78 / 269
シニカル。ー神の対死病ー
しおりを挟む「あぁ~っっ!!!
イライラするイライラするイライラするイライラするイライラする!!!!
今回の件、彼奴に横取りされた!!!!!!」って誰の事だよ!
あ~…めんどくせぇな。
『お前らしくも無い。どうした?』
ナイス助け舟。
「いやー、それがお前に関係ある?ないよな?『黙っとけ』!!」
『…………………』
ええー……。
此奴、力技すぎないか。
まあでも、少し連れ出すか~…。
「少し休憩に付き合え。」
立ち上がって、誘ってみる。
「えーさあ!お前のように世渡りできない、惨めな俺を笑うつもりじゃない????」
……ふぅん、いい度胸じゃないか。
「そこまで言うのなら、『少年』を呼び寄せてみるか?」
『何者か』は、腕組みをし面倒くさそうに言った。
「彼奴を呼び寄せるってのか!!」
「ジョーダン、跡が怖ぇから却下させてもらう。アイツだけならまだしもお前が騒ぐと、煩いからに決まってるだろうが。」
「なら最初からそう言え!!!!!!」
激怒しているようだ。
「そんなんだから敬遠されんだよ、お前。」
「なっ……!!お前と言う奴は!!!」
あー、やっぱめんどくせぇわ。
もう片方が立ち上がり、歩きながら『何者か』達は言い合いをし続けた。
その末に廊下に出る。
『…………………』
顔の見えない『何者か』は、扉の方に黙したまま視線を送るのみだ。
「あー、そこまでにして?そろそろ給ぐぞ?」
「……お前と言う奴は、はぁー。
暫く経ったが観光客に目をつけられても、不満なんぞ湧かない。」
「お前はそういう奴だと、分かってるから安心しろって。……。」
「其奴らより『彼奴』とやらが、鬱陶しいんだろう???」
「さてな、どうしようと俺の勝手だ。
めんどくせぇが。」
怠惰である。面倒くさがりである。ただ、種類が違うだけで。
彼は、『彼』を倦厭、否。
嫌怨している。嫌厭している。
彼は甚う自覚などないが。
さて、少し整理をしよう。
ここはとある研究所。
名も無き研究所。
森の近くにこれを構えている訳だが、「彼ら」はその建物の研究員ではない。
そこに問題なく出入りできる時点で、特殊な判別型のキーアイテムが支給されている、と分かる。
それがあるはずだが、巧妙に隠匿しているようだ。
「○×、処分されはしないな。」
「「彼奴」の“お人形さん”だからな。まあ、助かるが。」
すると彼の隣にいる『男性』が、にべもなく告げた。
それに対して淡々と返答したその声には、嘲笑と僅かな嫌悪が混ざっていた。
思い出したのだろうか、【何か】を。
『彼』が言ったというのに、自らの手で自らの墓穴を掘ったようなものだ。
ーーー男性の膿へ到達。ーーー
ーーーこれより、シーン変更となります。ーーー
『愚か者。』
そう淡々と告げた『何者か』の声がした。
見下ろしているようで、頭はほんの僅かに下がっている。
それは落胆を示しているように見えた。
その声は低く、男性だと見受けられる。
視線を感じる。
鋭利な視線だ。
『何者か』は言葉を零していく。
その言葉の一つ一つが容赦なく彼を切り裂く。
……空気が重い。
『何か言いたい事はあるか?』
だがそのように制定した覚えは無い。
『……いえ、ございません。』
更に空気が重くなり、胸が軋む。
身体が軋む。
……『何者か』は、そのまま動かずに言葉を発した。
『つまらぬ、“ひとかた”をひろうて戻る。』
そうしてそばにあるテーブルの上に、置いてある「グラス」をつまむ仕草をした。
……もしや「ワイングラス」だろうか。
すると、『何者か』が消えた。
その代わりに人形が出現した。
人形がぎこちない動きをして、一瞬の間も経たずに逃走する時間も“反撃する時間も与えられることなく”、目の前まで迫ってきた。
そうして、『彼』は『何者か』のいる処から追い出されたのだけれど。
ーーー男性の膿と回想シーン終了及び、元のシーンへ戻ります。ーーー
「対死病」というものを患ったようだ。
『とは言うものの、病の一種だと侮るなかれ。』
と“誰か”が言った。
『災害と、呪いの全てを同一視してはならない。』
『その判断を誤ると後戻りはできやしないよ、確かに忠告したからね?坊や。』
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
*****************************
***毎日更新しています。よろしくお願いいたします。***
*****************************
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
異世界でネットショッピングをして商いをしました。
ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。
それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。
これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ)
よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m
hotランキング23位(18日11時時点)
本当にありがとうございます
誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…
小桃
ファンタジー
商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。
1.最強になれる種族
2.無限収納
3.変幻自在
4.並列思考
5.スキルコピー
5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。
豪華地下室チートで異世界救済!〜僕の地下室がみんなの憩いの場になるまで〜
自来也
ファンタジー
カクヨム、なろうで150万PV達成!
理想の家の完成を目前に異世界に転移してしまったごく普通のサラリーマンの翔(しょう)。転移先で手にしたスキルは、なんと「地下室作成」!? 戦闘スキルでも、魔法の才能でもないただの「地下室作り」
これが翔の望んだ力だった。
スキルが成長するにつれて移動可能、豪華な浴室、ナイトプール、釣り堀、ゴーカート、ゲーセンなどなどあらゆる物の配置が可能に!?
ある時は瀕死の冒険者を助け、ある時は獣人を招待し、翔の理想の地下室はいつのまにか隠れた憩いの場になっていく。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる