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【最終】第6章 ダオ編・参
86 暮らしのかけら②
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馬はどこまで走り続けるのでしょうか。たくさん睡眠を取ったおかげか、大量にシャオルの乾燥葉を咬まされたおかげか、頭がとても冴えていました。
激しく揺られながらも、鮮明に音や匂いが感じ取れる。
聴き耳を立てると、男は計画的に人目を避けているように思えました。
馬は脚を止めずにひた走る。馬上で強い風を受け、ひどく喉が乾きます。それほどの時間が経っているということなのですけれど、男は平気なのでしょうか。
そのとき、遠くで騒音が響きました。
男は馬を立ち止まらせ、チッと舌打ちをします。
「盗賊ふぜいが出しゃばりおって」
「・・・・・・なにが、起きているのですか?」
ぼくは、ようやく口がきけます。
「低俗な愚民どもが戦の混乱に乗じて盗みを働いておるのだ。国内への侵入はまだまだ先のことだというのに、盗賊どもは適当な噂を流して村民が逃げた出した村々を狙っているのだろう」
戦? 国内への侵入? ぼくはブルッと身震いを起こしました。
「ぼくたちはそちらから離れて行っているんですよね・・・・・・?」
「いいや? お前の身柄はセウ国に引き渡す。そのために連れてきたのだぞ」
最悪の告白です。
「くく、そろそろ国境近くに来ておろう。引き渡し地にたどり着くまでは、詮索されると厄介だから被っておけ」
引き攣っていたはずのぼくの顔には頭から大判の衣をかぶせられ、会話が強制終了されました。男は騒ぎを起こしている村から離れるように脚を進めます。迂回するつもりなのでしょう。
どうしよう・・・・・・、このままでいい?
いいわけがない。
やっと、手が届くところまで近づくことができたのに。川べりの彼との距離がまた遠ざかっていく。
今はときの流れに身を任せていいときじゃない。
達観している場合ではないのです。
(やれ、今しかない)
この男はぼくのことを抵抗できない非力な青年だと油断している。馬に乗せる前に手脚を拘束をしなかったことが証拠です。
確かにぼくに腕力はありませんが・・・・・・、ぼくは上半身をひねり、男の身体に体当たりをして突き飛ばしました。
不安定な馬上だったのが幸いでした。
予想外の反撃になす術なく、男は声を上げました。ふたたび、ぼくは肩からぶつかり、男を突き落とすことに成功したのです。
けれど体勢を崩したのは男だけではなかった。
馬は止まらずに走っているようでしたが、背上で繰り広げられた出来事に驚いたのでしょう、これまでの揺れとは比べものにならないくらいに胴と首を振り乱していました。
ぼくは手綱を掴むために、やみくもに空を掻きます。しかしそれも虚しく身体は宙に放り出され、地に叩きつけられました。
「うう、う・・・・・・」
打ちどころが悪かったら死んでいたかもしれません。身体のいたるところが痛みますが、呼吸ができて声を出せる。
大丈夫。ぼくは生きている。
胸に手を当てて心臓の音を確かめ、立ち上がりました。
「ここはどこ」
頼りになるひとも、ものも、なにもない。
周囲を包んでいるのは、カサカサ、サワサワという葉が擦れる音と、ときおり鳴く小鳥の声のみ。
一刻もはやく人里を探して場所を訊ねないと、森の奥深くで野垂れ死んでしまいます。
「んー、こっちかな?」
方向感覚なんてものは持ち合わせていませんから、ぼくは自分の感だけを頼りにして歩みを進めました。朝と夜の区別もつかないので、疲れたら休み、休んだら進む。それを繰り返しましたが、飲まず食わずの身体は限界をむかえていました。
「・・・・・・喉、乾いた」
結局自分がどこにいるのか、どこまで来てしまったのか、わからないままです。
(このままぼくは死ぬのかもしれない)
