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真。ー詩。ー
回想。ーとある女の子。ー
しおりを挟むーーー膿に到達。ーーー
ーーー回想シーンを開始致します。ーーー
しばらくその声が、ここに不思議な[響き]を孕んでいただけ。
すると星が瞬く程の、間が空いた。
その瞬間に宵闇が揺らめき始め、人の輪郭を形作る。
もしや人の形ではないのだろうと勘ぐるも、無意味には違いない。
まるで親しげなモノの名を呼ぶように、その唇が音を紡ぐ。
『………』
終ぞ、それが音になり届くことはなかったけれど。
『聞いて、聞いて……どうか………』
辺りは真っ暗なのに、どうしてか幼い少女の声が響く。
『………わたしは、あの方だけが欲しかっただけなのだけれど。』
『名を奪われたわたしに、何ができるのか。』
『…………』
一歩進んで、その場で立ち止まる人の姿は。
『……ああ、勘違いなさらないで。』
『あなたにじゃないわよ、あの方の傍にいた___あの坊やに。』
『………ああ、そうして『ここ』に落ちたのだって。』
『……私と、あの人は敗れ。』
『鑑賞しきることなんて、今更だわ。』
『擦り切れたビデオテープを、何度も観るようなものでしょう?』
『あるいは身体を焼くほどの熱に焦がれ、そのままの状態で何ヶ月も生き延びることと同じでしょうし。』
『それに加え、海水に浸らされるの。』
『……ええ、何ヶ月も、一年も、数年間も、ね。』
『……___けれど同様に。』
けれどね。
最後まで見きることは、叶わなかった。
『名を、与えよう。』
『今この時から、お前は……』
意識が戻っていく。
まだ“みえて”いないのに。
まるで拒むように、かつてともに居た『あの方』と少女の姿が。
それは清々しい程、白く染まっていく。
溶け込んで行く刹那、“とある女の子”の姿が。
声がたまゆら耳に届くまで___いくばくもなかった。
純白の闇が、同様にそれを包む。
______異端者の、“あなた”も。
………つまるところ、拒まれているといったものだろうか。
ルーレイア。
夢、理想を阻まれたのならば……そうだな。
その姿をみて『かの理想に囚われたお方』、とでも名乗るがいいだろうよ。
ーーー回想シーンを終了いたします。ーーー
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