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第17話 自信満々
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ルナール嬢にディスられ、最後には堂々とストーカー宣言までされて、自分の身の危険を感じて側近どもに助けてを求めたが、
「――パネェなぁ」
ドールは何かパネェのか気になるところであるが、ドールが言いたい事は理解できる。
「アレクはアイツらに愛されてるなぁ」
「サンペータ。愛されてるなぁじゃねぇよ! 重すぎるんだよ!」
「俺がお前じゃなくて良かったよ」
「マリック。お前、他人事みたいに言ってるけどな、僕に何かあったらお前達の責任問題になるんだぞ」
「俺の宰相のキャリアに傷が付くのもなぁ。マズイ事態だな」
「ルブラン。お前はあくまでも宰相候補の一人だ……」
コイツら全然、役に立たん。ファンクラブの要望を聞くべきか、無視するのが良いのかどうするラスボスアレク?
「みんな相談だ。僕としては正直アイツらに関わりたくはない。絶対にマリア嬢には関わりたくない。アイツはウザすぎる。僕はどうすればいい?」
僕は正直な思いを伝えた。
「理論的にアイツらに関わらないようにするのは簡単なことだ。無視をし続ければそれで済む。が、無視をしたら無視したでアイツらは何を始めるか分からんからなぁ」
サンペータは悩み始めてしまった。
「アレク。前の集いで『また開催しよう』なんて言っちまったからなぁ~。集いの許可を出さない訳にはいかんだろ」
マリックは僕の忘れてしまいたい暗黒史を思い出してくれた。
「あれは、失言だったと後悔している…… まともな集団であれば、僕は何度でも開催しても良いと思っていたが、悪い意味で個性派揃い過ぎて、一回でお腹一杯だよ。フゥ~」
僕は頭を抱えて大きな溜め息をついた。
――ファンクラブの集いという名の狂宴は二度とやりたくはない。これまでどんな辛いことも前向きに乗り越えて来た僕のメンタルもアイツらにかかったら赤子同然に削られてしまう……
「アレク…… あれはまたまた運が無かっただけで、ほとんどのヤツはまともかも知れないぞ。ほらっ、一人だけまともな女子生徒がいただろう」
ドールは落ち込む僕に優しくフォローを入れてくれた。普通の女子生徒がまともな部類に入ってしまう狂気の世界だ。
「今にして思えば、確かに彼女だけが普通だったな」
「そうだろ。本当にたまたま個性揃いが揃っただけだ。次はまともなヤツらかもしれないだろ。次に賭けても良いんじゃないか?」
「ドール。そう言ってもらえたら助かるよ」
「集いの人数を大幅に増やして一人ひとり掛ける時間を少なくするのはどうだ?」
「どういうことだ?」
僕はルブランに真意を聞いてみた。
「一人に掛ける交流時間を10分として、人数が10人だとしたら100分だ。それを一人1分にして人数を100人にしても同じ100分だ。ヤベェヤツに10分掛けるのと1分掛けるのどっちが良い?」
「人数は多くて大変だが、ヤベェヤツらとの時間が少なければ、それだけで精神的ダメージは少なくすむよな」
「そういうことだな」
ルブランはドヤ顔しているが、そんなこと誰でも思い付くだろうとツッコミを入れたかった。上に立つ者として、その思いを飲み込めなければならないのは正直キツイ。次期の国王になる道とはここまで過酷なものなのか……
「では、今回は僕達でイベント内容を考えよう」
僕は苦渋の決断の末、皆に告げた。
「殺るのか? アレク本当に殺るんだな?」
――サンペータ。字が違ってるぞ……
「ファンクラブのヤツらの中にハッタリであっても自害しようとした者がいるのだ。そんな者を捨て置くには行かない」
ルナール嬢の手紙にあったことが事実だろうが、なかろうが僕に会いたい者がいる。すでに言質を取られている以上、責任は取らねばならない。それが王族としての僕の覚悟だ!
