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第二章『召喚された少年と禁忌の魔法術』
62 立ち話
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ハワードは朝礼集会の場には出ていなかった。当朝の起床後に声をかけられて会話をした記憶があるので、セラス寮で仕事をしているのかもしれない。朝礼以前の朝の出来事が変わっていなければだが。
「ジョエル?」
寮に駆け戻ったジョエルは、目をまんまるくしたフィルとジーンに出くわす。カフェテリアから出てきた彼等は朝食を終えたところなのだろう。
仲良しだった二人の顔。
ちくりと胸に細い針が突き刺さったような痛みを感じる。
「おやおや何事かね~?」
「廊下は走っちゃいけませーん」
「ごめん、うん、そうだね、走らない」
この「ごめん」は何に対する謝罪か。ジョエルは目を伏せた。
「んー? 今日のジョエルは変なの。なぁフィル、変だよな」
「あぁ変だなジーン、悩みごとなら俺たちが聞くぜ? 時間ならまだ余裕あるし」
カフェテリアを親指でさして、ジョエルのために時間を取ってくれるという。そんな友人たちに目頭が熱くなり、慌てて目頭に制服の袖を押し当てる。
「ありがとう、でもね行かなきゃ」
ジョエルは、急がなきゃいけないと言葉にした。
「行く?」
ジーンが首を傾げる。
「どこに?」
フィルがジョエルの腕を掴んだ。
「あっちで話そ」
「え、今は駄目なんだ」
「いいから」
腕を引っ張ろうとするフィルの横からジーンが顔を出して微笑む。
「俺たち友だちだろ?」
「・・・・・・っ」
どうしたらいいのか。ジョエルは唇を噛んだ。
ジーンとフィルはジョエルをカフェテリアに連れて行こうとする。
風がジョエルの前髪を揺らした。
風は、急げと言っている。
「ごめんっ」
これは現実か夢か。これは夢だ。夢じゃなければこんな展開にならない。ジョエルはジーンとフィルの手を振りきり、振り返らない。
「ハワード様っ!!」
寮内を探しまわり、ようやくその白く凜とした後ろ姿を見つける。
シスター用のフロアへ繋がる大きな扉の手前でハワードと対峙した。
「そろそろと思っていました。遅かったですね。道草を食っていては間に合わなくなりますよ」
ジョエルの困惑顔にハワードが目を細めた。
「こちらの話です。私に御用ですか、アルトリアさん」
「は、はい」
ジョエルは一度口を閉じ、開く。
「コタローがいないのです」
ハワードは目を細めたまま美しく直立している。
「おかしなことだと承知で申します。本日入学してくるはずだったトリバシ・コタローという身元不明の少年をご存知ないでしょうか?」
「・・・・・・」
沈黙が走った。ジョエルは懸命に呼吸を鎮める。
「ハワード様、もしも何かご存知なら、小さなことでも構いませんから」
「ええ失礼。知っていますよ。コタローさん」
「あっ、彼は・・・っ、どこに・・・」
「落ち着きなさい」
過呼吸気味のジョエルを前にしてハワードはいたって冷静だ。
「アルトリアさんが走って私のもとに来た理由もちゃんと知っていますよ」
「それなら」
「だから落ち着いて」
もはや意地悪なくらいに感じる。だがジョエルは反論できない。歩み寄ってくるハワードに倣って姿勢を正し、落ち着いてと言われたことに従った。
深呼吸を一つして。
ジョエルが胸を上下させると、ハワードは話し始めた。
「アルトリアさん。今のあなたにはシーレハウス学園がどう見えますか?」
「どうって・・・・・・」
「抽象的な質問でしたか? そんなことはないですよね。シーレハウス学園・・・オメガが集められた学園に何を思いますかと訊ねているのですよ」
「すみませんハワード様、その話はまた後日」
「あなたにしかできないことです」
ハワードが言葉を被せる。
「外も知らずシスターを目指すしかなかった以前のアルトリアさんとあなたはもう違う」