迫りくる『死』に恐怖しますが、腰を下ろした木の幹の根本から動きだす体力はもうありません。
木に身体を凭せ、やけに安らかな気持ちになりました。
これが死ぬということでしょうか。
そうして、ふぅと諦めた声を落としたときでした。
———ちりん・・・・・・と、鈴の音が聴こえたのです。
森のなかに鈴? ひとがいるのかと耳を澄ましてみましたが、脚音や衣擦れ等の音は聴こえません。
ぼくの頬を風がなでるたびに、鈴もまた小さく音を鳴らします。
(懐かしい)
ぼくは、この音色を知っています。
覚えていなくても、ぼくは知っている。
頭のなかで道筋が大きく拓けたようでした。
ぼくは重たい腰を上げ、かすかに尻尾を見せた道筋を辿る。鈴の音に近づけば、きっと会いたいひとのもとに辿り着ける。そんな予感がしました。
鈴の音を懸命に追っていると、ぼくの先行きをぎっしりと生い茂った植物が阻みます。
管のように背が高い茎が邪魔で、立ち往生してしまいましたが、ここを通っていかないと一度見つけた鈴の音が聴こえなくなってしまう。ぼくは夢中で前方を掻き分け、植物が生い茂る林のなかに入りました。
(もうすぐ・・・・・・、もうすぐ・・・・・・)
ぼくは胸をはやらせながら脚を踏みしめる。なぎ倒してしまった植物が重なりあい、脚場が悪くなっています。慎重に、気をつけなきゃと思った直後、不意に脚場がずるりと崩れました。
「あっ」
声を上げたときにはすでに、身体は落下の路を辿っていました。ぼくは球になったみたいに、斜めになった地面をごろごろと転げ落ちる。そして最後はふわりと浮遊感に包まれました。
「あ・・・・・・」
身体の下に支えとなる地面がもうない。
落ちてしまうと、ぼくは今度こそ死を覚悟した。
「———飛べ、シャオル!」
降下していた身体が、浮いた。ちがう、ぼくの身体は一瞬のうちに抱きかかえられていたのです。
「・・・・・・シャ、オル?」
先ほど聴こえた名前を呼びます。
「それとも、フェンさま?」
先ほど聴こえた声の持ち主の名前を呼びます。
「どっちもかな。シャオルは巨大な鳩に変化して俺たちを持ち上げてくれているよ。俺たちはシャオルの背中に乗ってる」
時折り感じる地震のような揺れは羽ばたきによるもの。
耳馴染みのいい声は、たがえようのないフェンさまのものでした。
「フェンさま、よかった・・・・・・また会えた」
ぼくの声は震えます。
「どうしてここにいるとわかったのですか?」
「道中にこれが落ちていた」
渡されたのは巾着袋でした。馬に振り落とされたときに失くしてしまっていたのです。
「ありがとうございます、フェンさま」
あふれそうな気持ちが、あと少しでこぼれ出してしまいそうでした。髪を撫でられ、じんわりと体温が伝わってくる。フェンさまは啜り泣くようにつぶやきます。
「あのねダオ、ほんとうの俺はフェンっていう名前じゃなくて、ユリンっていうんだ。俺と暮らしていたころのダオは、旦那さまと呼んでいた」
「旦那さま・・・・・・?」
「そう、旦那さまだよ。君におかえりと言ってもいい? ダオ? もう心配はいらないよ、二度と何処にもやらないから。・・・・・・君がそれを望んでくれるならだけど」
強く抱きしめられた力とは裏腹に、その声はとても切なかった。
「ダオが俺を怖がる気持ちはわかる。自分の都合のいいように過去をうやむやにし、君を混乱させてしまったことを悔いている。それでも、俺はダオがここに帰ってこようとしてくれたことが嬉しかった。あの鈴の音を覚えていてくれたことが嬉しかった。俺はやっぱり・・・・・・ダオとの暮らしが恋しい。戻ってきてほしい」
切実な口調。頭の後ろに回された手。頬に押しつけられた胸板。
トクン、トクン、と刻まれる心臓の鼓動。
大きな手、腕の強さ、優しさ。あたたかさ。匂い。声。
幸せな日々のなかで、ぼくの鼓膜を揺らしていた様々な音たち。
旦那さまとの暮らしのかけら。
「旦那さま」
声に出せば、ぼくの口にはその発音までも馴染んでいました。
