上 下
118 / 211

第117話 第三王子はあいさつに立ち会う!

しおりを挟む
ソフィアちゃんには辛辣なお言葉とエリスからはダメ押しのお言葉を賜りました『シュウ』です。実は知っていたんですよ。僕がオセロやチェスなどテーブルゲームが弱いことを! シクシク(泣)


お母上様達がお風呂から上がるまでの時間、暇をもて余した僕らはテーブルゲームをしながら時間潰していると、お母上様達がお風呂から上がって来た。


「いや~ マルクス! 予想以上の気持ち良さだった! これを知ったら今までの湯浴みなどには入れないな」

「そうだろ、そうだろ。我が家の自慢の銭湯だからな」

「そうね。それは言えてるわ。お肌もツルンツルンになるし、ハンマー、是非屋敷にも銭湯が欲しいわね」

「ああ、そうだな。銭湯があれば、屋敷の者達も喜ぶだろう」

「ええ、そうね。エアリスさん、銭湯作ってもらえるよう魔物さん達に口添えしてもらえないかしら?」

「それは、大丈夫よ。あの魔物ひと達も喜んで協力してくれると思うわ」

「良かった~。これからいろいろ楽しみね。あと、例のお茶会の件もよろしくね」

「父上と母上の名前にも伝えておくわ」

「まさか、王国名の国王王妃両陛下とお知り合いだったなんて、お会いするのが楽しみだわ」


――今、父上と母上の名前が聞こえたぞ! と言うことは父上と母上もまた来るってことか? また、とんでもない茶番の予感…… 母上の狂人をまた目にしなければならないのか…… 憂鬱だ……



「あとは、魔物さん達のところまでエリス達が案内してくれると思うから先に向かってて、私たちも用事を済ませたらそちらに向かうわ」

「ええ、待っているわね」

お母上様、お父上様はすっかりマリーパパ、マリーママと仲良くなったみたいで良かった。やっぱり人間関係の潤滑油はお風呂だよなぁ…… 裸の付き合いかぁ…… 学院に入ってから仲間とのガチの水浴びしかなかったからな。学院にも銭湯作りたいよな……


「そろそろ、お父様出かけませんと魔物のみなさんが首を長くして待ってると思いますよ」

「おお、そうであった。あまり待たせるのも失礼だからな。では、マルクス。先に行ってるぞ」

「ああ、すぐに私達も行くからな」







エリスの転移魔法テレポートで、農村部まで来ました!

あそこに見えるのは、ビアンカさをんはじめ村の人々とサムソン達、二号生のみんなだった。


愛嬌の良いリンリンさんが、

「これは、これは。良くおいでになられました。パワーネット公爵殿、奥方様。私達はみなさんのところで言うと魔物の部類になりますので。気分が優れないと言うのであれば、その時はお申し出下さい……」

リンリンはペコリと頭を下げた。

「丁寧なご挨拶頂きありがとうございます。皆様にはいつもマリーがお世話になってなっているようで感謝しております。私がマリーの父親のハンマー・オーガ・パワーネット。隣におりますのが、我が妻の」

「エミー・ネグレクド・パワーネットです。皆様にはお会い出来ましたこと光栄に存じます。娘、マリー共々よろしくお願いいたします」

マリーパパとマリーママはみんなにお辞儀をした。

わたくしはパワーネット家で家令を務めております。ゴリー・サンチョストです。良しなにお願いします」

ゴリーさんもお辞儀をしていた。マリーパパが、

「まあ、堅苦しい挨拶もここまでで、私のことはマリーパパと呼んでくれ」

「え~と、私はマリーママでお願い」

「ゴリーでお願いします」


ハルタンのみんなはマリーパパの公爵らしくないというかあまりにも気さくすぎて、呆然としていた。

マリーが、

「ちょ、ちょっと、みんな起きて! 公爵だからといって畏まることは無いからね。ここ(ハルタン)じゃ、貴族とか爵位とか関係ないから、みんなもそのつもりでお願い!」

我に返ったみんなは、

「あまりにも気さくすぎてブルースかと思ったぞ」

「よろしく頼むぜ! マリーパパさんよ」

「マリーママもよろしくね」

等々みんながマリーパパとマリーママを囲んで、ワイワイやっていた。


マリーパパとマリーママには、マリーが事前に魔物さん達の特徴、性格など詳しく説明をしてくれていたので、すんなりみんなの輪に入ることが出来た。あとは、マリーパパとマリーママの何でも受け入れてくれる器があってのことだろう…… 僕もこういう器になりたいと思う……


