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金の章
06.秘された想い
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翌朝、2日後の昼に再び合流することを決めて予定通りにリカと別れた一行は、死の森では特に魔物に襲撃されることなく、無事に神殿へと到着した。
神殿の惨状を見たヨシザキが悲痛な声を上げる。
「ああ…まだ調査したかったところがあんなに破壊されて…。ああ、あそこも!」
ヨシザキの言う通り、神殿内部は以前訪れた時とは様相を変えていた。
大人が抱き付いても腕が届かないほどの太さの円柱が左右に8本ずつ、計16本が等間隔に整然と並んでいるのは変わりないが、そのうちの3本は大きく抉れていた。抉れていない柱も、レリーフが崩れている箇所が多数あった。
また、大理石の床はいたるところが陥没しており惨憺たる有様だった。
しかし、以前と大きく異なるのは、女神像を守るように祭壇に立っていた、立派な鎧を身に纏った8メートルを優に超えていそうな2体の銅像が、今では神殿の中央付近に無残な有様で横たわっていることだろう。
剣を持っていたはずの銅像は、両腕と頭を無くして横たわっており、頭と腕らしき残骸が体の周りに散らばっていた。
もう1体の銅像も頭を粉砕されて横たわっており、持っていたはずの巨大な弓は真っ二つに破壊されていた。
調査したくて明らかにソワソワし出したヨシザキとハナを押し止め、まずは今回どこに拠点を築くか話し合った。
祭壇付近を特に調査したいので、その近くがいいというヨシザキに対して、ヨシザキとハナ以外―特にトウコとリョウが猛反対した。
それならば、神殿の中央付近でいいのではないかとハナが言ったが、これもまたヨシザキとハナ以外が何とも言えない表情を浮かべた。
「…もう壊れてしまっているとは言えなあ。」
デニスが嫌そうな顔で神殿中央付近に横たわる破壊された2体の銅像を見ながら言うと、それを引き継ぐようにマリーが言葉を続けた。
「またあれが動き出したらと思っちゃうわよね…。」
結局、前回拠点を築いた場所より手前、神殿に入って左側の3本目の円柱付近を拠点にすることに決めた。
「あんたたちはもう神殿内部をうろちょろするんじゃないわよ!」と言い残し、マリーとデニスたちが神殿内部の安全確認に行き、その間、トウコとリョウは、拠点に残ってヨシザキ・ハナ・リカとともに天幕を張ることになった。
「…なんだかなぁ。俺たちのせいであの銅像が動いたみたいな感じになってんじゃねーか。」
リョウが疲れたようにぼやくと、トウコが苦笑を浮かべた。
「前回も特に歩きまわったわけじゃないしな。でも大人しくしておくことに異論はないさ。」
天幕を張り終えた頃、マリーたちも確認から戻って来た。
もう待てないとばかりに、今すぐにでも調査に行きたそうなヨシザキの襟首をつかんだマリーが、もう決まりとばかりに調査中の護衛は自分とデニスでやること、そしてトウコとリョウ、デニスの仲間の2人が交代で神殿の出入り口の見張りを行うよう指示を出した。
皆がそれに頷くと、「それでは、さっそく調査しますね!ハナ行きましょう!」とヨシザキが小太りの体を揺すらせて走り出し、ハナもその後を追いかけた。
マリーが「後は頼んだわよ。」と言い残し、デニスとともにヨシザキたちの後を追った。
それを見送ったリョウがトウコの腰を抱き、見張りのために神殿の出入り口の方へと歩いて行こうするのを見たデニスが、慌てて戻って来て2人を呼び止めた。
「お、おい。まずはその2人が先に見張りをするから、お前らは休んどけ。」
訝しげな顔をして振り返ったトウコとリョウにデニスが少し早口で捲し立てる。
「前回と逆のことしろよ。ほら、前回は先にお前らが見張りをしただろ?だから今回はお前たちが後。」
