可笑しな漫画家が異世界転生した模様。ーただの神様達と神獣や少女で漫画家を困らせるようです。ー

訪れるか否か。ー口利き。ー

ああ。………そうだった。
すっかり忘れていた、今宵は明けることの無かった「明けない夜」だな。

……………さて、この状況下で『主彼等様方』に赦していただけはしないだろうことは確定したわけなのだが。

左側にいる「シルエットのみ」の『白い面』を、着けた男性も恐れ多くてそれを告げられそうにない。
真ん中にいる「シルエットのみ」の『黒い面』を、着けた男性も恐れ多くそれを告げられそうにない。
右側にいる「シルエットのみ」の『白い面』を、着けた男性も恐れ多くそれを告げられそうにない。

言い訳はしないことにした。
御三方の視線は外されることなく。

『私達があなたを呼んだ理由は、お分かりになられますね？』

左の男性が、そう静かに囁くような声量で仰った。

一瞬ではあったが、それ以前から沈黙が流れている。
そのためにそれ以降の、そう。
只管に沈黙が辛いのである。

『………はい、充分に。』

私の名前か、その内に判明することとなるだろう。

黒と赤の混ざった二尺ほどの翼を出現させ、軽く翼を動かし深く礼をした。

『それならばあなたは、私達の処へ着いておいでなさい。』

『………仰せのままに、主様。』