は大きく傾き、前のめりになった肩にシートベルトが食い込んだ。
「あっぶな、野良猫?」
「たぶん」
窓から身を乗り出して見てみると、走り去っていく小さな動物の頭に三角の耳が確認できる。
「ぶつかってないよな・・・・・・」
「大丈夫だったと思う」
「よかった、あーあ、ヒヤヒヤした」
「俺も」
思いがけないアクシデントに見舞われ、手汗をかいていた。幸いに、後続車がいなかったからよかった。田米は注意深く車をもとの位置に動かし運転を再開させる。
「で、なんだっけ」
首を傾げる田米に俺も首を傾げた。
「えっと、なんだっけ?」
「思い出した。オフィスに戻るかって話だ。どうする?」
「戻るよ、頼む」
納得して頷く。俺は自分の頭から直前の記憶が溢れ落ちてしまっていたことに気づけなかった。
夕方、蓮太郎に仕事で遅くなるとメッセージを送った。ものの数秒で既読がつき、「了解、がんばってください」と返信が表示される。その日を境に多忙が連日続き、蓮太郎と顔を合わせる機会が極端に減ってしまった。
忙しさと共にプライベートの悩みを考える時間もなくなり、気絶するように短時間の睡眠を取る。良くも悪くも充実した日々、ハッとしたころには蓮太郎の啜り泣きを聞いてしまった夜からひと月が経っていた。
十二月の一日目。外はまだ薄ら暗い。朝のワイドショーのお天気お姉さんが「おはようございます、朝の五時になりました」と朗らかに時刻を告げてくれる。
昨晩帰宅したのが三時、ソファで二時間だけ寝落ちし、今さっき目覚めたところだ。眠気覚ましに濃いコーヒーを淹れながら冷蔵庫を開けると、ラップのかかった皿が置いてあった。
「・・・・・・蓮太郎」
自分で作ったものではないので、蓮太郎が用意してくれた夕飯だったのだろう。ぶつ切りのキャベツとウィンナーが入った焼きそば。どうしても仕方がないのだけれど、仕事で余裕がないために家事が疎かになっていた。そのせいか胃がシクシクと痛んでいる。たいして食欲のない胃に、苦いコーヒーといっしょに焼きそばを押し込み、シャワーを浴びて新しいスーツに着替えた。
起床から一時間ほどで支度をすませ、俺は家を出ようとした。すると二階で慌ただしくドアが開閉する音が聞こえ、蓮太郎が駆け足気味に玄関へ顔を出す。
「おはよ、鬼崎さんいってらっしゃい」
蓮太郎と久しぶりに面と向かって話をした。変わりなく尻尾を振るように微笑んでくれる蓮太郎が恋しくなる。
「蓮太郎の顔を見れてよかった」
自然とそんな言葉が口から出た。
「ん、俺も。最近忙しそうだもんね。無理しないでいいよ、家のことは気にしなくていいから。洗濯して欲しいものがあれば適当に置いといてね」
蓮太郎の気づかいが嬉しくて、張っていた気持ちがゆるむ。家を出るまでの五分間だけと決め、蓮太郎の肩に頭を預けた。
「鬼崎さん?」
「すこし、充電させて」
「・・・・・・うん、なんかへにょへにょの鬼崎さんって可愛いね。風邪ひいてたときも思ったけど、よしよしってしたくなっちゃうよ」
「俺はもう、いい大人なのに恥ずかしいな」
「そんなことない。甘えてくれて嬉しいよ。今日も忙しいんでしょ? あまり無理しないで頑張ってね」
疲れも眠気も吹き飛ぶ愛おしい蓮太郎からのエール。俺は態勢を直し、額と頬、唇に口付け、「いってきます」と家を出た。
しかし数メートル行ったところで忘れものに気がついた。スーツを着替える際に、愛用の万年筆を差し替えていなかった。
急いで家へ戻ると玄関に立ったまま、蓮太郎がスマホを触っていた。
「蓮太郎?」
俺の顔を見て、蓮太郎はひょいと背中にスマホを隠す。
「あれ、鬼崎さんどしたの?」
他に怪しい様子はない。気にしすぎだろうか。
「いつも使っている万年筆を忘れて」
「ジャケットの内ポケットに入れてるやつ?」
「ああ、そうだよ」
俺はにこにこしている蓮太郎の横を通り、二階へ上がる。クローゼットの外にかけておいた着用済みのスーツから目当ての万年筆を取り出し、今着ているジャケットの内ポケットにしまった。
「あとは忘れものない?」
部屋を覗きに来た蓮太郎に訊ねられて頷き、時刻を確認する。
「遅れそうだ、いってくるよ」
「こんなに早い時間なのに?」
「やることが山積みなんだ」
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