7 / 35
第一章 幼少期
侵入と奇襲
しおりを挟む
青い蝶が舞う様に月が不思議と赤くなっているような感覚で見入っていると。目の奥が熱くなるような気がした瞬間!
妙なビジョンが私の脳裏に浮かぶ。
滅んだようなビルの上に何故か立っていて、アルセイヌの周囲には赤と青の蝶が舞うように飛んでいる。
綺麗だと思うのに、私は自分自身が寒いほどに冷え切った感覚と絶望感で苦しみが襲ってきていた。
子供ではなく大人のアルセイヌが黒く染まるような姿に、そっちへ行ってはだめだと叫んだ瞬間、不意に私の目を手袋の布地が塞がれて。
「アルセイヌ様!!」
急に声が耳の中に響き現実へと戻っていた。
「いまのなに?」
スッと手が目から離れるとゲルフィンさんが目の前にいて心配そうに覗き込む姿があった。
おおー美青年は近くで見るとより美形っスね眼福です!
じゃなくて私...さっき何を見てたんだろう?
建物的には前世と同じような感じだったような、それにアルセイヌを包み込むような黒い霞と蝶。
よくわからない現象に少し何か思い出しかかるも、頭の何処かに引っかかる感じでモヤモヤしてくる。
その時だった、硝子を破る音が私の耳に聞こえ思考が途切れた瞬間、ゲルフィンさんが私を抱っこしていた。
浮游感と突然の驚きに目をパチパチしてしまう。
私の手は手袋をしているから大丈夫なので服を掴んで置く必要があったから、だってさっきまで私が寝ていたベッドには黒い服を身に纏った集団がいて、ベッドは切り刻まれてたんだよ!
めっちゃ怖いんですけど!
ゲルフィンさんの素早い動きと判断で助けてもらえたことには感謝しかない。
「さすがに、てこずってるようですね。」
ボソっとゲルフィンさんが呟いたあと、私にしっかり捕まって下さいね!と優しく囁くもんだから、こんな危機的状況にも関わらず萌えと男性の素敵ボイスに頷いた。
「良い子だ!」
「さて、お前ら! ここがグライハイム様の屋敷として知って奇襲、誰の命令できた!!」
腰の剣を奇襲してきた人物に向け言うが、黒い服の集団は何も応えず、短剣を構える者、長剣を構える者、そして少し衣が違うのか黒いフードの奥に目が金色の人物がいた。
冷たく氷ついたらような金色の目。
何処かで見た気がするけど思い出せない。
「返答なしですか? しょうがない消えて貰います!!」
ゲルフィンさんが一呼吸したのち、一瞬の衝撃のスピードなのか動いた感覚なんてないのに黒い服の集団が倒されて、私が異様に気にかかる一人だけが、ゲルフィンさんと剣を構えていた。
片手で私を支えてのゲルフィンさんは凄いと思うけど、ゲルフィンさんの剣を受け止める、この人物にも驚きが隠せない。
「........良い腕をお持ちですね、ルーテンハイド。」
「バレてたのか、チッ! せっかく侵入の意味ねえじゃん!」
互いに剣を収める姿に、え!? 大丈夫なの?
ってか知り合い? 奇襲してきた人と?
