用済みの神子は、お人形として愛されています

倉藤

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ぼくは神子でお人形

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 僕はいま、四つん這いで手首を縛られ、お尻を高く上げた姿勢を取らされている。ひたりと尻にあてがわれた男のモノはご主人様のイチモツではない。

 わかっていても、それでも感じてしまう。

 とても大きくて・・・・・・でっぷりとした立派な亀頭だ。

 狭い肉輪をくぐり抜けようと押し込まれるそれに、僕は小さく喘ぎ、わずかに腰をそらす。

 けれど、今日は声を出してはいけないと言われている。

 僕は懸命に唇をかみ、腹の中を拓いて奥へ奥へと進んでゆく、大きくて熱い肉棒の感覚をやり過ごした。

 ざりり・・・・・・と下生えが尻に触れると、それの侵入はようやく止まる。

「いいね、とても美しくて絵になるよ」

 ご主人様は僕の身体の隅々までを眺めまわし、うっとりと呟いた。

 ———褒めてもらえて、うれしい。でも、触れてはもらえないのだ。

 そうしてご主人様の合図を受け、僕の中のそれが抽挿を開始する。

 ご主人様が観察しやすいように、ゆっくり、ゆっくり、ぬちゃぬちゃと音を立てながら、太く硬い男の性器が僕のアナルを出入りする。

「・・・・・・ふ・・・・・・ンうう」

 歯を食いしばっても漏れてしまう声。

 ———ごめんなさい

 ———ごめんなさい

 どうか失望しないでください。

 そんな僕の頑張りをあざけるかのごとく、エラの張った肉棒がゴリリッと僕のお腹の中の大切なしこりを押しつぶした。

 狙いをさだめて幾度も幾度もそこを通り、擦られるたびに、たまらず尻が揺れてしまう。

「ンうううっ・・・・・・ふ、うううッッ!!」

 ご主人様は僕の目の前に置いた肘掛け椅子に優雅に座り、涙を流す僕をじっと見つめている。

 見つめられ、見られて、感じながら、窄まりに突き刺さった男の性器は、ずちゅッ、ずちゅ・・・・・・ッと激しさを増す。

 ずくずくと奥を抉るように深く入り込み、さらに奥底に眠る禁断の快楽が呼び起こされる。

 そのとき、ナカの肉棒がひときわ太さと熱を増し、射精の準備をはじめたのがわかった。

 種付けを待つ僕の身体は激しく前後に揺さぶられ、伏せた上半身がシーツにすれ、無様に乳首が立ち上がる。

 忘れ去られたようなペニスはダラダラと涎を垂らし、勝手に感じてしまっている。

「うぐうううっ・・・・・・!!!」

 胸が、お腹の中が・・・・・・。だめだ。だめだ。ぜんぶがきもちい・・・・・・。

 そして、ずぶんと一番奥の壁に亀頭を押しつけられ、そこで子種が弾けた。びゅるる! とたっぷり精液を注がれて、じんわりと腹の奥が熱くなる。

「・・・・・・ンウウ」

 中に出された感覚が気持ちよくて、ぽろりと僕の目尻から涙がこぼれた。

 するとご主人様が立ち上がった。

 静かに靴底を鳴らし、僕に近づくと、結合部をじっくり睨め回し、「抜いて」と指示をおくる。

 ずろろろと抜かれていく感覚にふたたび、熱を覚え、「んぐ」と息を止める。やがてにゅぽんと肉棒全体が抜けきると、ぽっかり空いた尻穴から射精したみたいに白濁がとろとろと滴り落ちた。