「ところで、マリーから聞いてたのだが、相撲出来ると聞いていたが、今から相撲は取れるだろうか?」

サムソンさんがマリーパパに

「おっ? 相撲に興味があんのかい? この前、相撲大会をしたばっかりだからよ、すぐにも出来るぜ! ちょうど、二号生の連中が、相撲、相撲ってうるさくてよ。まだ土俵を壊してなかったんだよ。んじゃ、マリーパパとマリーママの歓迎会で相撲大会でもやるか?」

リンリンさんが、

「マリーママも相撲、やってみない? 面白いわよ。これもハルタンの名物だから体験した方が良いわよ」

「エッ!? 私も……」

「私も出るから一緒にやってみましょうよ。お母様!」

「マリー、あなたが言うんじゃしょうがないわね。良いわ、女は度胸! まかせなさい!」

「やったー! お母様も参加するって!」

「じゃ、大会前にマリーパパとマリーママはこっちに来てくれ。ルールとかレクチャーするからよ」

「おお、よろしく頼む」

「サムソンさん、よろしくね」


僕たちはサムソンさんと分かれ、土俵の不具合がないか点検整備をした。いつでも準備万端! いつでも来い!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな

カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界 魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた 「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね? それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」 小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く 塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう 一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが…… ◇◇◇ 親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります (『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です) ◇◇◇ ようやく一区切りへの目処がついてきました 拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです

間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜

舞桜
ファンタジー
 初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎  って、何故こんなにハイテンションかと言うとただ今絶賛大パニック中だからです!  何故こうなった…  突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、 手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、 だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎  転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?  そして死亡する原因には不可解な点が…  様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、 目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“  そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪ *神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのかのんびりできるといいね!(希望的観測っw) *投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい *この作品は“小説家になろう“にも掲載しています

満腹令嬢は料理がしたい ~こんな貧乏臭い料理など食えるか! 婚約者に手料理を罵倒され、料理を禁止された私。約束を守るため家出を決意しました~

日之影ソラ
ファンタジー
とある貴族令嬢のシスティーナは、母親の影響で料理が大好きだった。そんな母親が病気で亡くなる時、いつまでも料理が好きでいることを約束する。 月日は流れ、大きくなった彼女は今も料理が大好きだった。ある日、婚約者にお願いされて手料理を振る舞う。しかし、料理を見た婚約者が怒り出す。 「こんな貧乏くさい料理が食べられるか! 僕を馬鹿にしているのか!」 このことをきっかけに関係は破綻、婚約も破棄されてしまう。大好きな料理を否定され、家からも追い出されそうになった彼女は決意する。 料理を続けるために家を出ることを。 これは元令嬢の料理人が、本当の居場所を見つけるまでのお話。

私は逃げます

恵葉
ファンタジー
ブラック企業で社畜なんてやっていたら、23歳で血反吐を吐いて、死んじゃった…と思ったら、異世界へ転生してしまったOLです。 そしてこれまたありがちな、貴族令嬢として転生してしまったのですが、運命から…ではなく、文字通り物理的に逃げます。 貴族のあれやこれやなんて、構っていられません! 今度こそ好きなように生きます!

退屈な人生を歩んでいたおっさんが異世界に飛ばされるも無自覚チートで無双しながらネットショッピングしたり奴隷を買ったりする話

菊池 快晴
ファンタジー
無難に生きて、真面目に勉強して、最悪なブラック企業に就職した男、君内志賀(45歳)。 そんな人生を歩んできたおっさんだったが、異世界に転生してチートを授かる。 超成熟、四大魔法、召喚術、剣術、魔力、どれをとっても異世界最高峰。 極めつけは異世界にいながら元の世界の『ネットショッピング』まで。 生真面目で不器用、そんなおっさんが、奴隷幼女を即購入!? これは、無自覚チートで無双する真面目なおっさんが、元の世界のネットショッピングを楽しみつつ、奴隷少女と異世界をマイペースに旅するほんわか物語です。

