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第13都市の4区にある住宅街の一角。
周りに立ち並ぶ家々より少し大きめの二階建ての家の中庭で、こげ茶でくせ毛の髪を襟足で結び、限りなく黒に近い濃い青の瞳をした少し猫背気味の、少年とも青年とも言える16,7歳の男が歩いていた。
男は、中庭の片隅に置いてあった見るからに重そうな荷物をひょいと担ぐと、それを家の裏手にある倉庫へと運んだ。
そろそろかなと男が思いながら、倉庫から玄関へ向かうと、家の中から30代前半の赤みがかった金髪を坊主にした男が出てきた。
「よう、ミツル」
そう声を掛けた坊主の男は、ズボンから煙草を取り出すと口に咥え、落ち着かない様子でそわそわと門扉の外を見始めた。
こげ茶の髪の男―ミツルがそれを見て苦笑を浮かべた。
「クリフ、落ち着きなよ。トウコなら大丈夫だって」
「俺は落ち着いてるぞ」
ミツルの方を見ることなく、門扉の外を見たまま坊主の男―クリフがそう返しながら煙草に火をつけた。
ミツルとトウコが小さかった頃は、2人の前で煙草を吸うことはなかったが、こうしてミツルと2人の時は吸うようになったクリフを見て、ミツルが小さく声を上げて笑った。
「クリフ、煙草の向きが逆だよ」
そう言われたクリフが口に咥えた煙草に視線を落とし、少し恥ずかしそうに坊主頭を掻いた。
ミツルがトウコに出会ってから5年が経った。
ミツルは16歳、トウコは14歳になった。
しかし今、トウコはこの家にはいなかった。
団長と他の団員と共に護衛の仕事に出ているからだ。
半年ほど前、トウコはこの街の組合員に登録し、護衛団の仕事を始めた。
そのため、今回の護衛の仕事が初めてというわけではなかったが、これまではずっとクリフも共に出ていたのだ。
今回クリフは他の護衛の仕事に出ることになり、トウコと初めて別行動になったのだ。
数日前にクリフが先に帰還し、トウコは今日帰還する予定になっていた。
朝からずっとそわそわしているクリフを見ながらミツルが再び小さく笑った時、門扉の向こう、道の先が少し騒がしくなった。
そしてすぐに、この護衛団の印が刻まれた馬車が見え、クリフが少し速足で馬車に近付き、ミツルはゆっくりとその背中を追った。
ぞろぞろと馬車から団員たちが下りてくる中、ぴょんと飛び降りたトウコが、ミツルとクリフに気付き、笑顔で手を振った。
肩程まで伸ばした黒髪を耳の後ろで結び、胸元だけを隠す白のタンクトップにワークパンツ姿のトウコ。
昔と変わらない恰好をしたトウコは、少し前までは少年のようにも見えていたが、今ではもうその面影はなかった。
膨らんだ白のタンクトップ、くびれた腰から緩やかに曲線を描きながら続く丸い尻。
意志の強そうな眉に、少し吊り上がったアーモンド形の大きな紫の瞳。
すっと通った鼻筋に、口角の上がった薄い唇。
未だ少女と女の狭間にいるが、すぐに美しい女になることは誰の目にも明らかだった。
足早にトウコの元へ近づいたクリフが「おかえり、トウコ。何事もなかったか?」と聞くと、「クリフ、ただいま!クリフは心配し過ぎだって。ほら、この通り大丈夫」と笑顔で返したが、それを傍で聞いていた団長が笑いながら口を挟んだ。
「嘘は良くないな、トウコ。障壁張り忘れて少し怪我したじゃないか」
「あ!クリフには内緒にしてって言ったのに!」
「馬鹿野郎!お前またか!何度言ったら分かるんだ!」
クリフが怒鳴りつけ、トウコが苦笑するのを見ながらミツルが2人に近づく。
「トウコ、おかえり」
「ただいま、ミツル」
未だにミツルは組合員にも登録させてもらえず、この家でトウコとクリフを待つだけだったが、それでもいつか2人と共に行けると信じて、その日を楽しみにしていた。
帰還した団員たちの荷物を片付けたミツルが中庭に向かうと、いつものように中庭の片隅の木の下にトウコとクリフが座っていた。
トウコはもぐもぐと美味しそうに薄焼きパンを頬張っており、それもまたいつもの光景にミツルは苦笑を浮かべた。
「ミツルの分もあるぞ。冷える前に食え」
