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第一章
温度差
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「もうわかった。お前も黙れ」
そこからは夢中になろうと行為だけに意識を向けた。優しく触れられた箇所は疼いてたまらないのに、やはり物足りなくて、自分から黙れと言ったくせに苦悶を漏らした。
「ん・・・はあ、強く」
「ふふ。・・・・・・やらしい」
本堂は乳首のリングに指を引っ掛け手前に引き伸ばす。ピアス穴が痛むが、伊津は恍惚した心地になった。
「ぁぅ、うっ!」
ゆるゆると熱く湿った舌がへそ周りを這い、下生えを唾液で濡らしながら勃ち上がった幹を探し当てると、先端に登っていく。
「んあ、本堂・・・いい」
伊津はうっとりと呟く。ジュルと先っぽを吸われ、喉奥まで呑み込まれたペニスはビクビクと反り返って快感を享受する。
より深く愛するために本堂は伊津の性器を口から出すと、伊津を持ち上げてダイニングテーブルに寝かせ、脚を広げさせた。
「伊津さん、乳首は自分で弄ってて」
そう言い脚の間に顔を埋め、先端から竿全体を口に含んだ。激しい出し入れが始まり、口淫の合間には、怖いくらいの力でぎゅっぎゅっと袋を揉まれる。反射的に閉じようとする脚は、本堂がいるせいで閉じられなかった。
「ひっ、ぅ、う、ううう———!」
痛いと気持ちいいが混同する。
電流が爆ぜるように脳裏が点滅して、脳みそをかき混ぜられる感じが好きで、伊津は腰を震わせて達した。
「ぎゃ、あ、あっ、吸うなっ、ひぃ、ん・・・あぁぁ」
吐精する勢いよりも強く吸われている。無理やり吸い出される感覚に身悶えた。出なくなった後には、舌で鈴口をほじくられ最後の一滴まで搾り取られる。
「あっ、あっ、もう無理」
「まだここからだろ?」
本堂はニヤリと笑うと、がっちりと脚を押さえ込んだまま、窄まりに舌を這わせた。
「無理・・・無理・・・・・・、ふざけんなっ・・・限界」
しかし皺を広げるように丹念に入り口を慣らされ、吐息が漏れる。恥ずかしいが、本堂のものが欲しくて、そこはヒクヒクと媚びていた。
舌が抜かれ、指が侵入してくる。伊津のナカを知っている指は大胆に奥へと進んでくる。
そして的確に、伊津の感じるしこりを押した。
「ひゃ、っ、ぃやっ、あっ」
リズミカルにノックされ、伊津の腰が合わせるようにびくんびくんと跳ねる。
力を失くしていたペニスは勃ち上がりを見せ、本堂は見逃さずに握り込んだ。前立腺を押されながら、上下に扱かれると、腹の奥がきゅんと締まる感覚がする。
———欲しい。そこまで・・・欲しい。
伊津はへそを撫でて、涙の滲む瞳を本堂に向けた。
「本堂・・・っ、挿れて」
「挿れてる」
「違う。指じゃなくて、お前のそれ」
だが本堂はかぶりを振った。
「駄目だ。伊津さんが諦めてセーフワードを言ってくれるまで挿れない」
「なんだよそれ。セーフワードになってないだろうがよ」
「それでもだ。これだけでも失神するまで満足させられる」
窄まりを拡げる指に腹部がひくんと震えたが、伊津は唇を噛んだ。
「お前はぜんぜんサド役に向いてねぇ。もっとガツガツやれ。足りない・・・・・・っ」
「伊津さん」
本堂は覆い被さってくる。
「伊津さん。俺は本気だから。いつかわかってくれ」
「本堂」
真面目な顔で見つめられ、伊津は息を詰めた。
———こいつは。
鼓動する胸の中で、捻じ曲がった感情がむくむくと湧きあがる。
ここまでして、———本当にいつかでいいのかよ。
それは逃げ腰になってるだけじゃないのか。
俺のことが好きなら、いつかなんて言わずに今。
「伊津さん? ぼーっとしてるぞ」
「ちっ、一生言ってやんねぇよ」
「じゃあ一生こうしてていいってことだな。伊津さんも一生、生殺しだ」
「馬鹿め。別にお前以外にも男なんざ山ほど・・・」
いいや。これまでが無かったんだから、これからだって無い。
本堂が血まみれで飛び込んでこなければ、再び男と触れ合う機会なんてありえなかった。
自分はもう嫌というほど思い知らされたじゃないか。
他人の言葉に信用性が無いのを知っている。
———なのに、また、脆い関係にのめり込んでた。
思いとどまれて良かった。