亡き妻を求める皇帝は耳の聞こえない少女を妻にして偽りの愛を誓う

永江寧々
恋愛
二年前に婚約したばかりの幼馴染から突然、婚約破棄を受けたイベリス。 愛しすぎたが故の婚約破棄。なんとか笑顔でありがとうと告げ、別れを終えた二日後、イベリスは求婚される。相手は自国の貴族でも隣国の王子でもなく、隣の大陸に存在する大帝国テロスを統べる若き皇帝ファーディナンド・キルヒシュ。 婚約破棄の現場を見ており、幼馴染に見せた笑顔に一目惚れしたと突然家を訪ねてきた皇帝の求婚に戸惑いながらもイベリスは彼と結婚することにした。耳が聞こえない障害を理解した上での求婚だったからイベリスも両親も安心していた。 伯爵令嬢である自分が帝国に嫁ぐというのは不安もあったが、彼との明るい未来を想像していた。しかし、結婚してから事態は更に一変する。城の至る所に飾られたイベリスそっくりの女性の肖像画や写真に不気味さを感じ、服や装飾品など全て前皇妃の物を着用させられる。 自分という人間がまるで他人になるよう矯正されている感覚を覚える日々。優しさと甘さを注いでくれるはずだったファーディナンドへの不信感を抱えていたある日、イベリスは知ることになる。ファーディナンドが亡き妻の魂を降ろそうとしていること。瓜二つの自分がその器として求婚されたことを。 知られていないと思っている皇帝と、彼の計画を知りながらも妻でいることを決めた少女の行く末は──…… ※中盤辺りまで胸糞展開ございますので、苦手な方はご注意ください。 2024年11月14日に完結しました。

工芸職人《クラフトマン》はセカンドライフを謳歌する

鈴木竜一
ファンタジー
旧題:工芸職人《クラフトマン》はセカンドライフを謳歌する~ブラック商会をクビになったので独立したら、なぜか超一流の常連さんたちが集まってきました~ 【お知らせ】 このたび、本作の書籍化が正式に決定いたしました。 発売は今月(6月)下旬! 詳細は近況ボードにて!  超絶ブラックな労働環境のバーネット商会に所属する工芸職人《クラフトマン》のウィルムは、過労死寸前のところで日本の社畜リーマンだった前世の記憶がよみがえる。その直後、ウィルムは商会の代表からクビを宣告され、石や木片という簡単な素材から付与効果付きの武器やアイテムを生みだせる彼のクラフトスキルを頼りにしてくれる常連の顧客(各分野における超一流たち)のすべてをバカ息子であるラストンに引き継がせると言いだした。どうせ逆らったところで無駄だと悟ったウィルムは、退職金代わりに隠し持っていた激レアアイテムを持ちだし、常連客たちへ退職報告と引き継ぎの挨拶を済ませてから、自由気ままに生きようと隣国であるメルキス王国へと旅立つ。  ウィルムはこれまでのコネクションを駆使し、田舎にある森の中で工房を開くと、そこで畑を耕したり、家畜を飼育したり、川で釣りをしたり、時には町へ行ってクラフトスキルを使って作ったアイテムを売ったりして静かに暮らそうと計画していたのだ。  一方、ウィルムの常連客たちは突然の退職が代表の私情で行われたことと、その後の不誠実な対応、さらには後任であるラストンの無能さに激怒。大貴族、Sランク冒険者パーティーのリーダー、秘境に暮らす希少獣人族集落の長、世界的に有名な鍛冶職人――などなど、有力な顧客はすべて商会との契約を打ち切り、ウィルムをサポートするため次々と森にある彼の工房へと集結する。やがて、そこには多くの人々が移住し、最強クラスの有名人たちが集う村が完成していったのだった。

物語の途中で殺される悪役貴族に転生したけど、善行に走ったら裏切り者として処刑されそう

maricaみかん
ファンタジー
 ある日、悪役貴族であるレックスに転生した主人公。彼は、原作ではいずれ殺されるキャラクターだった。死の未来を避けるために善行を計画するも、レックスの家族は裏切り者を殺す集団。つまり、正義側に味方することは難しい。そんな板挟みの中で、レックスはもがき続ける。  この作品はカクヨム、小説家になろう、ハーメルン、ノベルアップ+でも投稿しています。

処理中です...