「今も大して知識があるわけでは・・・・・・」
「いいえ。フェロモンの扱い方を知っている」
「あ・・・」
「魔法術、その偉大な力をアルトリアさんは手にしている」
「でもそれは僕が特別ってわけじゃない。僕だけの力じゃない」
「そのとおりです」
そしてハワードは改めてジョエルに問いをぶつけた。
シーレハウス学園をどう思うか。
噛み砕けば、シーレハウス学園に集められたオメガたちを憂いているのか。ハワードがジョエルに言いたいのは、堕天使と謂れのない差別を受けるオメガたちをどう思うか。
「アルトリアさんは察しがいい」
「けれど、僕に何ができるのでしょう」
「簡単なことです。身近にいる友人からスタートしましょう。困っているお友だちはいませんか? 苦しんでいるお友だちはいませんか? オメガは常に弱者に置かれる。立ち向かう力を奪われて発情期という鎖に縛られている。この鎖が強制されているものだと、アルトリアさんはわかっていますね」
「はい」
ジョエルの脳裏に浮かぶ顔ぶれはどれも親しい者たち。オメガであるために騎士を諦めたジェイコブ。どんなに仲がよくても離れ離れになる運命のジーンとフィル。フィルはジーンの嫁ぎ先を案じるあまり勇気をもってジョエルと琥太郎の前に立ち塞がったのだったか。
そのどれもが本来しなくてもいい我慢だ。苦しまなくていいことでジョエルの大切なひとたちは苦しんでいる。人々は間違った常識に踊らされ、オメガの人生を軽んじている。
ハワードはジョエルの頭の中を見透かしたように声を強めた。
「ならば教えて差し上げるのです。フェロモンは害ではない、怯える必要はないと、あなたが学んだように」
最後は視線を合わせ、優しく、ゆっくりと言い聞かせる。
ごくり。
至近距離で見つめられて息が詰まりそうだ。ハワードはジョエルが唾を飲みくだし終わるのを待つように沈黙し、やがてわずかに屈めた腰を起こした。
「もうすぐ授業の時刻ですね。他に話したいことはありますか?」
「・・・・・・ありません」
「では行きなさい。次期寮長候補なんですからくれぐれも授業に遅刻しないでくださいね。期待していますよ」
「はい」
ジョエルは気を引き締めて背筋を伸ばした。憧れのハワードに褒められるとふわふわと心地いい。足がふらつくけれど、きっと朝から走りまわったせいだ。
敬愛するこのひとに背中を押してもらえるだけで前を向いて歩ける。
「お気をつけて」
「ありがとうございます」
頭を下げるとジョエルは、授業に向かった。
(モーリッツ先生に協力を仰いだ方が効率的だろうか。魔法術の教授なのだし、できないとは言わないだろう。むしろ目をキラキラさせて喜んでくれる)
使命感に胸を躍らせているうちに授業はお終いだ。浮かれたジョエルの様子を教師もシスターも気に留めない。
足が早くなる。
ジョエルはモーリッツの研究室の前まで来ると躊躇わずにドアをノックした。
「・・・・・・お留守かな」
がっかりしつつドアノブを回してみると鍵はかかっていない。留守ではなく居眠りでもしているのだろうか。
「モーリッツ先生? お邪魔しますね」
そろりとそろりとドアに隙間を作る。
中を覗くが、しかしやはり留守なようだ。
「なんだぁ」
意気込んでいただけに本格的に気を落としたが、ジョエルの視界にデスクの上の書物がうつる。飲みかけのティーカップの横に山積みにされた本から分けられ、一冊だけ目立つ場所に置いてあった。紅茶を飲みながら読んでいたのかもしれない。
厚紙のカバーをして補正してあるものの、やや不恰好なのは中身のページが足りないからだ。足りないのは後ろのページ。
ほとんど無意識にジョエルはそれを手に取るために手を伸ばした。
その瞬間、突風で窓が開け放たれ、ジョエルは反射的に目をつぶった。
表表紙がぱらぱらと風で開く。指先が紙の感触を捉えたが、この後モーリッツの研究室でジョエルが目を開けることはなかった。
何故なら———ジョエルが目を覚ましたのはシーレハウス学園ではなかったからだ。次から次に忙しなく場所が変わる。時間と日にちもだ。
