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◆エンジェルフィッシュ◆
Ⅶ
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旭は立ち上がりカラカラと窓を横に引いた。途中でカタンと動きが悪くなる。
「立てつけ直ってないじゃん」
苦笑いを噛み締めた。慣れた手つきで手に力を込め、引っ掛かりを越えたところで、またスムーズに動き出す。ベランダの青いバケツは置きっぱなしになっていた。底に少しだけ雨水が溜まっている。
「お前もまた置いてけぼりか」
バケツを引き寄せて傍にしゃがみ込む。持ち上げた衝撃で揺れる水面に水滴が跳ねる。
「つめたっ・・あれ」
隅っこに忘れられた線香花火が一本落ちている。手に取ってライターを何度かカチカチとやると、線香花火は小さく火花を散らした。旭はパチパチパチと弾む火花を懐かしげに見つめた。
燃え終わった線香花火を雨水に放り込み、しけった煙草を咥えてぼんやりする。しばらくすると、ドアを叩いて急かす声が聞こえた。
旭は煙草をポケットに押し込んで立ち上がった。時計を見ると時刻は夕方、雨のせいでいつもより暗くなるのが早い。晴れていれば、この窓から西陽が入って、千鶴の部屋は綺麗なオレンジ色に染まる。最後にそれが見れなくて残念だなと、ため息を落とし部屋を後にした。
「終わりました~。これ鍵です」
「ああ、悪かったねえ。鍵と家賃だけ置いて何も言わずに引っ越しちゃうもんだから、困っちゃってね。勝手に入るのも忍びないからねえ」
「いえいえ、もうほとんど何も残ってなかったですよ。後の物は処分しちゃって大丈夫だと思います。こちらこそ彼の行方を探してたので、僕の顔を覚えててくれて良かったです」
「あなたはよく来てたから覚えてるよ。他に来る人も居なかったしねえー」
旭は千鶴のアパートを出ると、傘を広げ、黙々と歩いた。「ザーザー」と降り続いていた雨が突然ぽつりと止む。ひと時の晴れ間、雲の切れ間から差し込んだ夕陽に目を細めた。
「もう少しだけあの部屋にいれば良かった」
ぼそっと呟いて傘をたたむ。降ろした傘の先端から水滴がぽたっと落ちて、水溜まりが静かに音を立てた。
終わりというのは呆気ない。こんなもんかという思いが旭の中でぷかぷかと浮いていた。千鶴を抱いていた温度が腕に残っていても、あの跡形も無くなった部屋を見れば、やっぱり夢だったんじゃないかという考えが拭えない。
帰ろう、旭はまた歩き出した。旭の住むマンションの最寄り駅まではここから十二駅、会社と水族館を挟んで正反対の位置だった。
電車に揺られながら、もう通うことのない街並みを一駅一駅ぼんやりと眺めた。窓枠の中の景色に途中でまた雨が降り出す。
駅の外に出た時にはまた本降りの雨で、傘を差してその中を歩いた。左手に見えるコンビニに寄って、弁当とお茶のペットボトル、ビールを二本買った。
「ただいま」
玄関のドアを開けると、今朝部屋を出た時のまま、飲みかけのコーヒーのカップが流し台に置きっぱなしになっていた。コンビニのビニール袋をテーブルに置く。
この部屋も旭の心も、千鶴の部屋を見に行く前と何も変わっていない。千鶴がいなくなったこと以外は何も変わらない。
その晩、真夜中に夢を見た。夢の中で、旭は「ちりん」と鈴の音を聞いた。持ち主を探して走ったけれど、それを鳴らしていたのは、すれ違った小学生だと気づいたところで目が覚めた。
翌朝、旭はいつものようにコーヒーを飲んだ。会社に行って、仕事をこなして、家に帰った。そして夜中にまた夢を見た。次の日も、その次の日も、旭は同じような夢を見た。夢の中で鈴を持った人が何度も通り過ぎた、「ちりん、ちりん」と旭を嘲笑うかのように何度も鈴は鳴った。
眠れない日々に日中はぼーっとしてしまうことが多くなった。旭はため息をつく、心にぽっかりと穴が空いた感覚がしていた。
その日仕事を早めに終えると、家には帰らずに繁華街の方へ歩いた。帰宅ラッシュにはまだ少し早い時間で人通りは少なかった。駅前のアーケードを通りながら、駅からちらほらと出てくる人影を無意識に目で追ってしまう。
