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裏。ー影。ー
裏切り。ー映る男性の思惑は何度も。ー
しおりを挟む『頼めるか。』
手短に言って出現したのは、目玉に羽が生えたモノだ。
引き裂かれたであろう羽が美しいな。
王を一目見てから、一つ瞬きをして目線を下に向ける。
すると蝋燭が灯る、青い火がそこにはある。
針艱釁写叉
ゆらりと火が揺れて、目玉に羽が生えたモノはその向こうに____
目を細めたような、素振りを一瞬しか見せなかった。
そうしてその後は。
何も気づかないフリをして。
元の方向を見たな。
鬼火を操り、モニターで映す。
さぞや悔しいだろう、なあ。
そこに映るのは、どこかの草原だろうか。
剣戟音、弾く音に、飛び退く男の後ろ姿があった。
大戦など何度も起こっている。
雲がたなびいている模様が、描かれた『白い面』で顔を隠してわさび色の着物を着た男性が刀で、斬られている所だろうか。
『……祭りを愉しめ、『下郎』。
『清らかな雫が花から再び落つ満ちる時、彼の方の呪詛は解け虚な瓶へ代わるだろう』。』
『_______』……。その度に、悲しみに打ちひしがれていれば万々歳だ。』
『祭りを開催しよう、俺達が堕ちるかお前たちが堕とされるかの。』
『俺達の【人間】が堕ちるか、お前たちの『人の仔』共が堕とされるか。
……「愉快」で『美しい』祭りを!』
お前たちの、寵愛を受けた一族よ。
『青色のフード』が前から攻撃してきますね。
(……『青色』のフードがあっという間に地面に叩きつけられ、片膝で抑えられ制圧されます。
…すると少し離れた所で『群青色』のフードが、武器を持っていない手で頭を抑え始めますなァ。
まだ武器を持っているようですが、『貴女』の身体を片膝で押さえているようでまだ武器が離れはしませんね。)
『じわじわと侵食されていっているのか、破壊されているのか私達には分かりませんね、ふふふ。』
『…あァ、『白い面』が『黒い面』に変わっていきますねェ。』
『まだ『抗う』つもりですかィ?『群青色』のフードサマ?』
(『配下様』方、『狐達』、『皆様方』は武器を構えることなく、ゆったり何処かで寛ぎ『群青色』のフードに視線を投げるのみです……。)
『一寸、待てよ。』
『そこの奴ら。』
『………………………【久方ぶり】だなぁ?
【影狼】……、今世はこれが初めてだな?』
『それじゃ包まれろ。』
逃亡もせず戦闘している所にまるで、阻むかのように。
何処かから……そうですね……。
「秘色」の炎の中から、聞こえてきますね。
地の底から響くような低い声が、微かに致しました。
「秘色」の炎が一部揺らめき、ざわざわと動き、道のように退くと、『黒い業火』へと変貌いたします。
【咲怨ー曙如是鼠】
「影狼」でなく、シルエットの方の『影狼』へと「秘色」の炎が、五十ほどの円を描きながら。
収束するかのように向かっていき、その姿が燃えて行きますね。
『諦めて受けましょう、貴方の不始末なのですから。』
『………これはこれは、『愉快』だな。
……もっと愉しみたかったが。』
『今世はお開きだ、また遇えたならその時は、強引にでも奪い取ろう。』
ふわり、と浮遊し男性の手に収まったものあった。
それはとても美しく、氷の結晶のように輝いている花だ。
それから、『ハナズオウ』の花が浮遊してきた。
ひとつ空いている方の手を、持ち上げ動かした後に。
その花を慈しむように、指でさらりと撫でた。
流れるように黒い業火で隠されていくところを、最後まで映さないままに。
そこで映像は終わった。
ペットは再びひとつ瞬きをして、浮遊をし移動したようだ。
何一つ鳴かないで、王の傍に控えている『サリーミン』の肩に乗った。
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