目を開けるとロンダール王国の華宮の一室で寝かされていた。眼前にはジョエルの顔を覗き込むようにして洋が青白い顔でいる。
目が合った途端に、洋は飛び退いた。
「ジョエル?」
寮に駆け戻ったジョエルは、目をまんまるくしたフィルとジーンに出くわす。カフェテリアから出てきた彼等は朝食を終えたところなのだろう。
仲良しだった二人の顔。
ちくりと胸に細い針が突き刺さったような痛みを感じる。
「おやおや何事かね~?」
「廊下は走っちゃいけませーん」
「ごめん、うん、そうだね、走らない」
この「ごめん」は何に対する謝罪か。ジョエルは目を伏せた。
「んー? 今日のジョエルは変なの。なぁフィル、変だよな」
「あぁ変だなジーン、悩みごとなら俺たちが聞くぜ? 時間ならまだ余裕あるし」
カフェテリアを親指でさして、ジョエルのために時間を取ってくれるという。そんな友人たちに目頭が熱くなり、慌てて目頭に制服の袖を押し当てる。
「ありがとう、でもね行かなきゃ」
ジョエルは、急がなきゃいけないと言葉にした。
「行く?」
ジーンが首を傾げる。
「どこに?」
フィルがジョエルの腕を掴んだ。
「あっちで話そ」
「え、今は駄目なんだ」
「いいから」
腕を引っ張ろうとするフィルの横からジーンが顔を出して微笑む。
「俺たち友だちだろ?」
「・・・・・・っ」
どうしたらいいのか。ジョエルは唇を噛んだ。
ジーンとフィルはジョエルをカフェテリアに連れて行こうとする。
風がジョエルの前髪を揺らした。
風は、急げと言っている。
「ごめんっ」
これは現実か夢か。これは夢だ。夢じゃなければこんな展開にならない。ジョエルはジーンとフィルの手を振りきり、振り返らない。
「ハワード様っ!!」
寮内を探しまわり、ようやくその白く凜とした後ろ姿を見つける。
シスター用のフロアへ繋がる大きな扉の手前でハワードと対峙した。
「そろそろと思っていました。遅かったですね。道草を食っていては間に合わなくなりますよ」
ジョエルの困惑顔にハワードが目を細めた。
「こちらの話です。私に御用ですか、アルトリアさん」
「は、はい」
ジョエルは一度口を閉じ、開く。
「コタローがいないのです」
ハワードは目を細めたまま美しく直立している。
「おかしなことだと承知で申します。本日入学してくるはずだったトリバシ・コタローという身元不明の少年をご存知ないでしょうか?」
「・・・・・・」
沈黙が走った。ジョエルは懸命に呼吸を鎮める。
「ハワード様、もしも何かご存知なら、小さなことでも構いませんから」
「ええ失礼。知っていますよ。コタローさん」
「あっ、彼は・・・っ、どこに・・・」
「落ち着きなさい」
過呼吸気味のジョエルを前にしてハワードはいたって冷静だ。
「アルトリアさんが走って私のもとに来た理由もちゃんと知っていますよ」
「それなら」
「だから落ち着いて」
もはや意地悪なくらいに感じる。だがジョエルは反論できない。歩み寄ってくるハワードに倣って姿勢を正し、落ち着いてと言われたことに従った。
深呼吸を一つして。
ジョエルが胸を上下させると、ハワードは話し始めた。
「アルトリアさん。今のあなたにはシーレハウス学園がどう見えますか?」
「どうって・・・・・・」
「抽象的な質問でしたか? そんなことはないですよね。シーレハウス学園・・・オメガが集められた学園に何を思いますかと訊ねているのですよ」
「すみませんハワード様、その話はまた後日」
「あなたにしかできないことです」
ハワードが言葉を被せる。
「外も知らずシスターを目指すしかなかった以前のアルトリアさんとあなたはもう違う」
「今も大して知識があるわけでは・・・・・・」
「いいえ。フェロモンの扱い方を知っている」
「あ・・・」
「魔法術、その偉大な力をアルトリアさんは手にしている」
「でもそれは僕が特別ってわけじゃない。僕だけの力じゃない」
「そのとおりです」
そしてハワードは改めてジョエルに問いをぶつけた。
シーレハウス学園をどう思うか。
噛み砕けば、シーレハウス学園に集められたオメガたちを憂いているのか。ハワードがジョエルに言いたいのは、堕天使と謂れのない差別を受けるオメガたちをどう思うか。
「アルトリアさんは察しがいい」
「けれど、僕に何ができるのでしょう」
「簡単なことです。身近にいる友人からスタートしましょう。困っているお友だちはいませんか? 苦しんでいるお友だちはいませんか? オメガは常に弱者に置かれる。立ち向かう力を奪われて発情期という鎖に縛られている。この鎖が強制されているものだと、アルトリアさんはわかっていますね」
「はい」
ジョエルの脳裏に浮かぶ顔ぶれはどれも親しい者たち。オメガであるために騎士を諦めたジェイコブ。どんなに仲がよくても離れ離れになる運命のジーンとフィル。フィルはジーンの嫁ぎ先を案じるあまり勇気をもってジョエルと琥太郎の前に立ち塞がったのだったか。
そのどれもが本来しなくてもいい我慢だ。苦しまなくていいことでジョエルの大切なひとたちは苦しんでいる。人々は間違った常識に踊らされ、オメガの人生を軽んじている。
ハワードはジョエルの頭の中を見透かしたように声を強めた。
「ならば教えて差し上げるのです。フェロモンは害ではない、怯える必要はないと、あなたが学んだように」
最後は視線を合わせ、優しく、ゆっくりと言い聞かせる。
ごくり。
至近距離で見つめられて息が詰まりそうだ。ハワードはジョエルが唾を飲みくだし終わるのを待つように沈黙し、やがてわずかに屈めた腰を起こした。
「もうすぐ授業の時刻ですね。他に話したいことはありますか?」
「・・・・・・ありません」
「では行きなさい。次期寮長候補なんですからくれぐれも授業に遅刻しないでくださいね。期待していますよ」
「はい」
ジョエルは気を引き締めて背筋を伸ばした。憧れのハワードに褒められるとふわふわと心地いい。足がふらつくけれど、きっと朝から走りまわったせいだ。
敬愛するこのひとに背中を押してもらえるだけで前を向いて歩ける。
「お気をつけて」
「ありがとうございます」
頭を下げるとジョエルは、授業に向かった。
(モーリッツ先生に協力を仰いだ方が効率的だろうか。魔法術の教授なのだし、できないとは言わないだろう。むしろ目をキラキラさせて喜んでくれる)
使命感に胸を躍らせているうちに授業はお終いだ。浮かれたジョエルの様子を教師もシスターも気に留めない。
足が早くなる。
ジョエルはモーリッツの研究室の前まで来ると躊躇わずにドアをノックした。
「・・・・・・お留守かな」
がっかりしつつドアノブを回してみると鍵はかかっていない。留守ではなく居眠りでもしているのだろうか。
「モーリッツ先生? お邪魔しますね」
そろりとそろりとドアに隙間を作る。
中を覗くが、しかしやはり留守なようだ。
「なんだぁ」
意気込んでいただけに本格的に気を落としたが、ジョエルの視界にデスクの上の書物がうつる。飲みかけのティーカップの横に山積みにされた本から分けられ、一冊だけ目立つ場所に置いてあった。紅茶を飲みながら読んでいたのかもしれない。
厚紙のカバーをして補正してあるものの、やや不恰好なのは中身のページが足りないからだ。足りないのは後ろのページ。
ほとんど無意識にジョエルはそれを手に取るために手を伸ばした。
その瞬間、突風で窓が開け放たれ、ジョエルは反射的に目をつぶった。
表表紙がぱらぱらと風で開く。指先が紙の感触を捉えたが、この後モーリッツの研究室でジョエルが目を開けることはなかった。
何故なら———ジョエルが目を覚ましたのはシーレハウス学園ではなかったからだ。次から次に忙しなく場所が変わる。時間と日にちもだ。
目を開けるとロンダール王国の華宮の一室で寝かされていた。眼前にはジョエルの顔を覗き込むようにして洋が青白い顔でいる。
目が合った途端に、洋は飛び退いた。
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