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第42話 第三王子はラッキーとは縁が無い!
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あの女の子の名前がソフィアちゃんとわかり自分はコミュ症じゃないかと疑ってしまう『シュウ』です。
ソフィアちゃんは、泣きそうな顔で僕たちが来るのを待っていた。
「ソフィアちゃん、ちょっと待ってね。今、拭いてあげるからね! もう大丈夫よ」
エリスは、レーニャさんから布を受け取り、ソフィアちゃんの顔をやさしく拭いてあげた瞬間、ソフィアちゃんは声を出さず、大粒の涙をこぼした……
「――お洋服まで濡れてるわね。冷たかったでしょ。服も拭くわね」
「………………」
「ソフィアちゃん、最後に涙を拭いて仕上げをするわよ! クリーン! ドライ!」
エリスは右手の人差し指を天にかざし、魔法を使ったようだ……
――!? ソフィアちゃんの服が綺麗になっていく! しかも、濡れた箇所が乾いていく!
「エリス、今の魔法は!?」
「洗濯魔法の応用よ。簡単な汚れなら、この魔法で汚れは落ちるわ」
「便利な魔法もあるんだなぁ…… もし使えたら便利だよなぁ」
「何を言ってるの? シュウ君も明日から魔法覚えるんでしょ!」
「あっ! ゴメン。そうだった!」
「もう~、 シュウ君。ちゃんとしてよ! あっ! そうだ! 明日からお兄ちゃんたちが魔法をするんだけど、ソフィアちゃんもおねえちゃんと魔法する?」
「う…… ん」
――!? 小さな声だったが確かに聞こえた。
僕は、ソフィアちゃんの声が聞けて、つい嬉しくてソフィアちゃんに声を掛けた。
「ソフィアちゃん。お兄ちゃんと一緒に魔法おぼえる?」
「――う…… ん」
――ヒャッハー! 僕にも答えてくれたYO! 人の返事ってこんなのもうれしいものだとは思わなかったYO! エリスとは違って僕への返事には若干の間があったことはソフィアちゃんがかわいいので、不問にしよう…… 調子に乗ってまた話し掛けた……
「じゃ、明日から一緒にがんばろうね!」
「………………」
――マジですか!? 僕が調子に乗ったのがいけなっかたのか!? 落ち込むなぁ……
「シュウ君、そんなにショボくれないの!」
「う、うん……」
「ヒャッハー!とか、調子に乗るからです」
「モブ顔が調子に乗るからです」
「――!?」
――レーニャさんとレイニーの暴言、毒舌が、僕のメンタルを崩壊寸前へと導く…… 何故? レーニャさんとレイニーは僕の心を読める……
「レーニャ! レイニーさん! ソフィアちゃんの前で酷いこと言わないで! シュウ君は、私の旦那様になる人なのよ!」
――エリスが大胆発言を言った気がするが、恥ずかしいからスルーしよう
「エ、エリス。僕をかばってくれてありがとう……」
「「姫様がそう言うのであれば、この場ではやめますね」」
――この二人は、ソフィアちゃんの前以外では暴言、毒舌をする気マンマンじゃねーか!
「クッ、ククク」
――!? 微かに笑い声が聞こえた…… ソフィアちゃんが笑った?
僕は小さな声でエリスに
「今のソフィアちゃん、笑ったよね?」
「私も確かに聞いたわ」
「やっぱり、そうだよね」
「うん」
ソフィアちゃんが笑ってくれたことで僕たちは何となく安心できた……
祝賀会という宴会は大盛り上がりだったが、子供が起きている時間は過ぎたようでソフィアちゃんはあくびをし始めた。
「ソフィアちゃん、遅くなったって来たからそろそろお眠ようか?」
エリスは、ソフィアちゃんに就寝を促すと
「うん、もうねむい……」
ソフィアちゃんはもう限界のようだった。
エリスはソフィアちゃんを抱っこして、本日泊めてもらうビアンカさんの自宅へ向かった。その後ろを何事もなかったようについて行く僕。
「何処に泊まろとしている。お前はこっちだ!」
酔っぱらっている、サムソンに呼び止められた。
「ビアンカの家は、姫様とレーニャ達だけだ!」
「ちょっと間違えちゃったよ」
「ワザとだろ!」
「――!? そ、そんなことないよ」
「どうだかな。まぁ、良い。俺の家はアッチだ! 俺は朝まで飲むからベット使ってもいいぞ!」
「サムソンさん、ありがとう」
「おう!」
知らない振りをしてビアンカさん宅に泊まろうとしたけど、サムソンさんにはバレていたようだ。実は、僕はサムソンさんの自宅に泊まることになっていた……
どうやら僕はラッキースケベとは縁が無いらしい…… チート主人公が羨ましい………
しょうがない。サムソンさんの家へ行くか。
誰も居ない家に独りぼっちで寂しく眠った……
◇
朝になり、ベットから起き上がるとそこには、サムソンさん、リンリンさん、ミノノモンタさん、ボルトさん、トーカゲさんが、いびきをかき、酒瓶を枕にして床で眠っていた…… 魔物さんって人間とあまり変わらないじゃん!