クリフに礼を言いながら渡された薄焼きパンを受け取り、ミツルもトウコの隣に腰掛けそれにかぶりついた。
きのこと鶏肉にたっぷりのチーズ。
そしてトウコの膝の上には、薄焼きパンの皮―トウモロコシの粉で作られたそれをちぎって揚げたものに、はちみつをかけたチップスの入った袋が乗っていた。
相変わらずトウコに甘く、そしてよっぽどトウコが無事に帰還したことが嬉しいのだろうなと思うが、もちろんミツルもトウコが無事に帰還したことは嬉しかった。
そうして食べながら3人で他愛もない話をしていると、トウコがクリフに髪を切って欲しいと言い出した。
これもまたいつものことで、トウコは髪が肩より少し長くなるとクリフに頼んで切ってもらっていた。
「せっかく綺麗な髪してんだから伸ばせばいいのによお」
「長かったら動くのに邪魔だもん」
「どうせ今だって結んでんだから関係ねえだろ」
「この長さだって、クリフが伸ばせ伸ばせ煩いから、我慢してるんだよ。私はもっと短くてもいいんだから」
「長い方がもっと美人になるのに、もったいねえなあ」
「別に美人になんてなりたくないからいいんだよ。そんなこと言うなら、ばっさり切っちゃうからね」
この会話もいつものことだった。
ぶつぶつ言いながらも、毎回クリフはしぶしぶトウコの髪を切っていた。
ミツルもトウコは長い方が似合うと思っていたし、綺麗な黒髪が毎回切られてしまうのはもったいないと内心思っていたが、トウコは何も言わないがきっと背中のお守りと同じなのだろうと思って黙っていた。
そして、クリフもそれが分かっているから、毎回同じことを言いながらも結局切ってやっているのだろうと思っていた。
トウコの髪が切られていくのをぼんやり見ていると、トウコがにやりとしながらミツルを見た。
「ミツルも髪切ったら?」
何となくトウコの言いたいことが分かり、ミツルは目を逸らして答えた。
「俺?…俺はこないだ切ったばっかだからいいよ」
「前髪は切ってないでしょ」
小さい頃から長く伸ばしている前髪。
黒にしか見えない瞳が見られるのが嫌で、目を隠すように伸ばしている前髪。
クリフに身体強化を教えて貰い、そして使えるようになった今では、子供の頃に感じていた強い卑屈さは軽減していたが、それでもまだ瞳を見られるのは嫌だった。
ミツルが黙り込んでいると、トウコが顔を覗き込んできた。
「切りなよ」
「…いいよ」
「切っちゃえばいいのに」
「…いいんだよ」
トウコが更に口を開こうとしたが、クリフがトウコの頭を小突きながら口を挟んだ。
「こらトウコ。無理強いするな」
トウコは小さく口を尖らせたが、すぐに悪戯っ子のような笑みを浮かべると「そうだ」と言った。
「ミツルが初めて荷物持ちとして仕事をすることになったら。その時に切ろうよ」
思いもよらなかった言葉にミツルが固まっていると、クリフが笑い声を上げた。
「そりゃいいな。仕事すんのに前髪長かったら邪魔になるだろうしな。」
「でしょ?どう?ミツル」
楽しみにしている2人との仕事。
その時が来れば。
その時には切ることができるもしれない。
「…分かった。そうなったら切るよ」
満面の笑みを浮かべたトウコが、「約束ね!じゃ、団長に頼んで来ようっと」と言うと、ぴょんと飛び跳ねるように立ち上がり、家に向かって走って行った。
トウコの行動に、少し唖然としていたミツルの頭をクリフが乱暴に撫でた。
「楽しみだなあ。一緒に仕事すんの」
こうして頭を撫でられるのは、子ども扱いされているようで少し恥ずかしかったが、それでもクリフの手の暖かさは心地よかった。
「俺が初めての仕事から帰還したらさ」
「なんだ?」
「俺にも薄焼きパン作ってよ」
「何言ってんだお前。当り前だろ。何を包んで欲しいんだ?」
「きのこと鶏肉」
「そりゃお前、トウコの好物じゃねえか」
げらげら笑うクリフの顔を見ながら、「トウコの好きなものは俺も好きだから」とミツルが返すと、クリフはまた愉快そうに声を上げて笑いながら、ミツルの頭を乱暴に撫でた。
それから一か月後。
クリフが死んだ。
ミツルが楽しみにしていた2人との仕事も。
トウコとの前髪を切るという約束も。
クリフと約束した薄焼きパンも。