伊津は考えるのをやめて口を閉ざす。許された幸せだけを受け止めるために目を閉じた。
そこからは夢中になろうと行為だけに意識を向けた。優しく触れられた箇所は疼いてたまらないのに、やはり物足りなくて、自分から黙れと言ったくせに苦悶を漏らした。
「ん・・・はあ、強く」
「ふふ。・・・・・・やらしい」
本堂は乳首のリングに指を引っ掛け手前に引き伸ばす。ピアス穴が痛むが、伊津は恍惚した心地になった。
「ぁぅ、うっ!」
ゆるゆると熱く湿った舌がへそ周りを這い、下生えを唾液で濡らしながら勃ち上がった幹を探し当てると、先端に登っていく。
「んあ、本堂・・・いい」
伊津はうっとりと呟く。ジュルと先っぽを吸われ、喉奥まで呑み込まれたペニスはビクビクと反り返って快感を享受する。
より深く愛するために本堂は伊津の性器を口から出すと、伊津を持ち上げてダイニングテーブルに寝かせ、脚を広げさせた。
「伊津さん、乳首は自分で弄ってて」
そう言い脚の間に顔を埋め、先端から竿全体を口に含んだ。激しい出し入れが始まり、口淫の合間には、怖いくらいの力でぎゅっぎゅっと袋を揉まれる。反射的に閉じようとする脚は、本堂がいるせいで閉じられなかった。
「ひっ、ぅ、う、ううう———!」
痛いと気持ちいいが混同する。
電流が爆ぜるように脳裏が点滅して、脳みそをかき混ぜられる感じが好きで、伊津は腰を震わせて達した。
「ぎゃ、あ、あっ、吸うなっ、ひぃ、ん・・・あぁぁ」
吐精する勢いよりも強く吸われている。無理やり吸い出される感覚に身悶えた。出なくなった後には、舌で鈴口をほじくられ最後の一滴まで搾り取られる。
「あっ、あっ、もう無理」
「まだここからだろ?」
本堂はニヤリと笑うと、がっちりと脚を押さえ込んだまま、窄まりに舌を這わせた。
「無理・・・無理・・・・・・、ふざけんなっ・・・限界」
しかし皺を広げるように丹念に入り口を慣らされ、吐息が漏れる。恥ずかしいが、本堂のものが欲しくて、そこはヒクヒクと媚びていた。
舌が抜かれ、指が侵入してくる。伊津のナカを知っている指は大胆に奥へと進んでくる。
そして的確に、伊津の感じるしこりを押した。
「ひゃ、っ、ぃやっ、あっ」
リズミカルにノックされ、伊津の腰が合わせるようにびくんびくんと跳ねる。
力を失くしていたペニスは勃ち上がりを見せ、本堂は見逃さずに握り込んだ。前立腺を押されながら、上下に扱かれると、腹の奥がきゅんと締まる感覚がする。
———欲しい。そこまで・・・欲しい。
伊津はへそを撫でて、涙の滲む瞳を本堂に向けた。
「本堂・・・っ、挿れて」
「挿れてる」
「違う。指じゃなくて、お前のそれ」
だが本堂はかぶりを振った。
「駄目だ。伊津さんが諦めてセーフワードを言ってくれるまで挿れない」
「なんだよそれ。セーフワードになってないだろうがよ」
「それでもだ。これだけでも失神するまで満足させられる」
窄まりを拡げる指に腹部がひくんと震えたが、伊津は唇を噛んだ。
「お前はぜんぜんサド役に向いてねぇ。もっとガツガツやれ。足りない・・・・・・っ」
「伊津さん」
本堂は覆い被さってくる。
「伊津さん。俺は本気だから。いつかわかってくれ」
「本堂」
真面目な顔で見つめられ、伊津は息を詰めた。
———こいつは。
鼓動する胸の中で、捻じ曲がった感情がむくむくと湧きあがる。
ここまでして、———本当にいつかでいいのかよ。
それは逃げ腰になってるだけじゃないのか。
俺のことが好きなら、いつかなんて言わずに今。
「伊津さん? ぼーっとしてるぞ」
「ちっ、一生言ってやんねぇよ」
「じゃあ一生こうしてていいってことだな。伊津さんも一生、生殺しだ」
「馬鹿め。別にお前以外にも男なんざ山ほど・・・」
いいや。これまでが無かったんだから、これからだって無い。
本堂が血まみれで飛び込んでこなければ、再び男と触れ合う機会なんてありえなかった。
自分はもう嫌というほど思い知らされたじゃないか。
他人の言葉に信用性が無いのを知っている。
———なのに、また、脆い関係にのめり込んでた。
思いとどまれて良かった。
伊津は考えるのをやめて口を閉ざす。許された幸せだけを受け止めるために目を閉じた。
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