「ああ・・・・・・イイ。下がって」
 
 ご主人様の命令を受け、僕の中に入っていた男は姿を消した。

 こうして誰もいなくなった部屋で、僕はご主人様に鑑賞されるのだ。

 ご主人様は僕の後ろに回り、スラックスの前をくつろげ、自身の性器を取り出した。

 今にも触れそうな、ぎりぎりの位置まで顔を近づけて、僕の恥ずかしい部分を一つ一つ食い入るように見つめては、自身を握りこみ上下にしごく。

 ———ご主人様にとって、僕は触れてはいけない存在なんだそうだ。観賞用の愛玩具。つまりは、お人形。

 あるとき突然、神子としてこの世界へ召喚された僕の身体は、神の力を受けて成長を止め、もう何年も十六歳の容姿のまま。

 召喚されたはよいものの、神子の僕は出来損ないだった。

 神子の役目を全うできず追放されてしまい、元の世界にも戻れずに、彷徨っていたところに声をかけてくださったご主人様。

 永久に変わらない華奢な少年の身体と、この世界では珍しい黒髪と黒い瞳。幼く繊細な顔立ちを見て、美しいねと価値をくれたご主人様。

 その素性はよく知らないけれど、うっすらと聞いた話によると、僕の召喚された国の、お隣のお隣の国で公爵様という地位についている偉いお方だ。

 どこの世界でも要らない僕は、彷徨った果てに死んでいたはずだった。

 だから、今でもじゅうぶんに「幸せなんだ」と思わなくてはいけなかった。

 でも。

 ———欲を言えば・・・・・・触れられたい。

 だって僕はご主人様に恋をしてしまったのだから。

 要らない僕に生きる場所と意味をくれたご主人様に、たった一度だけでいいから触れてもらえたら、僕はいつだって死んでも構わないんだ。

 それにね。ご主人様の言うことなら、なんだって聞けるんだよ?

 大好きだったものも、似合わないからやめなさいと言われれば、努力して嫌いになった。話し口調も子どもっぽく直したし、自分の呼び方だって「俺」はやめて、「僕」に変えたんだ。 ご主人様が言ったから。

 それくらいに好きなのに。

 愛しているのに・・・・・・。

 ・・・・・・ご主人様の逞しく長いそれがビクビクと震え、僕の尻に温かい精液がかけられた。僕のアナルは、ご主人様の種汁でねっとりと白くまみれ、ひくひくと歓喜していた。

「・・・・・・ハア、ハア、おや、キミのものが元気になってしまったね」

 むくりと首をもたげたペニスを指摘され、僕は頬を染めてご主人様を見つめる。

 もしかしたら———と、期待はしてもいいよね。

 だけど期待はいつも儚く砕けてしまう。ご主人様はベッドから離れ、使用人を連れてきた。先ほどとは別の男の人だ。

 ご主人様は新しい使用人と何やら話をして、また肘掛け椅子に腰掛けた。

 僕は使用人の男の手により体勢を変えられ、今度は限界まで足を開いた状態で固定される。ベトベトの局部が丸出しになり、僕はよりいっそう興奮でたかぶる。

 これからきっと・・・・・・、ご主人様さまに見られながらペニスをしゃぶられるんだ。

 アイスキャンディのように、溶けて溶けて出るものが何もなくなってしまうまで、舐め尽くされるのだと知っている。

「ふふ、興奮したキミの顔も素敵だよ。赤く色づいた頬と身体がベリーの果肉のようで美味しそうだ」

 そう言うと、ご主人様は革でできた紐のついた布を取り出した。

 おののきに目を見開いたのがわかったのか、ご主人様は優しい顔で微笑み、「心配しなくていい」とさとしてくれる。

「キミの身体を痛めつけることなんてしないよ。これはただのアイマスク。いつも同じだとつまらないから、少しだけ思考を凝らしてみようと思ってね」

 その後、僕の視界は塞がれた。

 僕に触れていたのは使用人の男の人だけど、僕がアイマスクをつけられているあいだ中、ご主人様もずっと近くでご覧になってくれていた。

「視界を奪われると、どうかな? どきどきする? 感じやすくなると聞くけれど、キミはどうなってしまうのか楽しみだね。可愛らしい姿を見せてくれると期待しているよ」

 ———わっ・・・・・・!

 ご主人様が喋っただけで、ビクンと僕の肩が跳ねた気がした。

 ああ、すごい。耳元でご主人様の声がする。

 いつもよりぐっと、ご主人様を近くに感じられる。

 だけど、まって、あえなく気配が遠ざかる。

 しばらくして、ギシッと腰掛け椅子が軋む音がした・・・・・・。

「さあ、はじめてくれ」

 ちょっぴり冷たい指先が僕の乳首をつまみ、ペニスをつつと撫でた。

 あ、あ、いつもと違う。気持ちいい・・・・・・。
 
 けど、やっぱり、僕の愛するご主人様の優しい手は・・・・・・、とてもとても遠いなぁ。
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