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シニカル。ー神の対死病ー

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「あぁ~っっ!!!
イライラするイライラするイライラするイライラするイライラする!!!!
今回の件、彼奴に横取りされた!!!!!!」って誰の事だよ!
あ~…めんどくせぇな。

『お前らしくも無い。どうした?』
ナイス助け舟。
「いやー、それがお前に関係ある?ないよな?『黙っとけ』!!」
『…………………』
ええー……。
此奴、力技すぎないか。
まあでも、少し連れ出すか~…。

「少し休憩に付き合え。」
立ち上がって、誘ってみる。
「えーさあ!お前のように世渡りできない、惨めな俺を笑うつもりじゃない????」
……ふぅん、いい度胸じゃないか。
「そこまで言うのなら、『少年』を呼び寄せてみるか?」
『何者か』は、腕組みをし面倒くさそうに言った。

「彼奴を呼び寄せるってのか!!」
「ジョーダン、跡が怖ぇから却下させてもらう。アイツだけならまだしもお前が騒ぐと、煩いからに決まってるだろうが。」
「なら最初からそう言え!!!!!!」
激怒しているようだ。
「そんなんだから敬遠されんだよ、お前。」
「なっ……!!お前と言う奴は!!!」
あー、やっぱめんどくせぇわ。
もう片方が立ち上がり、歩きながら『何者か』達は言い合いをし続けた。
その末に廊下に出る。
『…………………』
顔の見えない『何者か』は、扉の方に黙したまま視線を送るのみだ。

「あー、そこまでにして?そろそろ給ぐぞ?」
「……お前と言う奴は、はぁー。
暫く経ったが観光客に目をつけられても、不満なんぞ湧かない。」
「お前はそういう奴だと、分かってるから安心しろって。……。」
「其奴らより『彼奴』とやらが、鬱陶しいんだろう???」
「さてな、どうしようと俺の勝手だ。
めんどくせぇが。」
怠惰である。面倒くさがりである。ただ、種類が違うだけで。
彼は、『彼』を倦厭、否。
嫌怨している。嫌厭している。
彼は甚う自覚などないが。

さて、少し整理をしよう。
ここはとある研究所。
名も無き研究所。
森の近くにこれを構えている訳だが、「彼ら」はその建物の研究員ではない。
そこに問題なく出入りできる時点で、特殊な判別型のキーアイテムが支給されている、と分かる。
それがあるはずだが、巧妙に隠匿しているようだ。

「○×、処分されはしないな。」
「「彼奴」の“お人形さん”だからな。まあ、助かるが。」
すると彼の隣にいる『男性』が、にべもなく告げた。
それに対して淡々と返答したその声には、嘲笑と僅かな嫌悪が混ざっていた。
思い出したのだろうか、【何か】を。
『彼』が言ったというのに、自らの手で自らの墓穴を掘ったようなものだ。

ーーー男性のノイズへ到達。ーーー

ーーーこれより、シーン変更となります。ーーー

『愚か者。』

そう淡々と告げた『何者か』の声がした。

見下ろしているようで、頭はほんの僅かに下がっている。

それは落胆を示しているように見えた。

その声は低く、男性だと見受けられる。

視線を感じる。
鋭利な視線だ。

『何者か』は言葉を零していく。
その言葉の一つ一つが容赦なく彼を切り裂く。

……空気が重い。
『何か言いたい事はあるか?』

だがそのように制定した覚えは無い。

『……いえ、ございません。』
更に空気が重くなり、胸が軋む。

身体が軋む。

……『何者か』は、そのまま動かずに言葉を発した。

『つまらぬ、“ひとかた”をひろうて戻る。』

そうしてそばにあるテーブルの上に、置いてある「グラス」をつまむ仕草をした。

……もしや「ワイングラス」だろうか。

すると、『何者か』が消えた。
その代わりに人形が出現した。

人形がぎこちない動きをして、一瞬の間も経たずに逃走する時間も“反撃する時間も与えられることなく”、目の前まで迫ってきた。

そうして、『彼』は『何者か』のいる処から追い出されたのだけれど。

ーーー男性のノイズと回想シーン終了及び、元のシーンへ戻ります。ーーー

「対死病」というものを患ったようだ。
『とは言うものの、病の一種だと侮るなかれ。』
と“誰か”が言った。
『災害と、呪いの全てを同一視してはならない。』
『その判断を誤ると後戻りはできやしないよ、確かに忠告したからね?坊や。』
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