可笑しな漫画家が異世界転生した模様。ーただの神様達と神獣や少女で漫画家を困らせるようです。ー

影狼

文字の大きさ
上 下
39 / 301

懐かしい友で親友であった神との出会い。ー始まりと終わりの邂逅です。ー

しおりを挟む
とある草原で、懐かしい友と出会った。
今は黒いフードを被っているようで両側にスカビオサと黒いチューリップが彫ってある、黒いガスマスクに加工したかのような面をつけていて、前髪が長くなったのか目が見えない上に顔が判らない。
『…………まさか、お前か?
『                                                      』……。
探していたぞ、ずっとずっと……。
何処にいた?
何故俺の前から消えた?
だがその前に謝らなくてはならないな、
すまなかった。
言い訳をする気は無いよ、『                             
                           』。
だから、安心するといい。
俺は逃げないさ。』
そう言って土下座した彼は、暫くして立ち上がると力を抜き棒立ちになりました。

ーーーもう一方の方に参ります。ーーー

彼は、武器を持ったのか構えて縦横無尽に走り出し身体の回転を生かしながらかの方に向けて、切り刻もうとして切り込みます。
『言っただろう?俺は逃げないさ、と。』
耳元で囁かれます。
切り刻んだはずの身体は、靄に包まれ溶け込んでいたのですから彼は驚いて退きました。
『……………さて、お前はだれなのかな?』
背筋と首筋が冷たいものに触れられたかのように冷たくなります。
彼は無事では済まなくなるでしょう。
その言葉に、応えたなら。
皆様のご明察通りに、彼は今首と背筋に両手をかけられ抱きすくめられておられる形になります。
『…………ほら、余計なことは言わないでおくから……ね。』
刹那彼の首が、もぎ取られ何も言わぬ骸になった後のことでした。
ですから青い薔薇が周りの草原に音沙汰もなく、咲きます。
青い薔薇の花言葉は『不可能』、『夢叶う』、『奇跡』と言いますから……。

ふふ。

ーーーかの方の容姿説明に参ります。ーーー

黒い面をつけていて両側にスカビオサとプリムラ・ポリアンサゴールドレースの花が彫ってあり、周りに百足と髑髏が蠢いているような……まるで生きているかのように彫ってあったのですね。
黒いフードを被っており、前髪で眼は見えません。
元より面で隠れているのですが、『一応、な。』と仰っていたのを思い出しました。
『……………………おい。』
脱線致しましたね、申し訳ありません。
彼が指を鳴らすと、花たちが彼の周りに飛んできます。
スカビオサと白い薔薇やタッカ・シャントリエリの他にもオダマキ(苧環)と申します。
それらの花の他にもありますが、残念ながら省略させていただきます。

腰にぶらさがっているのはこの世界の中には、他に恐らくないカンムナギ属の薬草を縛っている麻袋をかの方が漁っているところでございました。
他に着ていらっしゃるのは、フードには完全に合わないであろう黒色と藍色が混ざっている着物でした。

それらが更に合っていてとてもいいと思いました。
フードがなければ更に似合っていたのですが、残念です。

はぁ、それが嘆かわしいです。

ーーー容姿説明を終了致します。ーーー

『………………………………………………くどいぞ、お前。』
冷たい視線の降り注ぐ先にいるは、先程それごともぎ取ったはずの黒い面をつけているモノでございます。
頭上から降り注ぐ刀剣を全て受け流しきれずに、いくらか被弾したようですが致命傷には至りません。
先程のモノとは違うモノのようですが、彼らは油断しません。
『…………頼むぞ、『朱々璃』……。』
『………………………………。』
姿の見えぬモノが確かに其処におりました。
銀の装飾を施した、トラビッチェトパーズの刀身が美しいナイフをかの方と姿の見えぬモノが同時に取り出しました。
それからそれを、三万ほど複製して縦横無尽にまるで自らの手足のように慣れた様子で操ると、それぞれが自由にダンスを踊っているかのように彼らの身体を切り刻みました。

彼らは、一旦退きました。

ーーー闘舞を終幕致します。ーーー

『……………………。』
姿の見えぬモノは、忽然と消えていました。

はあ、あの方にも困りましたね。
……嘆かわしいです。
さて、そんなところで……。
彼は消えてしまいましたよ。
………………………………さあ?かの方は、自由奔放ですからね。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?

山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。 2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。 異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。 唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜 

八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。 第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。 大和型三隻は沈没した……、と思われた。 だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。 大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。 祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。 ※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています! 面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※ ※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~

芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。 駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。 だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。 彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。 経験値も金にもならないこのダンジョン。 しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。 ――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?

処理中です...