可笑しな漫画家が異世界転生した模様。ーただの神様達と神獣や少女で漫画家を困らせるようです。ー

影狼

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裏。ー影。ー

石楠花。ーあさまだきにうちふく。ー

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ふんふん、そうでございましたな。

それで…如何様に致しましょうか?

話を聞きたいお客さんはどなたで?

どうやら、お待たせしたようでさ…。

あっしはここ、『河屋』の下郎をやらせてもらってます。

『楠』…と、お呼びになってくだせェ。

旦那さまには___________?

とと、申し訳ございやせん。

少々、焼きが回ったようで…。

なァに、夜半闇くなるまで呑んだだけですよ。

『本当に』…?そうでさァ?

隠さなくてもいいモンは、きっとねぇじゃないですか?

『お嬢さん』。
『店と賓主。ー誘いの下郎。ー』

閑話休題。

知ってはいるかい?

何をって、そりゃあ彼処の噂を。

それとは別に、男がいたそうだよ。

確かそれに相応しい、男手があったはずだよ。

うーん。

ここにあるはずなんだけれど、おっかしいなぁ……。

うん、あったあった。

題名は……どうにもこうにも思いつかないから、後で教えて欲しいのだけどいいかな。

『はい』

ありがとう。

じゃ、失礼して……。

『とある男がいた。』

『その男は顔を隠すために化粧をたしなんでいたと。』

『ま、そんなのは許されはしなかったお家なのもあるのでしょうけども。』

『その裏にある思いを踏みにじった所業は許したのか、それすらも……』

『一寸、そこら辺はおいおい語りましょうや。』

『胡乱げな男の子の閑話』

ん……?

おかしいな、記述がまだあるみたいだよ。

見逃してたのかな?

『空明に語って聞かせたくなる』

へぇ、これは面白い記述だね。

『ゆるふわ系の男の子は弓の名手で、老熟した腕前で御座いました。』

『何方かにその癖を見破られ、敗北するまで無敗だった模様です。』

『それは何処かの部屋にある本棚へ、収納されている本の記述でした。』

『しかしながら、その記述は。』

「いやに、詳らかな様子なのでした。』

『絡繰。ー道化の壇上。ー』

『そう、目の前で見てきた、見ていたように…。」

「きっと私たちがいた頃です。懐かしいですね♪』

ふー、案外読み解くのに時間かかるね。

ざっとこんな記述だったようだよ。

『蒐集。ー賑わいの残響と代償。ー』

『あの件なんですがねェ…。』

『……』

『イヤイヤ、あっしらが動く訳にゃいかねェんでさ。』

『これまでの戦果を、お前が無為にするのか?』

『それはどうやっても叶いやせん。』

『これならお上も、よう御座いやしょう?』

『さて、『彼等』の教育に参りましょうかねェ。』

『…あァ。』

『…あっしとした事が。』

くるり、と翻ってお面の下でにこりと笑う。

『忘れ形見が勿体ねェってんなら、如何様に使ってやってくだせェや。』

『どうぞよしなに。』

『御身は信用ならん』

『……何処まで見えているのか、分からんからな』

『一笑に付す。ー鴉の苦悩。ー』

それはそれとして、噂によると。

番紅花の香りが漂う、やけに古い内装の店でね。

確か……家紋だとか。

そのロゴのような古き良きモノは、シャクナゲや竹が描かれていたよ。

石に、左に木、それから南に、花……だったかな。

ちょっとまってて。

カコーン、カラカラ……。

キュポ、さらさら……。

『石楠花』

『……それが?』

うん、あのお店に使われている家紋かもしれないね。

『隠れた老舗の店?ー河屋。ー』

みつけた。

弓の名手で、老熟した腕前であったことも。

好物も、拘りも、友に向けた誓いも、幾つかの制縛も。

それらを跳ね除けられはしないが。

実力不足なのは間違いないし、仕方なかろう?

