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第197話 第三王子は王太子に任命される!
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みんなの顔を見ると、どうしても悪役顔に見えてしまう…… 唯一の天使はエリスの微笑みだと感じる『シュウ』です。
母上がみんなの疲労を心配しているのか、
「明日の事もあるから、みんなはゆっくりと休んで頂戴。明日は…… 全開MAXフルパワー出すんだからでゆっくり休んでね。私は『ゆっくり実況解説』をするから。みんなもどんな実況解説になるか、楽しみにしててね」
――母上からとんでも発言にドン引きになってしまった。母上もやる気満々じゃないか!
「楽しみにしているぞ! セリーナ」
「「「「「クッ ククククククッ」」」」」
――なんなのこの人達。国でも滅ぼす気か! エリスを見ろよ。エリスを! エリスもドン引きしてるじゃないか!
◇
――翌日
王宮の広い庭園にすべての王族と貴族が集められた。まあ、謁見の間に全員入りきらないからしょうがないけど。
「エリス、凄い警備体制だね。近衛兵をはじめ軍の関係者まで警備に配置されてるよ」
「それだけ、お義父様とお義母様の今日にかける意気込みを感じるわね」
しばらくすると、父上と母上が庭園に姿を現した。僕たちは臣下の礼をもって迎える。
「皆の者、国王陛下の御前である。面をあげよ」
誰も頭を上げない。一度目の許しでは頭を上げてはいけないルールなのだ。
「皆の者、面をあげよ!」
「「「ヒャッハー」」」
二度目の許しではじめて頭を上げる。
「皆の者、良く集まってくれた。早速だが、大事な話しをさせてもらう。本日、同盟国でもあるアルラサンド王国からパワーネット公爵夫妻をお招きした。今、アルラサンド王国では、魔導具と呼ばれる不思議な道具が国中に広まっていると聞いている。皆の者も噂は聞いておると思うが、この魔導具を我がフロンシニアス王国にも広めたいと思っておる。これは、私の判断であり、決定事項だ!」
周りに居た貴族たちは魔導具の噂は聞いていただろうが、実物を見たことは無い。アルラサンド王国から他国へ流出しないように徹底的に流出防止を施していた為だ。なんせ認定された取付け技士以外が取り外そうとすると爆発するようにしてあるが、アルラサンド王国では一度も爆発事故の報告は受けていない。国民がしっかりとルールを守っているということなのだ。
「パワーネット公爵殿、皆に魔導具の一部を見せてはくれないだろうか?」
「ハッ。今ここに! これを皆の前に配置してくれるか?」
「ハッ。」
事前に打ち合わせをしていたのだろう。スムーズに衛兵たちがが父上たちの前と何か所か貴族たちの前に照明器具を配置した。
「では、始めさせていただきます。この魔導具は照明器具と言って蝋燭よりも室内を明るくする道具であります。火は一切使用していないため火事になる心配もがざいません」
マリーパパはそう言って、照明器具のリモコンのスイッチを入れた。照明器具が光り始めた瞬間。
「おお、勝手に光始めたぞ!」
「ああっ!? これはなんてことだ! 光っているぞ!」
「蝋燭より明るいとは…… しかも、嫌な匂いもしないぞ」
「夜になったらもっと明るく感じるのではないか?」
「アルラサンド王国ではこれが普通に使われているのか! アルラサンド王国の技術力は我がフロンシニアス王国より上だと言うのか?」
「中に蝋燭でも仕掛けているのでは?」
貴族たちは自分たちの目の前で実際に魔導具が動いているのを見て、驚嘆する者、何か仕掛けがあるのではないかと疑う者、それぞれ違う反応をみせた。
「パワーネット公爵殿。もうよいぞ。皆の者、私はこの魔導具を王宮に導入しようと思うが、当然反対意見は認めない! もし反対意見のある者は前に出よ! 反逆者として、私自ら粛清を行う!
「「「……………………」」」
――父上。あそこまでハッキリと言っちゃあ誰も反対意見なんて言えないよ……
「王宮魔導具が導入された時は、国民に対して一般公開とする」
「国王陛下! 発言よろしいでしょうか?」
「発言を許す」
「ハッ。 国民に対して王宮内を一般公開されるとのことですが、それでは、王族の品位というものが……」
「うむ、貴行の言いたいこともわかるが、今、このフロンシニアス王国は改革を求めておる。国民は新しい世を求めておるのだ。その為の一般公開だ! わかってくれるな?」
「ハッ」
「さて、先日だが、アルラサンド王国に留学していたロッシュウが帰国した…… ロッシュウよ。前に!」
「ハッ」
僕は父上の前へ進んだ。
「皆の者。よく聞け!! これより、次期アルラサンド王国国王となる王太子を任命する…… その者は……」
「「「……………………」」」
「――第三王子、ロッシュウ・ニオ・アルパトスとする!!」
「「「――――!?!?」」」
母上がみんなの疲労を心配しているのか、
「明日の事もあるから、みんなはゆっくりと休んで頂戴。明日は…… 全開MAXフルパワー出すんだからでゆっくり休んでね。私は『ゆっくり実況解説』をするから。みんなもどんな実況解説になるか、楽しみにしててね」
――母上からとんでも発言にドン引きになってしまった。母上もやる気満々じゃないか!