それが、わかる。覚えていなくても、知っている。
ぼくはぼくを抱きしめるそのひとの頬に触れました。
「旦那さま、ただいま」
むかえに来てくれてありがとう。
ぼくの答えは決まっている。
激しく揺られながらも、鮮明に音や匂いが感じ取れる。
聴き耳を立てると、男は計画的に人目を避けているように思えました。
馬は脚を止めずにひた走る。馬上で強い風を受け、ひどく喉が乾きます。それほどの時間が経っているということなのですけれど、男は平気なのでしょうか。
そのとき、遠くで騒音が響きました。
男は馬を立ち止まらせ、チッと舌打ちをします。
「盗賊ふぜいが出しゃばりおって」
「・・・・・・なにが、起きているのですか?」
ぼくは、ようやく口がきけます。
「低俗な愚民どもが戦の混乱に乗じて盗みを働いておるのだ。国内への侵入はまだまだ先のことだというのに、盗賊どもは適当な噂を流して村民が逃げた出した村々を狙っているのだろう」
戦? 国内への侵入? ぼくはブルッと身震いを起こしました。
「ぼくたちはそちらから離れて行っているんですよね・・・・・・?」
「いいや? お前の身柄はセウ国に引き渡す。そのために連れてきたのだぞ」
最悪の告白です。
「くく、そろそろ国境近くに来ておろう。引き渡し地にたどり着くまでは、詮索されると厄介だから被っておけ」
引き攣っていたはずのぼくの顔には頭から大判の衣をかぶせられ、会話が強制終了されました。男は騒ぎを起こしている村から離れるように脚を進めます。迂回するつもりなのでしょう。
どうしよう・・・・・・、このままでいい?
いいわけがない。
やっと、手が届くところまで近づくことができたのに。川べりの彼との距離がまた遠ざかっていく。
今はときの流れに身を任せていいときじゃない。
達観している場合ではないのです。
(やれ、今しかない)
この男はぼくのことを抵抗できない非力な青年だと油断している。馬に乗せる前に手脚を拘束をしなかったことが証拠です。
確かにぼくに腕力はありませんが・・・・・・、ぼくは上半身をひねり、男の身体に体当たりをして突き飛ばしました。
不安定な馬上だったのが幸いでした。
予想外の反撃になす術なく、男は声を上げました。ふたたび、ぼくは肩からぶつかり、男を突き落とすことに成功したのです。
けれど体勢を崩したのは男だけではなかった。
馬は止まらずに走っているようでしたが、背上で繰り広げられた出来事に驚いたのでしょう、これまでの揺れとは比べものにならないくらいに胴と首を振り乱していました。
ぼくは手綱を掴むために、やみくもに空を掻きます。しかしそれも虚しく身体は宙に放り出され、地に叩きつけられました。
「うう、う・・・・・・」
打ちどころが悪かったら死んでいたかもしれません。身体のいたるところが痛みますが、呼吸ができて声を出せる。
大丈夫。ぼくは生きている。
胸に手を当てて心臓の音を確かめ、立ち上がりました。
「ここはどこ」
頼りになるひとも、ものも、なにもない。
周囲を包んでいるのは、カサカサ、サワサワという葉が擦れる音と、ときおり鳴く小鳥の声のみ。
一刻もはやく人里を探して場所を訊ねないと、森の奥深くで野垂れ死んでしまいます。
「んー、こっちかな?」
方向感覚なんてものは持ち合わせていませんから、ぼくは自分の感だけを頼りにして歩みを進めました。朝と夜の区別もつかないので、疲れたら休み、休んだら進む。それを繰り返しましたが、飲まず食わずの身体は限界をむかえていました。
「・・・・・・喉、乾いた」
結局自分がどこにいるのか、どこまで来てしまったのか、わからないままです。
(このままぼくは死ぬのかもしれない)
迫りくる『死』に恐怖しますが、腰を下ろした木の幹の根本から動きだす体力はもうありません。
木に身体を凭せ、やけに安らかな気持ちになりました。
これが死ぬということでしょうか。
そうして、ふぅと諦めた声を落としたときでした。
———ちりん・・・・・・と、鈴の音が聴こえたのです。