永遠に訪れることはなかった。
周りに立ち並ぶ家々より少し大きめの二階建ての家の中庭で、こげ茶でくせ毛の髪を襟足で結び、限りなく黒に近い濃い青の瞳をした少し猫背気味の、少年とも青年とも言える16,7歳の男が歩いていた。
男は、中庭の片隅に置いてあった見るからに重そうな荷物をひょいと担ぐと、それを家の裏手にある倉庫へと運んだ。
そろそろかなと男が思いながら、倉庫から玄関へ向かうと、家の中から30代前半の赤みがかった金髪を坊主にした男が出てきた。
「よう、ミツル」
そう声を掛けた坊主の男は、ズボンから煙草を取り出すと口に咥え、落ち着かない様子でそわそわと門扉の外を見始めた。
こげ茶の髪の男―ミツルがそれを見て苦笑を浮かべた。
「クリフ、落ち着きなよ。トウコなら大丈夫だって」
「俺は落ち着いてるぞ」
ミツルの方を見ることなく、門扉の外を見たまま坊主の男―クリフがそう返しながら煙草に火をつけた。
ミツルとトウコが小さかった頃は、2人の前で煙草を吸うことはなかったが、こうしてミツルと2人の時は吸うようになったクリフを見て、ミツルが小さく声を上げて笑った。
「クリフ、煙草の向きが逆だよ」
そう言われたクリフが口に咥えた煙草に視線を落とし、少し恥ずかしそうに坊主頭を掻いた。
ミツルがトウコに出会ってから5年が経った。
ミツルは16歳、トウコは14歳になった。
しかし今、トウコはこの家にはいなかった。
団長と他の団員と共に護衛の仕事に出ているからだ。
半年ほど前、トウコはこの街の組合員に登録し、護衛団の仕事を始めた。
そのため、今回の護衛の仕事が初めてというわけではなかったが、これまではずっとクリフも共に出ていたのだ。
今回クリフは他の護衛の仕事に出ることになり、トウコと初めて別行動になったのだ。
数日前にクリフが先に帰還し、トウコは今日帰還する予定になっていた。
朝からずっとそわそわしているクリフを見ながらミツルが再び小さく笑った時、門扉の向こう、道の先が少し騒がしくなった。
そしてすぐに、この護衛団の印が刻まれた馬車が見え、クリフが少し速足で馬車に近付き、ミツルはゆっくりとその背中を追った。
ぞろぞろと馬車から団員たちが下りてくる中、ぴょんと飛び降りたトウコが、ミツルとクリフに気付き、笑顔で手を振った。
肩程まで伸ばした黒髪を耳の後ろで結び、胸元だけを隠す白のタンクトップにワークパンツ姿のトウコ。
昔と変わらない恰好をしたトウコは、少し前までは少年のようにも見えていたが、今ではもうその面影はなかった。
膨らんだ白のタンクトップ、くびれた腰から緩やかに曲線を描きながら続く丸い尻。
意志の強そうな眉に、少し吊り上がったアーモンド形の大きな紫の瞳。
すっと通った鼻筋に、口角の上がった薄い唇。
未だ少女と女の狭間にいるが、すぐに美しい女になることは誰の目にも明らかだった。
足早にトウコの元へ近づいたクリフが「おかえり、トウコ。何事もなかったか?」と聞くと、「クリフ、ただいま!クリフは心配し過ぎだって。ほら、この通り大丈夫」と笑顔で返したが、それを傍で聞いていた団長が笑いながら口を挟んだ。
「嘘は良くないな、トウコ。障壁張り忘れて少し怪我したじゃないか」
「あ!クリフには内緒にしてって言ったのに!」
「馬鹿野郎!お前またか!何度言ったら分かるんだ!」
クリフが怒鳴りつけ、トウコが苦笑するのを見ながらミツルが2人に近づく。
「トウコ、おかえり」
「ただいま、ミツル」
未だにミツルは組合員にも登録させてもらえず、この家でトウコとクリフを待つだけだったが、それでもいつか2人と共に行けると信じて、その日を楽しみにしていた。
帰還した団員たちの荷物を片付けたミツルが中庭に向かうと、いつものように中庭の片隅の木の下にトウコとクリフが座っていた。
トウコはもぐもぐと美味しそうに薄焼きパンを頬張っており、それもまたいつもの光景にミツルは苦笑を浮かべた。
「ミツルの分もあるぞ。冷える前に食え」
クリフに礼を言いながら渡された薄焼きパンを受け取り、ミツルもトウコの隣に腰掛けそれにかぶりついた。
きのこと鶏肉にたっぷりのチーズ。
