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第二十七話 はじめてのお出掛け②
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ゆったりと柔らかい、心地よい揺れ。
林田は目を開けた。身体を起こそうとして、グンっと何かに押し戻される。左肩から右下へ、たすき掛けされているこれは・・・シートベルトだ。
「起きたかい?」
右隣り、運転席から鬼崎の声がした。
「あ・・あの、この車は鬼崎さんの?」
「そうだよ」
鬼崎は不可解な面持ちで見つめる林田の視線に気付いて、少しだけ気まずそうに眉尻を下げた。
「以前住んでいたマンションを事務所としてそのまま借りていて、普段はそちらの駐車場に置いているんだ。車は隠すつもりはなかったんだけど、そっちの方が色々と都合が良くてね」
林田は男の説明に納得して頷いた。
正直、車を所有していてもさほど驚きはしない、やっぱりなという感じ。車内の仕様と静かで滑らかな乗り心地からして、素人目にも高級車だというのが予想出来た。
聡明な眼差しでハンドルを握る鬼崎はとても様になっていてかっこいい。
「・・・っ!」
前のめりになっていた姿勢を戻そうとして、小さく悲鳴が漏れた。深く腰掛けたところに違和感を感じる。
尻の下に何かあるのか、いや違う・・・
林田はその正体を思い出して、顔を「かあっ」と紅潮させた。
鬼崎はその様子を横目に捉えて、意地悪く微笑む。
「ソレは俺のスマートフォンで操作出来るんだ、最近は便利だよね」
「なっ⁉︎」
キュッと窄まりを固く閉じる。直腸内に有るのは小型の遠隔ローター、柔らかく馴染んだ林田のそこは抵抗なく小さなローターを咥え込んでいた。
この程度なら振動さえしなければ耐えられる。振動さえしなければ。
ヴーン・・・
「ぅああ!」
赤信号でスマートフォンを操作したらしい。青に変わり、鬼崎は知らん顔でアクセルを踏む。腹の中では振動するローターが暴れている。
なんとか刺激を逃そうと腰をくねらせると、余計に腸襞と絡み合い、快感を生み出してしまう。
「そんな蕩けた顔をしていたら、外から見られちゃうよ」
横からフッと笑われる。
「あっ・・あっ・・見ないで・・・止めてくださいっ」
「次の赤信号までは無理かな」
運転席の男は悪魔のように言ってのける。
前を走っている人、後ろを走っている人、歩道を歩いている人、その内の誰かに見られているかもしれない。鬼崎以外の人間の視線を意識するのは初めてで、身体中から冷や汗が吹き出した。
早く、早く止まれ。顔を覆い、外を見ないようにして唇を噛みしめる。
しばらくして振動がやんだ。ほっと息をつき、顔を上げると、鬼崎の車は赤信号で停車していた。だがアクセルがまた踏まれるまで、緊張感が抜けない。
男の手が動かされるたびに、過敏に反応し、はっと息を呑んだ。
鬼崎はそんな林田の様子を心底愉快そうに眺めている。スッと滑らかに車は発車され、ようやく身体の力が抜けた。
「はぁ・・」
安堵のため息。
ヴーン・・・
「ひっ⁉︎」
林田の腰が大きく跳ねた。その衝撃で微弱な振動が、倍の刺激になって身体を襲う。
「どうして」
「タイマーだよ、色んな機能があって面白いでしょ」
林田は頬を引き攣らせた。隣の男は穏やかな顔の下で口角を歪ませ、情け容赦なく林田をいたぶる。
時には人通りの多い道を選ぶように進路を変え、必要も無いのにコンビニに入り、寄り道をした。その間、林田はローターの振動に怯えながら、車内に放置される。
鬼崎が近くに居なければ、スマートフォンを操作されても分からない。
あ・・また・・
林田の中でソレは蠢く。ヴーン・・、ヴーン・・、とパターンを変えて前立腺を責め立てる。
すぐ横に停車した車の持ち主が戻って来た。店内で雑誌を片手に、鬼崎がこちらをじっと見つめている。
林田はサイドミラーに映った自分の姿に絶句した。繰り返された凌辱でふやけそうなほど目を赤く潤ませ、胸を上下させながら荒く呼吸をしていた。
歯は食いしばっているものの、唇は小刻みに震え、なんて情けない顔だろう・・・
「・・・あ・・」
我慢していた声が漏れた。ぎゅっと強く下腹部を締め上げる。
「・・・ああ・・・」
腸のうねりに合わせて、ローターが手前と奥を何度も行き来し、感じる場所をかすめた。
ヒクッと林田の喉が鳴り、身体が強張る。ローターの振動が一気に激しさを増したのだ。
「皆んなに見られて嬉しいね、蓮太郎」
運転席のドアが開けられ、鬼崎が乗り込んでくる。
「ひぃっああ・・そんなこと・・」
言い訳出来ない。瞼いっぱいに溜まっていた涙がこぼれ落ちる。
変態である自分が大多数の前に容赦なく晒されて、お前は正真正銘のマゾなんだと突きつけられる。
ブワッと背中が粟立った。散々弄ばれた腹の奥がジクジクと熱くなっていく。
「きもちいい・・・」
「ん?」
「・・・きもち・・いい・・です。どうしよう鬼崎さん、俺・・気持ちいいよぉ」
もっと熱いもので満たして欲しいと、林田はねだるように鬼崎を見上げた。男の眉間に久しぶりに苦悶の皺が刻まれる。
「本当に君は」
後頭部を引き寄せられて、深く口付けをされた。
どうすれば林田が感じるのか、その舌と唇は知り尽くしている。その場所を順番になぞられて、フワッと浮くような感覚に吐息が漏れる。二人の舌を絡め合う音が密室の車内に異様なほど濃厚に鳴り響いた。
おそらく自分たちの口付け合う姿は外から丸見えになっている。それがたまらなくいい。欲望が剥き出しになる。
気持ちがよくて、腹がキュンと痺れるたびに、自身で中を圧迫した。
振動するローターが前立腺を押しつぶす。
「んぅ・・・ぅっ」
ビクンと跳ねた後に林田の身体は弛緩した。
「もっとしてあげたいけれど、今は我慢してくれ。今日の目的はこれではないからね」
鬼崎の唇が離される。
「ははは、でもその前に着替えが必要かな?」
くてんっと助手席のシートにもたれた林田を見て、男は優しく笑った。
林田は目を開けた。身体を起こそうとして、グンっと何かに押し戻される。左肩から右下へ、たすき掛けされているこれは・・・シートベルトだ。
「起きたかい?」
右隣り、運転席から鬼崎の声がした。
「あ・・あの、この車は鬼崎さんの?」
「そうだよ」
鬼崎は不可解な面持ちで見つめる林田の視線に気付いて、少しだけ気まずそうに眉尻を下げた。
「以前住んでいたマンションを事務所としてそのまま借りていて、普段はそちらの駐車場に置いているんだ。車は隠すつもりはなかったんだけど、そっちの方が色々と都合が良くてね」
林田は男の説明に納得して頷いた。
正直、車を所有していてもさほど驚きはしない、やっぱりなという感じ。車内の仕様と静かで滑らかな乗り心地からして、素人目にも高級車だというのが予想出来た。
聡明な眼差しでハンドルを握る鬼崎はとても様になっていてかっこいい。
「・・・っ!」
前のめりになっていた姿勢を戻そうとして、小さく悲鳴が漏れた。深く腰掛けたところに違和感を感じる。
尻の下に何かあるのか、いや違う・・・
林田はその正体を思い出して、顔を「かあっ」と紅潮させた。
鬼崎はその様子を横目に捉えて、意地悪く微笑む。
「ソレは俺のスマートフォンで操作出来るんだ、最近は便利だよね」
「なっ⁉︎」
キュッと窄まりを固く閉じる。直腸内に有るのは小型の遠隔ローター、柔らかく馴染んだ林田のそこは抵抗なく小さなローターを咥え込んでいた。
この程度なら振動さえしなければ耐えられる。振動さえしなければ。
ヴーン・・・
「ぅああ!」
赤信号でスマートフォンを操作したらしい。青に変わり、鬼崎は知らん顔でアクセルを踏む。腹の中では振動するローターが暴れている。
なんとか刺激を逃そうと腰をくねらせると、余計に腸襞と絡み合い、快感を生み出してしまう。
「そんな蕩けた顔をしていたら、外から見られちゃうよ」
