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第一章 幼少期
儀式の不安
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私は馬車に揺れながら初めての外を見ていた。
何故に外かって?
そんなの子供の制定式あるからだよ。
年齢的にも5歳ぐらいから受けることが決められているみたい。
スキルとかステータスとかも開示するようだけど、私はこの儀式にはあまり行きたい気持ちにはならなかった。
だってアルセイヌのステータスって確かあまり良い印象なかった気がするんだよね。
設定欄にも僅かに書かれていたけど、この国ってアルセイヌのステータスみて教会の人とかザワザワしていた描写あったような。
記憶違いじゃないならだけど、妙に胸騒ぎがして不安だった。紫苑に触れてると落ち着いてきたけど、また不安が込み上げてると、暖かい体温が手を包む。
横を見るとライナリアが心配そうにみている。
「大丈夫? やっぱり初めての儀式だから不安だよね、私もドキドキしてるから一緒だもん。でもお姉ちゃんがいるから頑張ろう!」
ぎゅっと包んでくれるライナリアの笑みにコクンと頷く。
同じ歳なのにちょっと大人ぶる可愛いライナリア!
正直萌えます。
「そういえばアル、腕輪今回は可愛いのにしてもらったんだね。」
「うん、お誕生日のだからお気に入り。」
「そっか、私は首飾りなんだよ青い宝石なんだ。」
おおーめっちゃ似合ってて可愛い!!
「なるほど、綺麗だね。似合ってるよお姉ちゃん。」
「...っ!! アルーーっ!! アルも似合ってるわよ!」
「あうー抱きつかないでーようーーくるぴい!!」
ぎゅうって力入れたら私の身体潰れるー!
ペチペチ降参コールをうつと、ゆっくりと離れてくれる。
「ごめんごめん、お姉ちゃん呼びって嬉しくて。」
えへへって笑うライナリアにアルセイヌのこと妹のこと本当に大事にしてるよね。
きゅうと胸の温かさを感じてると頭を撫でられる感触に気づいた。
横を向けばお父様が優しく微笑んでいている。
「緊張はしてはいないようだねアルセイヌ。」
「え...うん。お姉様のおかげかも。」
本音はまだ胸騒ぎが取れないけれど、緊張してるか? と言われれば肯定できるほどに。
ライナリアの行動によって身体の強張りが解けていることに気づいたのだ。
やっぱり緊張してたんだ、私。
「ライナリア、アルセイヌ。これから向かうには教会だ、お前たちと同じ年のなる子供が何人もくるが私らもいるのだと安心して儀式に挑みなさい。」
「「はい!!」」
2人して息の合った返事にお父様は和やかに笑み、すぐにゲルフィンさんに目配せしたあとに書類に目を通していた。
ゲルフィンは私らに教会まで着く間に暇にならないように、ある物語を語って聞かせてくれた。
この国には白銀の髪を靡かせて金色と赤い瞳を持つ神がいたが、その神は女神を嫌い人間を憎しみの対象として争いや負の連鎖を生むような行いをしていた。
女神は神セフィアの人間たちに行う行動に悲しみ、セフィアを説得するも聞き入れてもらえない、まるで闇そのものに取り込まれたように。
何故と思ったとき、そこにはある意味残酷で非道な出来事が意味していたのだと知る。
セフィアが人格崩壊するような、だがそのことを知れば知るほどに闇は深くなり......そしてセフィアを女神が消滅させてめでたしって話しだった。
簡単に噛み砕くような物語に矛盾さを感じるような変な気分になってると、自分だけじゃなくライナリアも疑問を感じるのか首を傾げている。
「この物語は伝承をもとに作られた物語なんですよ、本来はもっと違う話しだったりするのですが、子供が楽しめる話しとして作られてまして。疑問が湧きますよね。」
「うん。話しは面白いんだけど、どうもアルセイヌのような神様が不幸な結末になるのが嫌かも。」
ぎゅむっと私の手の上にライナリアの手が置かれる。
暖かい温もりにライナリアを見上げると何か強い意志でゲルフィンさんを見ていた。
「そうですね。ここは諸説もあるのです、我々が住まう場所には畏怖の対象としてセフィア様が使われている。それは何故か? 実際にも闇が支配していたことがあった、まるで物語のようなことが。」
「......人事的災害ですね。」
「そうです。」
ライナリアは幼いのに頭が良いのか次々と討論していたものの、私は妙に胸のざわつきが強くなって手を眺めていた。
何故かこれから先の未来にも同じ事が起こるのでは?と。
「アルセイヌ大丈夫だ。」
「え?」
お父様の優しい声に上を向くと心配しているようで決意ある表情が私に向けられていた。
「絶対に守ってやるからな。」
「う、うん。」
優しくもアルセイヌを思うお父様の、まっすぐな気持ちに戸惑いながらも頷いた頃合いに馬車が止まる。
私とライナリア、お父様にゲルフィンは馬車から降り教会の中へと進んでいく。
この先に待つ運命の歯車が動くように、私は彼等と対面していくことになる。カチカチと時計の針を刻むように。
何故に外かって?