そしてトウコの膝の上には、薄焼きパンの皮―トウモロコシの粉で作られたそれをちぎって揚げたものに、はちみつをかけたチップスの入った袋が乗っていた。
相変わらずトウコに甘く、そしてよっぽどトウコが無事に帰還したことが嬉しいのだろうなと思うが、もちろんミツルもトウコが無事に帰還したことは嬉しかった。
そうして食べながら3人で他愛もない話をしていると、トウコがクリフに髪を切って欲しいと言い出した。
これもまたいつものことで、トウコは髪が肩より少し長くなるとクリフに頼んで切ってもらっていた。
「せっかく綺麗な髪してんだから伸ばせばいいのによお」
「長かったら動くのに邪魔だもん」
「どうせ今だって結んでんだから関係ねえだろ」
「この長さだって、クリフが伸ばせ伸ばせ煩いから、我慢してるんだよ。私はもっと短くてもいいんだから」
「長い方がもっと美人になるのに、もったいねえなあ」
「別に美人になんてなりたくないからいいんだよ。そんなこと言うなら、ばっさり切っちゃうからね」
この会話もいつものことだった。
ぶつぶつ言いながらも、毎回クリフはしぶしぶトウコの髪を切っていた。
ミツルもトウコは長い方が似合うと思っていたし、綺麗な黒髪が毎回切られてしまうのはもったいないと内心思っていたが、トウコは何も言わないがきっと背中のお守りと同じなのだろうと思って黙っていた。
そして、クリフもそれが分かっているから、毎回同じことを言いながらも結局切ってやっているのだろうと思っていた。
トウコの髪が切られていくのをぼんやり見ていると、トウコがにやりとしながらミツルを見た。
「ミツルも髪切ったら?」
何となくトウコの言いたいことが分かり、ミツルは目を逸らして答えた。
「俺?…俺はこないだ切ったばっかだからいいよ」
「前髪は切ってないでしょ」
小さい頃から長く伸ばしている前髪。
黒にしか見えない瞳が見られるのが嫌で、目を隠すように伸ばしている前髪。
クリフに身体強化を教えて貰い、そして使えるようになった今では、子供の頃に感じていた強い卑屈さは軽減していたが、それでもまだ瞳を見られるのは嫌だった。
ミツルが黙り込んでいると、トウコが顔を覗き込んできた。
「切りなよ」
「…いいよ」
「切っちゃえばいいのに」
「…いいんだよ」
トウコが更に口を開こうとしたが、クリフがトウコの頭を小突きながら口を挟んだ。
「こらトウコ。無理強いするな」
トウコは小さく口を尖らせたが、すぐに悪戯っ子のような笑みを浮かべると「そうだ」と言った。
「ミツルが初めて荷物持ちとして仕事をすることになったら。その時に切ろうよ」
思いもよらなかった言葉にミツルが固まっていると、クリフが笑い声を上げた。
「そりゃいいな。仕事すんのに前髪長かったら邪魔になるだろうしな。」
「でしょ?どう?ミツル」
楽しみにしている2人との仕事。
その時が来れば。
その時には切ることができるもしれない。
「…分かった。そうなったら切るよ」
満面の笑みを浮かべたトウコが、「約束ね!じゃ、団長に頼んで来ようっと」と言うと、ぴょんと飛び跳ねるように立ち上がり、家に向かって走って行った。
トウコの行動に、少し唖然としていたミツルの頭をクリフが乱暴に撫でた。
「楽しみだなあ。一緒に仕事すんの」
こうして頭を撫でられるのは、子ども扱いされているようで少し恥ずかしかったが、それでもクリフの手の暖かさは心地よかった。
「俺が初めての仕事から帰還したらさ」
「なんだ?」
「俺にも薄焼きパン作ってよ」
「何言ってんだお前。当り前だろ。何を包んで欲しいんだ?」
「きのこと鶏肉」
「そりゃお前、トウコの好物じゃねえか」
げらげら笑うクリフの顔を見ながら、「トウコの好きなものは俺も好きだから」とミツルが返すと、クリフはまた愉快そうに声を上げて笑いながら、ミツルの頭を乱暴に撫でた。
それから一か月後。
クリフが死んだ。
ミツルが楽しみにしていた2人との仕事も。
トウコとの前髪を切るという約束も。
クリフと約束した薄焼きパンも。
永遠に訪れることはなかった。
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