デニス意図するところが分かったトウコとリョウが苦笑を浮かべる。
「おう、トウコ。休もうぜ。」
「そうだな。じゃ、先に見張りを頼む。」
デニスの仲間の2人もまた苦笑を浮かべつつも、「それがいい。」と頷いた。
そのやりとりを見ていたヨシも、安心したような表情を浮かべて言った。
「トウコさんたちは後から見張りをした方が絶対にいいです。」
その時、ヨシザキの後を追いながらもこちらの様子を窺っていたマリーが叫んだ。
「デニス!何してんのよ!早く来なさい!それと、トウコとリョウは後から見張りをしなさいよね!」
マリーの言葉に全員が噴き出した後、喜々として調査しているヨシザキを見やった。
「この場所に戻ってきて喜べるヨシザキさんが羨ましいな…。」
トウコの言葉に、皆一様に深く頷いた。
その後、神殿内部が少し薄暗くなってきた夕方に、トウコとリョウは見張りを交代した。
トウコを足の間に座らせ、後ろから抱き締める形で座っているリョウが、トウコの頭の上に顎を乗せて疲れたような声を出した。
「あー帰りてえ。」
「まだ始まったばかりだぞ。」
「イラつくことばっかでやってらんねぇ。もう今すぐヤりてえ。」
トウコの首元に顔を埋めて、呻くように言ったリョウに苦笑したトウコだったが、すぐに艶やかな笑みを浮かべた。
「正直言うと。」
リョウの耳元に顔を寄せたトウコが囁く。
「私も同じ気分だ。」
顔を上げたリョウがトウコの紫の瞳を覗き込み、ニヤリと笑うとトウコの耳に舌を這わせ、反対の耳を指で撫でると、そのまま首筋から鎖骨、胸へと指を滑らせた。
「このままヤろうぜ。」
リョウの舌と指先の感触に体を震わせ、少し甘さが含まれた吐息をトウコが吐きながらリョウの体を軽く押した。
「ダメに決まってるだろ…。」
トウコの耳を噛みながらくつくつと笑ったリョウは、「残念。」と笑いの残る声で言い、耳から口を離した。
気分を変えるように伸びをして、頭の後ろで手を組んで柱にもたれ掛かったリョウが神殿の出入り口付近に彫られたレリーフに目を止めて言った。
「あのレリーフも壊れちまったんだな。」
その言葉にトウコもまたレリーフを見る。
恋人同士と思われる、ヨシザキ曰く光の女神と光の騎士の2人が手を繋いで空を見上げていたはずのレリーフは、ちょうど中央部が砕けてしまっており、2人の半身部分が無残に割れていた。
「確か…手を繋いでいたんだったよな。」
トウコが思い出すように言うと、「やっぱ浮気した男を女が罵倒してたんだろ。別れちまったから手も離れたんだよ。」と口の端を上げて言った。
トウコが小さく笑い声を上げる。
その声の中に、悲しげな雰囲気を感じ取ったリョウがトウコの顔を覗き込むと、トウコはやはり少し悲しそうな顔をしてレリーフを見上げていた。
「お前、なんでこの間からあのレリーフをそんなに気にすんだよ。レリーフっつーか、光の女神と騎士か?結婚したかどうかもヨシザキの野郎に聞いてただろ?」
「気にしてるかな?」
「してるだろ。」
リョウから目を逸らしたトウコが、再び損壊したレリーフを見上げる。
「幸せそうな2人だったからな。幸せになれるなら、そのまま幸せになってた方がいいじゃないか。」
静かに呟いたトウコの言葉に、リョウが少し考え込むような顔をした後に口を開いた。
「トウコ。」
「うん?」
そのままリョウは何も言わず、トウコが不思議そうな顔をして振り返ろうとしたが、それをリョウが押し止めた。
「どうした?」
リョウは何かを言おうと口を開いたが、少し悲しげな笑みを浮かべると結局口を閉じた。
トウコの顔を掴んで自分の方に向かせると、少し強引にトウコの唇を吸う。
唇を離したリョウにトウコが怪訝そうな顔で「本当にどうした?」と問うと、リョウはにやにやしながら言った。
「帰ったらヤりまくろうな。」
「馬鹿だろお前。」
「お前も馬鹿だ。」
即座に言い返した声に、飲み込んだはずの感情が微かに乗ってしまったことにリョウが内心顔を顰めたが、それに気づいていない様子で楽しそうにくすくす笑うトウコを見て、リョウは小さく、本当に小さく息を吐いてトウコの頭を撫でた。
神殿の惨状を見たヨシザキが悲痛な声を上げる。
「ああ…まだ調査したかったところがあんなに破壊されて…。ああ、あそこも!」
ヨシザキの言う通り、神殿内部は以前訪れた時とは様相を変えていた。
大人が抱き付いても腕が届かないほどの太さの円柱が左右に8本ずつ、計16本が等間隔に整然と並んでいるのは変わりないが、そのうちの3本は大きく抉れていた。抉れていない柱も、レリーフが崩れている箇所が多数あった。
また、大理石の床はいたるところが陥没しており惨憺たる有様だった。
しかし、以前と大きく異なるのは、女神像を守るように祭壇に立っていた、立派な鎧を身に纏った8メートルを優に超えていそうな2体の銅像が、今では神殿の中央付近に無残な有様で横たわっていることだろう。
剣を持っていたはずの銅像は、両腕と頭を無くして横たわっており、頭と腕らしき残骸が体の周りに散らばっていた。
もう1体の銅像も頭を粉砕されて横たわっており、持っていたはずの巨大な弓は真っ二つに破壊されていた。
調査したくて明らかにソワソワし出したヨシザキとハナを押し止め、まずは今回どこに拠点を築くか話し合った。
祭壇付近を特に調査したいので、その近くがいいというヨシザキに対して、ヨシザキとハナ以外―特にトウコとリョウが猛反対した。
それならば、神殿の中央付近でいいのではないかとハナが言ったが、これもまたヨシザキとハナ以外が何とも言えない表情を浮かべた。
「…もう壊れてしまっているとは言えなあ。」
デニスが嫌そうな顔で神殿中央付近に横たわる破壊された2体の銅像を見ながら言うと、それを引き継ぐようにマリーが言葉を続けた。
「またあれが動き出したらと思っちゃうわよね…。」
結局、前回拠点を築いた場所より手前、神殿に入って左側の3本目の円柱付近を拠点にすることに決めた。
「あんたたちはもう神殿内部をうろちょろするんじゃないわよ!」と言い残し、マリーとデニスたちが神殿内部の安全確認に行き、その間、トウコとリョウは、拠点に残ってヨシザキ・ハナ・リカとともに天幕を張ることになった。
「…なんだかなぁ。俺たちのせいであの銅像が動いたみたいな感じになってんじゃねーか。」
リョウが疲れたようにぼやくと、トウコが苦笑を浮かべた。
「前回も特に歩きまわったわけじゃないしな。でも大人しくしておくことに異論はないさ。」
天幕を張り終えた頃、マリーたちも確認から戻って来た。
もう待てないとばかりに、今すぐにでも調査に行きたそうなヨシザキの襟首をつかんだマリーが、もう決まりとばかりに調査中の護衛は自分とデニスでやること、そしてトウコとリョウ、デニスの仲間の2人が交代で神殿の出入り口の見張りを行うよう指示を出した。
皆がそれに頷くと、「それでは、さっそく調査しますね!ハナ行きましょう!」とヨシザキが小太りの体を揺すらせて走り出し、ハナもその後を追いかけた。
マリーが「後は頼んだわよ。」と言い残し、デニスとともにヨシザキたちの後を追った。
それを見送ったリョウがトウコの腰を抱き、見張りのために神殿の出入り口の方へと歩いて行こうするのを見たデニスが、慌てて戻って来て2人を呼び止めた。
「お、おい。まずはその2人が先に見張りをするから、お前らは休んどけ。」
訝しげな顔をして振り返ったトウコとリョウにデニスが少し早口で捲し立てる。
「前回と逆のことしろよ。ほら、前回は先にお前らが見張りをしただろ?だから今回はお前たちが後。」
デニス意図するところが分かったトウコとリョウが苦笑を浮かべる。
「おう、トウコ。休もうぜ。」
「そうだな。じゃ、先に見張りを頼む。」
デニスの仲間の2人もまた苦笑を浮かべつつも、「それがいい。」と頷いた。
そのやりとりを見ていたヨシも、安心したような表情を浮かべて言った。