森のなかに鈴? ひとがいるのかと耳を澄ましてみましたが、脚音や衣擦れ等の音は聴こえません。
ぼくの頬を風がなでるたびに、鈴もまた小さく音を鳴らします。
(懐かしい)
ぼくは、この音色を知っています。
覚えていなくても、ぼくは知っている。
頭のなかで道筋が大きく拓けたようでした。
ぼくは重たい腰を上げ、かすかに尻尾を見せた道筋を辿る。鈴の音に近づけば、きっと会いたいひとのもとに辿り着ける。そんな予感がしました。
鈴の音を懸命に追っていると、ぼくの先行きをぎっしりと生い茂った植物が阻みます。
管のように背が高い茎が邪魔で、立ち往生してしまいましたが、ここを通っていかないと一度見つけた鈴の音が聴こえなくなってしまう。ぼくは夢中で前方を掻き分け、植物が生い茂る林のなかに入りました。
(もうすぐ・・・・・・、もうすぐ・・・・・・)
ぼくは胸をはやらせながら脚を踏みしめる。なぎ倒してしまった植物が重なりあい、脚場が悪くなっています。慎重に、気をつけなきゃと思った直後、不意に脚場がずるりと崩れました。
「あっ」
声を上げたときにはすでに、身体は落下の路を辿っていました。ぼくは球になったみたいに、斜めになった地面をごろごろと転げ落ちる。そして最後はふわりと浮遊感に包まれました。
「あ・・・・・・」
身体の下に支えとなる地面がもうない。
落ちてしまうと、ぼくは今度こそ死を覚悟した。
「———飛べ、シャオル!」
降下していた身体が、浮いた。ちがう、ぼくの身体は一瞬のうちに抱きかかえられていたのです。
「・・・・・・シャ、オル?」
先ほど聴こえた名前を呼びます。
「それとも、フェンさま?」
先ほど聴こえた声の持ち主の名前を呼びます。
「どっちもかな。シャオルは巨大な鳩に変化して俺たちを持ち上げてくれているよ。俺たちはシャオルの背中に乗ってる」
時折り感じる地震のような揺れは羽ばたきによるもの。
耳馴染みのいい声は、たがえようのないフェンさまのものでした。
「フェンさま、よかった・・・・・・また会えた」
ぼくの声は震えます。
「どうしてここにいるとわかったのですか?」
「道中にこれが落ちていた」
渡されたのは巾着袋でした。馬に振り落とされたときに失くしてしまっていたのです。
「ありがとうございます、フェンさま」
あふれそうな気持ちが、あと少しでこぼれ出してしまいそうでした。髪を撫でられ、じんわりと体温が伝わってくる。フェンさまは啜り泣くようにつぶやきます。
「あのねダオ、ほんとうの俺はフェンっていう名前じゃなくて、ユリンっていうんだ。俺と暮らしていたころのダオは、旦那さまと呼んでいた」
「旦那さま・・・・・・?」
「そう、旦那さまだよ。君におかえりと言ってもいい? ダオ? もう心配はいらないよ、二度と何処にもやらないから。・・・・・・君がそれを望んでくれるならだけど」
強く抱きしめられた力とは裏腹に、その声はとても切なかった。
「ダオが俺を怖がる気持ちはわかる。自分の都合のいいように過去をうやむやにし、君を混乱させてしまったことを悔いている。それでも、俺はダオがここに帰ってこようとしてくれたことが嬉しかった。あの鈴の音を覚えていてくれたことが嬉しかった。俺はやっぱり・・・・・・ダオとの暮らしが恋しい。戻ってきてほしい」
切実な口調。頭の後ろに回された手。頬に押しつけられた胸板。
トクン、トクン、と刻まれる心臓の鼓動。
大きな手、腕の強さ、優しさ。あたたかさ。匂い。声。
幸せな日々のなかで、ぼくの鼓膜を揺らしていた様々な音たち。
旦那さまとの暮らしのかけら。
「旦那さま」
声に出せば、ぼくの口にはその発音までも馴染んでいました。
それが、わかる。覚えていなくても、知っている。
ぼくはぼくを抱きしめるそのひとの頬に触れました。
「旦那さま、ただいま」
むかえに来てくれてありがとう。
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