横からフッと笑われる。
「あっ・・あっ・・見ないで・・・止めてくださいっ」
「次の赤信号までは無理かな」
運転席の男は悪魔のように言ってのける。
前を走っている人、後ろを走っている人、歩道を歩いている人、その内の誰かに見られているかもしれない。鬼崎以外の人間の視線を意識するのは初めてで、身体中から冷や汗が吹き出した。
早く、早く止まれ。顔を覆い、外を見ないようにして唇を噛みしめる。
しばらくして振動がやんだ。ほっと息をつき、顔を上げると、鬼崎の車は赤信号で停車していた。だがアクセルがまた踏まれるまで、緊張感が抜けない。
男の手が動かされるたびに、過敏に反応し、はっと息を呑んだ。
鬼崎はそんな林田の様子を心底愉快そうに眺めている。スッと滑らかに車は発車され、ようやく身体の力が抜けた。
「はぁ・・」
安堵のため息。
ヴーン・・・
「ひっ⁉︎」
林田の腰が大きく跳ねた。その衝撃で微弱な振動が、倍の刺激になって身体を襲う。
「どうして」
「タイマーだよ、色んな機能があって面白いでしょ」
林田は頬を引き攣らせた。隣の男は穏やかな顔の下で口角を歪ませ、情け容赦なく林田をいたぶる。
時には人通りの多い道を選ぶように進路を変え、必要も無いのにコンビニに入り、寄り道をした。その間、林田はローターの振動に怯えながら、車内に放置される。
鬼崎が近くに居なければ、スマートフォンを操作されても分からない。
あ・・また・・
林田の中でソレは蠢く。ヴーン・・、ヴーン・・、とパターンを変えて前立腺を責め立てる。
すぐ横に停車した車の持ち主が戻って来た。店内で雑誌を片手に、鬼崎がこちらをじっと見つめている。
林田はサイドミラーに映った自分の姿に絶句した。繰り返された凌辱でふやけそうなほど目を赤く潤ませ、胸を上下させながら荒く呼吸をしていた。
歯は食いしばっているものの、唇は小刻みに震え、なんて情けない顔だろう・・・
「・・・あ・・」
我慢していた声が漏れた。ぎゅっと強く下腹部を締め上げる。
「・・・ああ・・・」
腸のうねりに合わせて、ローターが手前と奥を何度も行き来し、感じる場所をかすめた。
ヒクッと林田の喉が鳴り、身体が強張る。ローターの振動が一気に激しさを増したのだ。
「皆んなに見られて嬉しいね、蓮太郎」
運転席のドアが開けられ、鬼崎が乗り込んでくる。
「ひぃっああ・・そんなこと・・」
言い訳出来ない。瞼いっぱいに溜まっていた涙がこぼれ落ちる。
変態である自分が大多数の前に容赦なく晒されて、お前は正真正銘のマゾなんだと突きつけられる。
ブワッと背中が粟立った。散々弄ばれた腹の奥がジクジクと熱くなっていく。
「きもちいい・・・」
「ん?」
「・・・きもち・・いい・・です。どうしよう鬼崎さん、俺・・気持ちいいよぉ」
もっと熱いもので満たして欲しいと、林田はねだるように鬼崎を見上げた。男の眉間に久しぶりに苦悶の皺が刻まれる。
「本当に君は」
後頭部を引き寄せられて、深く口付けをされた。
どうすれば林田が感じるのか、その舌と唇は知り尽くしている。その場所を順番になぞられて、フワッと浮くような感覚に吐息が漏れる。二人の舌を絡め合う音が密室の車内に異様なほど濃厚に鳴り響いた。
おそらく自分たちの口付け合う姿は外から丸見えになっている。それがたまらなくいい。欲望が剥き出しになる。
気持ちがよくて、腹がキュンと痺れるたびに、自身で中を圧迫した。
振動するローターが前立腺を押しつぶす。
「んぅ・・・ぅっ」
ビクンと跳ねた後に林田の身体は弛緩した。
「もっとしてあげたいけれど、今は我慢してくれ。今日の目的はこれではないからね」
鬼崎の唇が離される。
「ははは、でもその前に着替えが必要かな?」
くてんっと助手席のシートにもたれた林田を見て、男は優しく笑った。
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