まだ夜の華やかさを隠した、静かなホテル街の入り口で、誰かが声をかけてくれるのを待った。クスリが切れた中毒者のように、毎晩生身のカラダを求めて立ち尽くした。誰でもいい、知らない誰かでも心の隙間を埋めてくれるならと思った。
「旭くんさぁ、こーゆうとこ使わないの?」
事後のピロートーク。スマートフォンの画面を見せながら話題を振る相手の男に、旭は背を向けて目をつむったまま返事をしない。
「アタシとはたまたま出会えたけどさ、ホテルの前で待ってるだけなんて効率悪すぎよ?」
男は気にせず話を続けた。すっすっと指をスライドさせ、その画面に目を走らせていた。
「あっ、あったあった見て」
旭はチラチラと振られたスマートフォンの明かりに眉をしかめ、それを覗いた。画面には「Babel」男性専用SNSと大きく表示されている、旭はため息をついてそれを押しのけた。
「いいから、そうゆうのは」
旭がナンパ待ちをしていた時、ホテルから出てきたこの男、泉朔典と出会った。
半裸で飛び出して来た泉はやけに焦った様子で、道路に向かって悪態をついていた。よく見ると上質そうなスーツに顔も悪くない、つい視線を向けてしまったせいで振り返った泉と目が合った。睨みつけるようだった泉の目がすぐに好意を含んだ目に変わり、そのままホテルに連れ込まれ事に及んだ。
年齢は教えてくれないが、おそらく旭よりも上で、柔らかな物腰で包容力が見て取れた。ゲイでオネエなのは周囲には隠しているらしく、普段は外資系会社のサラリーマンだ。良いとこ勤めのエリートなら真面だろうと関係を続けている。
「ふーん、セックスする相手が欲しいから、あんなとこで待ってたんじゃないの?」
「それは・・」
正直、自分はノンケだというプライドがまだ抜けていなかったからだった。男性同士が出会うためのそうゆう場があることは知っている。だが、男を抱くのはあくまで千鶴の代わりだという思いが旭を躊躇わせていた。
「泉さんだけで充分満足してますから」
素っ気なく言うと、泉は嬉しそうにキスをしてくる。さっきもしたばかりだと言うのに、旭の股間に手を伸ばした。
「ふにゃふにゃで可愛いね」
ぱくっと口に頬張り舌でちろちろと刺激された。それだけで旭のそこは重量を増して、あっというまに完全な太さに育て上げられる。
「おっきくなったね、入れていい?」
旭が頷くと、そそり立った熱の上にまたがった。ゆっくりと腰を下ろす、ねっとりと包まれていく感覚にたまらず腰を揺らす。「ああん」と泉が下品に喘ぎ、その声に応えるようにズンズンと腰を突き上げた。
行為後の脱力感と虚無感が旭を襲う、ずりんと自身が尻から引き抜かれても反応せずに、ぐったりと目を閉じた。
泉が旭の肩に身体をすり寄せてスマートフォンをまた触り始めた。熱心に画面をタップして何やら打ち込んでいる、旭は気になって泉の手元に視線をやった。
「登録するんですか。それ」
「うん、アタシはいろいろ試してみたい派なのよね」
「・・そうですか」
旭は少しだけムッとした。自分とセックスした直後に、別の相手探しをされると流石に気持ちが萎える。旭は泉の手からスマートフォンを取り上げた、泉は「あー!」と不満げに手を伸ばす。
「ごめんねってば、気を悪くしちゃった?」
「別にいいですけど、・・ん?」
スマートフォンの画面に見切れている、1人の登録者の紹介写真が気になった。見覚えのある黄金色の短髪、するすると上にスクロールしていくと「やっぱり似てる」と確信した。顔のほとんどが手で隠れて見えないが、口元が間違いなく千鶴のものだった。何度もくちづけた唇の形、覚えている自信があった。
タップして紹介ページを開いた。「なになに」と泉も一緒にそれを覗く、登録されている名前は「フィッシュ」、後は身長とか体重とか趣味なんかで有益な情報は得られそうになかった。
「フィッシュ?この人が気に入ったの?」
「・・いや、知り合いかもしれないんです」
「あっ、この人が元恋人?」
「・・そうかもしれないってだけです」
泉は「かしてごらん」と旭の手からスマートフォンを奪い返すと、そのページの隅から隅までじーっと目を凝らしていた。しばらくして「あ、これ」と画面をこちらに向ける、指差された箇所には行きつけの店の名前が書いてあった。