「楽しみにしているぞ! セリーナ」
「「「「「クッ ククククククッ」」」」」
――なんなのこの人達。国でも滅ぼす気か! エリスを見ろよ。エリスを! エリスもドン引きしてるじゃないか!
◇
――翌日
王宮の広い庭園にすべての王族と貴族が集められた。まあ、謁見の間に全員入りきらないからしょうがないけど。
「エリス、凄い警備体制だね。近衛兵をはじめ軍の関係者まで警備に配置されてるよ」
「それだけ、お義父様とお義母様の今日にかける意気込みを感じるわね」
しばらくすると、父上と母上が庭園に姿を現した。僕たちは臣下の礼をもって迎える。
「皆の者、国王陛下の御前である。面をあげよ」
誰も頭を上げない。一度目の許しでは頭を上げてはいけないルールなのだ。
「皆の者、面をあげよ!」
「「「ヒャッハー」」」
二度目の許しではじめて頭を上げる。
「皆の者、良く集まってくれた。早速だが、大事な話しをさせてもらう。本日、同盟国でもあるアルラサンド王国からパワーネット公爵夫妻をお招きした。今、アルラサンド王国では、魔導具と呼ばれる不思議な道具が国中に広まっていると聞いている。皆の者も噂は聞いておると思うが、この魔導具を我がフロンシニアス王国にも広めたいと思っておる。これは、私の判断であり、決定事項だ!」
周りに居た貴族たちは魔導具の噂は聞いていただろうが、実物を見たことは無い。アルラサンド王国から他国へ流出しないように徹底的に流出防止を施していた為だ。なんせ認定された取付け技士以外が取り外そうとすると爆発するようにしてあるが、アルラサンド王国では一度も爆発事故の報告は受けていない。国民がしっかりとルールを守っているということなのだ。
「パワーネット公爵殿、皆に魔導具の一部を見せてはくれないだろうか?」
「ハッ。今ここに! これを皆の前に配置してくれるか?」
「ハッ。」
事前に打ち合わせをしていたのだろう。スムーズに衛兵たちがが父上たちの前と何か所か貴族たちの前に照明器具を配置した。
「では、始めさせていただきます。この魔導具は照明器具と言って蝋燭よりも室内を明るくする道具であります。火は一切使用していないため火事になる心配もがざいません」
マリーパパはそう言って、照明器具のリモコンのスイッチを入れた。照明器具が光り始めた瞬間。
「おお、勝手に光始めたぞ!」
「ああっ!? これはなんてことだ! 光っているぞ!」
「蝋燭より明るいとは…… しかも、嫌な匂いもしないぞ」
「夜になったらもっと明るく感じるのではないか?」
「アルラサンド王国ではこれが普通に使われているのか! アルラサンド王国の技術力は我がフロンシニアス王国より上だと言うのか?」
「中に蝋燭でも仕掛けているのでは?」
貴族たちは自分たちの目の前で実際に魔導具が動いているのを見て、驚嘆する者、何か仕掛けがあるのではないかと疑う者、それぞれ違う反応をみせた。
「パワーネット公爵殿。もうよいぞ。皆の者、私はこの魔導具を王宮に導入しようと思うが、当然反対意見は認めない! もし反対意見のある者は前に出よ! 反逆者として、私自ら粛清を行う!
「「「……………………」」」
――父上。あそこまでハッキリと言っちゃあ誰も反対意見なんて言えないよ……
「王宮魔導具が導入された時は、国民に対して一般公開とする」
「国王陛下! 発言よろしいでしょうか?」
「発言を許す」
「ハッ。 国民に対して王宮内を一般公開されるとのことですが、それでは、王族の品位というものが……」
「うむ、貴行の言いたいこともわかるが、今、このフロンシニアス王国は改革を求めておる。国民は新しい世を求めておるのだ。その為の一般公開だ! わかってくれるな?」
「ハッ」
「さて、先日だが、アルラサンド王国に留学していたロッシュウが帰国した…… ロッシュウよ。前に!」
「ハッ」
僕は父上の前へ進んだ。
「皆の者。よく聞け!! これより、次期アルラサンド王国国王となる王太子を任命する…… その者は……」
「「「……………………」」」
「――第三王子、ロッシュウ・ニオ・アルパトスとする!!」
「「「――――!?!?」」」
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