「トウコさんたちは後から見張りをした方が絶対にいいです。」
その時、ヨシザキの後を追いながらもこちらの様子を窺っていたマリーが叫んだ。
「デニス!何してんのよ!早く来なさい!それと、トウコとリョウは後から見張りをしなさいよね!」
マリーの言葉に全員が噴き出した後、喜々として調査しているヨシザキを見やった。
「この場所に戻ってきて喜べるヨシザキさんが羨ましいな…。」
トウコの言葉に、皆一様に深く頷いた。
その後、神殿内部が少し薄暗くなってきた夕方に、トウコとリョウは見張りを交代した。
トウコを足の間に座らせ、後ろから抱き締める形で座っているリョウが、トウコの頭の上に顎を乗せて疲れたような声を出した。
「あー帰りてえ。」
「まだ始まったばかりだぞ。」
「イラつくことばっかでやってらんねぇ。もう今すぐヤりてえ。」
トウコの首元に顔を埋めて、呻くように言ったリョウに苦笑したトウコだったが、すぐに艶やかな笑みを浮かべた。
「正直言うと。」
リョウの耳元に顔を寄せたトウコが囁く。
「私も同じ気分だ。」
顔を上げたリョウがトウコの紫の瞳を覗き込み、ニヤリと笑うとトウコの耳に舌を這わせ、反対の耳を指で撫でると、そのまま首筋から鎖骨、胸へと指を滑らせた。
「このままヤろうぜ。」
リョウの舌と指先の感触に体を震わせ、少し甘さが含まれた吐息をトウコが吐きながらリョウの体を軽く押した。
「ダメに決まってるだろ…。」
トウコの耳を噛みながらくつくつと笑ったリョウは、「残念。」と笑いの残る声で言い、耳から口を離した。
気分を変えるように伸びをして、頭の後ろで手を組んで柱にもたれ掛かったリョウが神殿の出入り口付近に彫られたレリーフに目を止めて言った。
「あのレリーフも壊れちまったんだな。」
その言葉にトウコもまたレリーフを見る。
恋人同士と思われる、ヨシザキ曰く光の女神と光の騎士の2人が手を繋いで空を見上げていたはずのレリーフは、ちょうど中央部が砕けてしまっており、2人の半身部分が無残に割れていた。
「確か…手を繋いでいたんだったよな。」
トウコが思い出すように言うと、「やっぱ浮気した男を女が罵倒してたんだろ。別れちまったから手も離れたんだよ。」と口の端を上げて言った。
トウコが小さく笑い声を上げる。
その声の中に、悲しげな雰囲気を感じ取ったリョウがトウコの顔を覗き込むと、トウコはやはり少し悲しそうな顔をしてレリーフを見上げていた。
「お前、なんでこの間からあのレリーフをそんなに気にすんだよ。レリーフっつーか、光の女神と騎士か?結婚したかどうかもヨシザキの野郎に聞いてただろ?」
「気にしてるかな?」
「してるだろ。」
リョウから目を逸らしたトウコが、再び損壊したレリーフを見上げる。
「幸せそうな2人だったからな。幸せになれるなら、そのまま幸せになってた方がいいじゃないか。」
静かに呟いたトウコの言葉に、リョウが少し考え込むような顔をした後に口を開いた。
「トウコ。」
「うん?」
そのままリョウは何も言わず、トウコが不思議そうな顔をして振り返ろうとしたが、それをリョウが押し止めた。
「どうした?」
リョウは何かを言おうと口を開いたが、少し悲しげな笑みを浮かべると結局口を閉じた。
トウコの顔を掴んで自分の方に向かせると、少し強引にトウコの唇を吸う。
唇を離したリョウにトウコが怪訝そうな顔で「本当にどうした?」と問うと、リョウはにやにやしながら言った。
「帰ったらヤりまくろうな。」
「馬鹿だろお前。」
「お前も馬鹿だ。」
即座に言い返した声に、飲み込んだはずの感情が微かに乗ってしまったことにリョウが内心顔を顰めたが、それに気づいていない様子で楽しそうにくすくす笑うトウコを見て、リョウは小さく、本当に小さく息を吐いてトウコの頭を撫でた。
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