「うぅぅぅぅ…… お前は優しすぎる…… 王族の権威を持って、ファンクラブを解散させることも出来るのに……」
サンペータは涙を浮かべていた。
「泣くな。サンペータ」
「泣いてねーよ。目に汗が入っただけだ」
「そうか。それならそれでも良い、ルブラン、申し訳ないがルナール嬢に僕が集いの許可を出したと伝えてくれ。それと、今回のイベントは僕が考えることも付け加えてくれ」
「本当に良いんだな?」
「ああ、ルブラン…… 任せた」
「さっきまでの情けない顔が男の顔になったぞ」
サンペータは覚悟した僕にエールを送ってくれた。
「ところでイベントの案でもあるのか?」
マリックが僕に聞いて来た。
「ある! 任せてくれ!」
僕はしっかりした口調で自信満々に答えた。
「――パネェなぁ」
ドールは何かパネェのか気になるところであるが、ドールが言いたい事は理解できる。
「アレクはアイツらに愛されてるなぁ」
「サンペータ。愛されてるなぁじゃねぇよ! 重すぎるんだよ!」
「俺がお前じゃなくて良かったよ」
「マリック。お前、他人事みたいに言ってるけどな、僕に何かあったらお前達の責任問題になるんだぞ」
「俺の宰相のキャリアに傷が付くのもなぁ。マズイ事態だな」
「ルブラン。お前はあくまでも宰相候補の一人だ……」
コイツら全然、役に立たん。ファンクラブの要望を聞くべきか、無視するのが良いのかどうするラスボスアレク?
「みんな相談だ。僕としては正直アイツらに関わりたくはない。絶対にマリア嬢には関わりたくない。アイツはウザすぎる。僕はどうすればいい?」
僕は正直な思いを伝えた。
「理論的にアイツらに関わらないようにするのは簡単なことだ。無視をし続ければそれで済む。が、無視をしたら無視したでアイツらは何を始めるか分からんからなぁ」
サンペータは悩み始めてしまった。
「アレク。前の集いで『また開催しよう』なんて言っちまったからなぁ~。集いの許可を出さない訳にはいかんだろ」
マリックは僕の忘れてしまいたい暗黒史を思い出してくれた。
「あれは、失言だったと後悔している…… まともな集団であれば、僕は何度でも開催しても良いと思っていたが、悪い意味で個性派揃い過ぎて、一回でお腹一杯だよ。フゥ~」
僕は頭を抱えて大きな溜め息をついた。
――ファンクラブの集いという名の狂宴は二度とやりたくはない。これまでどんな辛いことも前向きに乗り越えて来た僕のメンタルもアイツらにかかったら赤子同然に削られてしまう……
「アレク…… あれはまたまた運が無かっただけで、ほとんどのヤツはまともかも知れないぞ。ほらっ、一人だけまともな女子生徒がいただろう」
ドールは落ち込む僕に優しくフォローを入れてくれた。普通の女子生徒がまともな部類に入ってしまう狂気の世界だ。
「今にして思えば、確かに彼女だけが普通だったな」
「そうだろ。本当にたまたま個性揃いが揃っただけだ。次はまともなヤツらかもしれないだろ。次に賭けても良いんじゃないか?」
「ドール。そう言ってもらえたら助かるよ」
「集いの人数を大幅に増やして一人ひとり掛ける時間を少なくするのはどうだ?」
「どういうことだ?」
僕はルブランに真意を聞いてみた。
「一人に掛ける交流時間を10分として、人数が10人だとしたら100分だ。それを一人1分にして人数を100人にしても同じ100分だ。ヤベェヤツに10分掛けるのと1分掛けるのどっちが良い?」
「人数は多くて大変だが、ヤベェヤツらとの時間が少なければ、それだけで精神的ダメージは少なくすむよな」
「そういうことだな」
ルブランはドヤ顔しているが、そんなこと誰でも思い付くだろうとツッコミを入れたかった。上に立つ者として、その思いを飲み込めなければならないのは正直キツイ。次期の国王になる道とはここまで過酷なものなのか……
「では、今回は僕達でイベント内容を考えよう」
僕は苦渋の決断の末、皆に告げた。
「殺るのか? アレク本当に殺るんだな?」
――サンペータ。字が違ってるぞ……
「ファンクラブのヤツらの中にハッタリであっても自害しようとした者がいるのだ。そんな者を捨て置くには行かない」
ルナール嬢の手紙にあったことが事実だろうが、なかろうが僕に会いたい者がいる。すでに言質を取られている以上、責任は取らねばならない。それが王族としての僕の覚悟だ!
「うぅぅぅぅ…… お前は優しすぎる…… 王族の権威を持って、ファンクラブを解散させることも出来るのに……」
サンペータは涙を浮かべていた。
「泣くな。サンペータ」
「泣いてねーよ。目に汗が入っただけだ」
「そうか。それならそれでも良い、ルブラン、申し訳ないがルナール嬢に僕が集いの許可を出したと伝えてくれ。それと、今回のイベントは僕が考えることも付け加えてくれ」
「本当に良いんだな?」
「ああ、ルブラン…… 任せた」
「さっきまでの情けない顔が男の顔になったぞ」
サンペータは覚悟した僕にエールを送ってくれた。
「ところでイベントの案でもあるのか?」
マリックが僕に聞いて来た。
「ある! 任せてくれ!」
僕はしっかりした口調で自信満々に答えた。
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