そんなの子供の制定式あるからだよ。
年齢的にも5歳ぐらいから受けることが決められているみたい。
スキルとかステータスとかも開示するようだけど、私はこの儀式にはあまり行きたい気持ちにはならなかった。
だってアルセイヌのステータスって確かあまり良い印象なかった気がするんだよね。
設定欄にも僅かに書かれていたけど、この国ってアルセイヌのステータスみて教会の人とかザワザワしていた描写あったような。
記憶違いじゃないならだけど、妙に胸騒ぎがして不安だった。紫苑に触れてると落ち着いてきたけど、また不安が込み上げてると、暖かい体温が手を包む。
横を見るとライナリアが心配そうにみている。
「大丈夫? やっぱり初めての儀式だから不安だよね、私もドキドキしてるから一緒だもん。でもお姉ちゃんがいるから頑張ろう!」
ぎゅっと包んでくれるライナリアの笑みにコクンと頷く。
同じ歳なのにちょっと大人ぶる可愛いライナリア!
正直萌えます。
「そういえばアル、腕輪今回は可愛いのにしてもらったんだね。」
「うん、お誕生日のだからお気に入り。」
「そっか、私は首飾りなんだよ青い宝石なんだ。」
おおーめっちゃ似合ってて可愛い!!
「なるほど、綺麗だね。似合ってるよお姉ちゃん。」
「...っ!! アルーーっ!! アルも似合ってるわよ!」
「あうー抱きつかないでーようーーくるぴい!!」
ぎゅうって力入れたら私の身体潰れるー!
ペチペチ降参コールをうつと、ゆっくりと離れてくれる。
「ごめんごめん、お姉ちゃん呼びって嬉しくて。」
えへへって笑うライナリアにアルセイヌのこと妹のこと本当に大事にしてるよね。
きゅうと胸の温かさを感じてると頭を撫でられる感触に気づいた。
横を向けばお父様が優しく微笑んでいている。
「緊張はしてはいないようだねアルセイヌ。」
「え...うん。お姉様のおかげかも。」
本音はまだ胸騒ぎが取れないけれど、緊張してるか? と言われれば肯定できるほどに。
ライナリアの行動によって身体の強張りが解けていることに気づいたのだ。
やっぱり緊張してたんだ、私。
「ライナリア、アルセイヌ。これから向かうには教会だ、お前たちと同じ年のなる子供が何人もくるが私らもいるのだと安心して儀式に挑みなさい。」
「「はい!!」」
2人して息の合った返事にお父様は和やかに笑み、すぐにゲルフィンさんに目配せしたあとに書類に目を通していた。
ゲルフィンは私らに教会まで着く間に暇にならないように、ある物語を語って聞かせてくれた。
この国には白銀の髪を靡かせて金色と赤い瞳を持つ神がいたが、その神は女神を嫌い人間を憎しみの対象として争いや負の連鎖を生むような行いをしていた。
女神は神セフィアの人間たちに行う行動に悲しみ、セフィアを説得するも聞き入れてもらえない、まるで闇そのものに取り込まれたように。
何故と思ったとき、そこにはある意味残酷で非道な出来事が意味していたのだと知る。
セフィアが人格崩壊するような、だがそのことを知れば知るほどに闇は深くなり......そしてセフィアを女神が消滅させてめでたしって話しだった。
簡単に噛み砕くような物語に矛盾さを感じるような変な気分になってると、自分だけじゃなくライナリアも疑問を感じるのか首を傾げている。
「この物語は伝承をもとに作られた物語なんですよ、本来はもっと違う話しだったりするのですが、子供が楽しめる話しとして作られてまして。疑問が湧きますよね。」
「うん。話しは面白いんだけど、どうもアルセイヌのような神様が不幸な結末になるのが嫌かも。」
ぎゅむっと私の手の上にライナリアの手が置かれる。
暖かい温もりにライナリアを見上げると何か強い意志でゲルフィンさんを見ていた。
「そうですね。ここは諸説もあるのです、我々が住まう場所には畏怖の対象としてセフィア様が使われている。それは何故か? 実際にも闇が支配していたことがあった、まるで物語のようなことが。」
「......人事的災害ですね。」
「そうです。」
ライナリアは幼いのに頭が良いのか次々と討論していたものの、私は妙に胸のざわつきが強くなって手を眺めていた。
何故かこれから先の未来にも同じ事が起こるのでは?と。
「アルセイヌ大丈夫だ。」
「え?」
お父様の優しい声に上を向くと心配しているようで決意ある表情が私に向けられていた。
「絶対に守ってやるからな。」
「う、うん。」
優しくもアルセイヌを思うお父様の、まっすぐな気持ちに戸惑いながらも頷いた頃合いに馬車が止まる。
私とライナリア、お父様にゲルフィンは馬車から降り教会の中へと進んでいく。
この先に待つ運命の歯車が動くように、私は彼等と対面していくことになる。カチカチと時計の針を刻むように。
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