みつけた。

それを踏まえて、確かな誇りもあったであろうな。

ゆるふわ系の男の子がいた事なぞ、彼らは何もかも知らない。

くすくす、みつけた。

むすんであげよう、絡げ絡げ。

『祈りを違えた弓の呪縛。ー仇。ー』

〈途中経過〉

幼子→白木と闘争済 死亡

正体不明

柘榴の名を冠する龍→流星と闘争済 死亡

正体 ある神の記憶を植え付けられたキメラでその影響かその神に近しいモノだと思い込む
無理もない

私も似たような状況に、置かれたからな

ハイム→『かの異形の獣人』と闘争済 生存

正体不明

鬼神鬼喜丸→藍鉄色の上等な着物を着た男性と闘争済 死亡

正体不明 にも関わらずはぐれモノ 特筆する程の正当な理由はせんなくて。

板宿菊裏→『かの月喰らいと名を馳せる死の神』と闘争済 相討ちの末に死亡

能士は鍛えた技、行使すること能わず。

其れ現すことは能く、言付け之認めからぐに値する。

これにより正体不明

言は不明、つつくは以下

『ぬばたまの夜に、むぐめくはくちなは』

『これは明ける事なし。』

『我らの有利ぞ。』

『四日にかねて、練っている謀をすべからくあまねし、なれど。』

『………………風よ、吹け。
春に生え伸びた若葉を、揺らすがごとく。』

『……とある夏の朝まだきより、呼び寄せよう。』

『魔手にかかり、散った沫雪よ。』

『いずくんぞ、謀反した?』

『哀れなる魂へ安寧を、暫しの仮初の夢を。』

『絡ぐが吉、お前には勿体なかろう?
殺した、アレに関する名など。』

『嗚呼、しかりしかり……お前にこの面をやろう。』

『かからでよき日もあらむものを、心の内こそむざんなり』

『かなしきかな、かなしきかな』

『愛し、愛し。』

雪→『白雪』と闘争済 死亡

正体  『人の仔』

てひきをした故に、侵入者裏切り者と見なされた『かつて人の仔だったモノ』。

『白雪』に取り殺されたが。

何の縁があってか、こうして呼ばれたという訳だな。

『俺は芽を奪う枯らすのが仕事でね。』

『……私は猜疑心を募らせるのが仕事ですよ、貴方とは同じになりたくないので……はぁ。』

常闇にいるは、同色のローブを着たモノ。

其処は決して届かない処。

しかし案内するものが、常に待機している。

斯うて導かれて居なければ、たちどころに取り込まれ悲惨なことと相成るだろう。

豆粒のように遠い処にいるは『同色の面』を、着けた『かの鬼共に魅入られ魅せられたモノ』。

その他に、同様の色をして、面が幾つも幾つも空中に在る。

『やがて『黒いローブ』を着た『モノ』が『かの鬼共に魅入られ魅せられたモノ』の側に、到着する。』

「そうしてしまうと、『黒炎』が『音を立てて』眼前に迫り来るでしょう。』

あなたを逃がさないがために。

にっくきあなた/貴女を。

怨敵であり宿敵/不倶戴天之敵であるからして。

そうして『黒炎』に焼かれて燃えていく毎に、あなたは思い出せなくなっていく。

前の記憶か、もっと前の記憶か、今の記憶か、分からなくなっていく。

『かの鬼共に魅入られ魅せられたモノ』の着物の裾、はたまた黒い面が遠くなってゆく。

「『黒炎』が揺らめいて。』

『行ってしまった方向へ、円を描いていく。』

『まるで意思があるかのように隠す。』

「ゆらゆらと視界が揺らぐ。』

彼らが何処を目指しているのかわたしには皆目見当もつかない。

《我らは幽鬼。》

《探してはならない。》

(達筆な洗練された文字ですが一定の間隔を保ち、綴られていきますね。)

(其処で文字は薄れ、『皆様』は元の木阿弥に戻ります。)

(どうやら元の空間に『皆様』は無事に戻ってきたようですね、おめでとう御座います。)

(ですが、お忘れをなさっているようですが身体が無事だとお思いで?』

『久喜』

『ぎゃぁぁいァァ!いい痛ぇぇぇ!』

はいはい、次行くよー。

(助かります、トゥルスプペーへカシィ。)

『久喜、トゥルスプヘーカシィ』

『嫌っ、嫌……嫌ぁぁあぁああ!』

『あがっ、熱い!俺の身体が……!』

『サングイス』

(彼等は精鋭であり傑物英雄か英傑そのものに、値するのでございます。)

『テンセル』

『首がぁ……っごぽっ……!』

『ベーゼ』

『~~~~~~~~~~』

『素襖』

『ほへ?』

『チーチタックニヌス』

『溶けるっ……!!!私の躯が、やめてよ!やめてっ!嫌……嫌よォォォ!』

『ペレーケ』

『……終了したが続けて監視、拘束頼めるか?』

出たァ!次ぃ……!もう終わってるよ、ペレーケ!

『……流石だな、それでこそ我の伴侶だ。トゥルスプヘーカシィ。』

『楽しみーな』
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