「アタシこの店知ってるわ。一緒に行ってみる?ゲイが出会いに使う店だから、旭くん苦手かもだけど、アタシがいれば大丈夫でしょ?」
旭は少しためらった後、頷いた。
「立てつけ直ってないじゃん」
苦笑いを噛み締めた。慣れた手つきで手に力を込め、引っ掛かりを越えたところで、またスムーズに動き出す。ベランダの青いバケツは置きっぱなしになっていた。底に少しだけ雨水が溜まっている。
「お前もまた置いてけぼりか」
バケツを引き寄せて傍にしゃがみ込む。持ち上げた衝撃で揺れる水面に水滴が跳ねる。
「つめたっ・・あれ」
隅っこに忘れられた線香花火が一本落ちている。手に取ってライターを何度かカチカチとやると、線香花火は小さく火花を散らした。旭はパチパチパチと弾む火花を懐かしげに見つめた。
燃え終わった線香花火を雨水に放り込み、しけった煙草を咥えてぼんやりする。しばらくすると、ドアを叩いて急かす声が聞こえた。
旭は煙草をポケットに押し込んで立ち上がった。時計を見ると時刻は夕方、雨のせいでいつもより暗くなるのが早い。晴れていれば、この窓から西陽が入って、千鶴の部屋は綺麗なオレンジ色に染まる。最後にそれが見れなくて残念だなと、ため息を落とし部屋を後にした。
「終わりました~。これ鍵です」
「ああ、悪かったねえ。鍵と家賃だけ置いて何も言わずに引っ越しちゃうもんだから、困っちゃってね。勝手に入るのも忍びないからねえ」
「いえいえ、もうほとんど何も残ってなかったですよ。後の物は処分しちゃって大丈夫だと思います。こちらこそ彼の行方を探してたので、僕の顔を覚えててくれて良かったです」
「あなたはよく来てたから覚えてるよ。他に来る人も居なかったしねえー」
旭は千鶴のアパートを出ると、傘を広げ、黙々と歩いた。「ザーザー」と降り続いていた雨が突然ぽつりと止む。ひと時の晴れ間、雲の切れ間から差し込んだ夕陽に目を細めた。
「もう少しだけあの部屋にいれば良かった」
ぼそっと呟いて傘をたたむ。降ろした傘の先端から水滴がぽたっと落ちて、水溜まりが静かに音を立てた。
終わりというのは呆気ない。こんなもんかという思いが旭の中でぷかぷかと浮いていた。千鶴を抱いていた温度が腕に残っていても、あの跡形も無くなった部屋を見れば、やっぱり夢だったんじゃないかという考えが拭えない。
帰ろう、旭はまた歩き出した。旭の住むマンションの最寄り駅まではここから十二駅、会社と水族館を挟んで正反対の位置だった。
電車に揺られながら、もう通うことのない街並みを一駅一駅ぼんやりと眺めた。窓枠の中の景色に途中でまた雨が降り出す。
駅の外に出た時にはまた本降りの雨で、傘を差してその中を歩いた。左手に見えるコンビニに寄って、弁当とお茶のペットボトル、ビールを二本買った。
「ただいま」
玄関のドアを開けると、今朝部屋を出た時のまま、飲みかけのコーヒーのカップが流し台に置きっぱなしになっていた。コンビニのビニール袋をテーブルに置く。
この部屋も旭の心も、千鶴の部屋を見に行く前と何も変わっていない。千鶴がいなくなったこと以外は何も変わらない。
その晩、真夜中に夢を見た。夢の中で、旭は「ちりん」と鈴の音を聞いた。持ち主を探して走ったけれど、それを鳴らしていたのは、すれ違った小学生だと気づいたところで目が覚めた。
翌朝、旭はいつものようにコーヒーを飲んだ。会社に行って、仕事をこなして、家に帰った。そして夜中にまた夢を見た。次の日も、その次の日も、旭は同じような夢を見た。夢の中で鈴を持った人が何度も通り過ぎた、「ちりん、ちりん」と旭を嘲笑うかのように何度も鈴は鳴った。
眠れない日々に日中はぼーっとしてしまうことが多くなった。旭はため息をつく、心にぽっかりと穴が空いた感覚がしていた。
その日仕事を早めに終えると、家には帰らずに繁華街の方へ歩いた。帰宅ラッシュにはまだ少し早い時間で人通りは少なかった。駅前のアーケードを通りながら、駅からちらほらと出てくる人影を無意識に目で追ってしまう。
まだ夜の華やかさを隠した、静かなホテル街の入り口で、誰かが声をかけてくれるのを待った。クスリが切れた中毒者のように、毎晩生身のカラダを求めて立ち尽くした。誰でもいい、知らない誰かでも心の隙間を埋めてくれるならと思った。
「旭くんさぁ、こーゆうとこ使わないの?」
