可笑しな漫画家が異世界転生した模様。ーただの神様達と神獣や少女で漫画家を困らせるようです。ー

名もなき悪魔の憂楽と降り注ぐ星々。ー赫夜の裏切り者ー

ああ、星々が綺麗だ。
『あの時』と同じように『降り注ぐ』このような悪い日だと、少々鬱憤を晴らしたくなる。
………『アリア』と俺たちは、あの後『野宿』をした。
しめて、あと三日だろうな。
『あの調子』だと、寝ずの番を熟すばかりだ。
金はあるが、使わないようだから。
…………それで。

『そこに居るのは、『フィピリカ』か。』
『ご明察だとも、『かの名もなき悪魔』とやら。』
『あんな丘に、しかもそこをはずれて寂れた所にいるとはね、探したよ。』
『…………よく言う、探知していたのだろう？』
心地よい風が吹くその森の、奥。
更に『かの名もなき悪魔』は何かを寂れた草原の草むらに置く。
それを見届けると、『フィピリカ』と呼ばれた者は笑って言った。
『そうだよ、僕は君たちを探知していた。
けれど、僕の仕入れた情報を入手したのちに『逆賊』を殺してくれるとは思わなかった！
だから手間が省けたよ、それじゃあそのお礼に『見届けよう』じゃあないか！』
『…………それはそれは、いい事だ。』

………おめでとう、後にかの裏切り者で赫夜を導いた諜報員と言われる御方。
君の益々の活躍を期待しているだろう、『世界』が。

けれど、フィピリカが「認められる」のはまだ遠い「先」になる。