ソフィアちゃんは、泣きそうな顔で僕たちが来るのを待っていた。
「ソフィアちゃん、ちょっと待ってね。今、拭いてあげるからね! もう大丈夫よ」
エリスは、レーニャさんから布を受け取り、ソフィアちゃんの顔をやさしく拭いてあげた瞬間、ソフィアちゃんは声を出さず、大粒の涙をこぼした……
「――お洋服まで濡れてるわね。冷たかったでしょ。服も拭くわね」
「………………」
「ソフィアちゃん、最後に涙を拭いて仕上げをするわよ! クリーン! ドライ!」
エリスは右手の人差し指を天にかざし、魔法を使ったようだ……
――!? ソフィアちゃんの服が綺麗になっていく! しかも、濡れた箇所が乾いていく!
「エリス、今の魔法は!?」
「洗濯魔法の応用よ。簡単な汚れなら、この魔法で汚れは落ちるわ」
「便利な魔法もあるんだなぁ…… もし使えたら便利だよなぁ」
「何を言ってるの? シュウ君も明日から魔法覚えるんでしょ!」
「あっ! ゴメン。そうだった!」
「もう~、 シュウ君。ちゃんとしてよ! あっ! そうだ! 明日からお兄ちゃんたちが魔法をするんだけど、ソフィアちゃんもおねえちゃんと魔法する?」
「う…… ん」
――!? 小さな声だったが確かに聞こえた。
僕は、ソフィアちゃんの声が聞けて、つい嬉しくてソフィアちゃんに声を掛けた。
「ソフィアちゃん。お兄ちゃんと一緒に魔法おぼえる?」
「――う…… ん」
――ヒャッハー! 僕にも答えてくれたYO! 人の返事ってこんなのもうれしいものだとは思わなかったYO! エリスとは違って僕への返事には若干の間があったことはソフィアちゃんがかわいいので、不問にしよう…… 調子に乗ってまた話し掛けた……
「じゃ、明日から一緒にがんばろうね!」
「………………」
――マジですか!? 僕が調子に乗ったのがいけなっかたのか!? 落ち込むなぁ……
「シュウ君、そんなにショボくれないの!」
「う、うん……」
「ヒャッハー!とか、調子に乗るからです」
「モブ顔が調子に乗るからです」
「――!?」
――レーニャさんとレイニーの暴言、毒舌が、僕のメンタルを崩壊寸前へと導く…… 何故? レーニャさんとレイニーは僕の心を読める……
「レーニャ! レイニーさん! ソフィアちゃんの前で酷いこと言わないで! シュウ君は、私の旦那様になる人なのよ!」
――エリスが大胆発言を言った気がするが、恥ずかしいからスルーしよう
「エ、エリス。僕をかばってくれてありがとう……」
「「姫様がそう言うのであれば、この場ではやめますね」」
――この二人は、ソフィアちゃんの前以外では暴言、毒舌をする気マンマンじゃねーか!
「クッ、ククク」
――!? 微かに笑い声が聞こえた…… ソフィアちゃんが笑った?
僕は小さな声でエリスに
「今のソフィアちゃん、笑ったよね?」
「私も確かに聞いたわ」
「やっぱり、そうだよね」
「うん」
ソフィアちゃんが笑ってくれたことで僕たちは何となく安心できた……
祝賀会という宴会は大盛り上がりだったが、子供が起きている時間は過ぎたようでソフィアちゃんはあくびをし始めた。
「ソフィアちゃん、遅くなったって来たからそろそろお眠ようか?」
エリスは、ソフィアちゃんに就寝を促すと
「うん、もうねむい……」
ソフィアちゃんはもう限界のようだった。
エリスはソフィアちゃんを抱っこして、本日泊めてもらうビアンカさんの自宅へ向かった。その後ろを何事もなかったようについて行く僕。
「何処に泊まろとしている。お前はこっちだ!」
酔っぱらっている、サムソンに呼び止められた。
「ビアンカの家は、姫様とレーニャ達だけだ!」
「ちょっと間違えちゃったよ」
「ワザとだろ!」
「――!? そ、そんなことないよ」
「どうだかな。まぁ、良い。俺の家はアッチだ! 俺は朝まで飲むからベット使ってもいいぞ!」
「サムソンさん、ありがとう」
「おう!」
知らない振りをしてビアンカさん宅に泊まろうとしたけど、サムソンさんにはバレていたようだ。実は、僕はサムソンさんの自宅に泊まることになっていた……
どうやら僕はラッキースケベとは縁が無いらしい…… チート主人公が羨ましい………
しょうがない。サムソンさんの家へ行くか。
誰も居ない家に独りぼっちで寂しく眠った……
◇
朝になり、ベットから起き上がるとそこには、サムソンさん、リンリンさん、ミノノモンタさん、ボルトさん、トーカゲさんが、いびきをかき、酒瓶を枕にして床で眠っていた…… 魔物さんって人間とあまり変わらないじゃん!
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