事後のピロートーク。スマートフォンの画面を見せながら話題を振る相手の男に、旭は背を向けて目をつむったまま返事をしない。
「アタシとはたまたま出会えたけどさ、ホテルの前で待ってるだけなんて効率悪すぎよ?」
男は気にせず話を続けた。すっすっと指をスライドさせ、その画面に目を走らせていた。
「あっ、あったあった見て」
旭はチラチラと振られたスマートフォンの明かりに眉をしかめ、それを覗いた。画面には「Babel」男性専用SNSと大きく表示されている、旭はため息をついてそれを押しのけた。
「いいから、そうゆうのは」
旭がナンパ待ちをしていた時、ホテルから出てきたこの男、泉朔典と出会った。
半裸で飛び出して来た泉はやけに焦った様子で、道路に向かって悪態をついていた。よく見ると上質そうなスーツに顔も悪くない、つい視線を向けてしまったせいで振り返った泉と目が合った。睨みつけるようだった泉の目がすぐに好意を含んだ目に変わり、そのままホテルに連れ込まれ事に及んだ。
年齢は教えてくれないが、おそらく旭よりも上で、柔らかな物腰で包容力が見て取れた。ゲイでオネエなのは周囲には隠しているらしく、普段は外資系会社のサラリーマンだ。良いとこ勤めのエリートなら真面だろうと関係を続けている。
「ふーん、セックスする相手が欲しいから、あんなとこで待ってたんじゃないの?」
「それは・・」
正直、自分はノンケだというプライドがまだ抜けていなかったからだった。男性同士が出会うためのそうゆう場があることは知っている。だが、男を抱くのはあくまで千鶴の代わりだという思いが旭を躊躇わせていた。
「泉さんだけで充分満足してますから」
素っ気なく言うと、泉は嬉しそうにキスをしてくる。さっきもしたばかりだと言うのに、旭の股間に手を伸ばした。
「ふにゃふにゃで可愛いね」
ぱくっと口に頬張り舌でちろちろと刺激された。それだけで旭のそこは重量を増して、あっというまに完全な太さに育て上げられる。
「おっきくなったね、入れていい?」
旭が頷くと、そそり立った熱の上にまたがった。ゆっくりと腰を下ろす、ねっとりと包まれていく感覚にたまらず腰を揺らす。「ああん」と泉が下品に喘ぎ、その声に応えるようにズンズンと腰を突き上げた。
行為後の脱力感と虚無感が旭を襲う、ずりんと自身が尻から引き抜かれても反応せずに、ぐったりと目を閉じた。
泉が旭の肩に身体をすり寄せてスマートフォンをまた触り始めた。熱心に画面をタップして何やら打ち込んでいる、旭は気になって泉の手元に視線をやった。
「登録するんですか。それ」
「うん、アタシはいろいろ試してみたい派なのよね」
「・・そうですか」
旭は少しだけムッとした。自分とセックスした直後に、別の相手探しをされると流石に気持ちが萎える。旭は泉の手からスマートフォンを取り上げた、泉は「あー!」と不満げに手を伸ばす。
「ごめんねってば、気を悪くしちゃった?」
「別にいいですけど、・・ん?」
スマートフォンの画面に見切れている、1人の登録者の紹介写真が気になった。見覚えのある黄金色の短髪、するすると上にスクロールしていくと「やっぱり似てる」と確信した。顔のほとんどが手で隠れて見えないが、口元が間違いなく千鶴のものだった。何度もくちづけた唇の形、覚えている自信があった。
タップして紹介ページを開いた。「なになに」と泉も一緒にそれを覗く、登録されている名前は「フィッシュ」、後は身長とか体重とか趣味なんかで有益な情報は得られそうになかった。
「フィッシュ?この人が気に入ったの?」
「・・いや、知り合いかもしれないんです」
「あっ、この人が元恋人?」
「・・そうかもしれないってだけです」
泉は「かしてごらん」と旭の手からスマートフォンを奪い返すと、そのページの隅から隅までじーっと目を凝らしていた。しばらくして「あ、これ」と画面をこちらに向ける、指差された箇所には行きつけの店の名前が書いてあった。
「アタシこの店知ってるわ。一緒に行ってみる?ゲイが出会いに使う店だから、旭くん苦手かもだけど、アタシがいれば大丈夫でしょ?」
旭は少しためらった後、頷いた。
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