二人をキョロキョロと見て状況を掴めれない私をおいて。
「グライハイム様からは粗方の詳細は確認している。侵入の件もな、だが...まさか奇襲に一緒に来るとは思っていなかったがな。」
「ははは、俺にも事情があってな。それより噂に違わず良い腕してやがるぜ。血を流さず致命傷を与える暗殺剣ゲルフィン、さすがだ。
「まあ、今はグライハイム様の忠犬です。なので敵になる者は殺して良いと許可を得てますから。」
「おーこわ! ってか、ゲルフィンが抱っこしてるのが毒姫か、白い髪にオッドアイ。畏怖を持つ少女。」
「そうです。」
ふーんと冷たく私をみるもんだから、ちょっと怖いと思いゲルフィンさんの服をぎゅっと握って顔をそらす。
「あはは、怯えてんのか毒姫は。まあ暗殺されるのに怖がられないのは癪だからな、っておいおい、剣向けるなよ!」
「敵意向けるからついついです。あと報告ならグライハイム様がもうすぐ来ると思うので、さっさと行くと良いですよ。我が子を侮辱する発言聞いただけでキレますから。」
「うへえーーしれっと爆弾発言すんなよな。確かにあの人、愛妻家で子煩悩だからな、さっさと用事済ませてくらあ!」
「あ! そうそう。ゲルフィンと毒姫様、そいつらしっかり処理しておいてくれや、死体だけどよ!」
カッカッカと笑いながら部屋を出て行くルーテンハイドにゲルフィンさんの眉がピクピクと動き小さく、やっぱり絞めておくべきか! と呟きが聞こえ、意外にも口悪いのかな? とか思ってしまうのであった。
妙なビジョンが私の脳裏に浮かぶ。
滅んだようなビルの上に何故か立っていて、アルセイヌの周囲には赤と青の蝶が舞うように飛んでいる。
綺麗だと思うのに、私は自分自身が寒いほどに冷え切った感覚と絶望感で苦しみが襲ってきていた。
子供ではなく大人のアルセイヌが黒く染まるような姿に、そっちへ行ってはだめだと叫んだ瞬間、不意に私の目を手袋の布地が塞がれて。
「アルセイヌ様!!」
急に声が耳の中に響き現実へと戻っていた。
「いまのなに?」
スッと手が目から離れるとゲルフィンさんが目の前にいて心配そうに覗き込む姿があった。
おおー美青年は近くで見るとより美形っスね眼福です!
じゃなくて私...さっき何を見てたんだろう?
建物的には前世と同じような感じだったような、それにアルセイヌを包み込むような黒い霞と蝶。
よくわからない現象に少し何か思い出しかかるも、頭の何処かに引っかかる感じでモヤモヤしてくる。
その時だった、硝子を破る音が私の耳に聞こえ思考が途切れた瞬間、ゲルフィンさんが私を抱っこしていた。
浮游感と突然の驚きに目をパチパチしてしまう。
私の手は手袋をしているから大丈夫なので服を掴んで置く必要があったから、だってさっきまで私が寝ていたベッドには黒い服を身に纏った集団がいて、ベッドは切り刻まれてたんだよ!
めっちゃ怖いんですけど!
ゲルフィンさんの素早い動きと判断で助けてもらえたことには感謝しかない。
「さすがに、てこずってるようですね。」
ボソっとゲルフィンさんが呟いたあと、私にしっかり捕まって下さいね!と優しく囁くもんだから、こんな危機的状況にも関わらず萌えと男性の素敵ボイスに頷いた。
「良い子だ!」
「さて、お前ら! ここがグライハイム様の屋敷として知って奇襲、誰の命令できた!!」
腰の剣を奇襲してきた人物に向け言うが、黒い服の集団は何も応えず、短剣を構える者、長剣を構える者、そして少し衣が違うのか黒いフードの奥に目が金色の人物がいた。
冷たく氷ついたらような金色の目。
何処かで見た気がするけど思い出せない。
「返答なしですか? しょうがない消えて貰います!!」
ゲルフィンさんが一呼吸したのち、一瞬の衝撃のスピードなのか動いた感覚なんてないのに黒い服の集団が倒されて、私が異様に気にかかる一人だけが、ゲルフィンさんと剣を構えていた。
片手で私を支えてのゲルフィンさんは凄いと思うけど、ゲルフィンさんの剣を受け止める、この人物にも驚きが隠せない。
「........良い腕をお持ちですね、ルーテンハイド。」
「バレてたのか、チッ! せっかく侵入の意味ねえじゃん!」
互いに剣を収める姿に、え!? 大丈夫なの?
ってか知り合い? 奇襲してきた人と?
二人をキョロキョロと見て状況を掴めれない私をおいて。
「グライハイム様からは粗方の詳細は確認している。侵入の件もな、だが...まさか奇襲に一緒に来るとは思っていなかったがな。」
「ははは、俺にも事情があってな。それより噂に違わず良い腕してやがるぜ。血を流さず致命傷を与える暗殺剣ゲルフィン、さすがだ。
「まあ、今はグライハイム様の忠犬です。なので敵になる者は殺して良いと許可を得てますから。」
「おーこわ! ってか、ゲルフィンが抱っこしてるのが毒姫か、白い髪にオッドアイ。畏怖を持つ少女。」
「そうです。」
ふーんと冷たく私をみるもんだから、ちょっと怖いと思いゲルフィンさんの服をぎゅっと握って顔をそらす。
「あはは、怯えてんのか毒姫は。まあ暗殺されるのに怖がられないのは癪だからな、っておいおい、剣向けるなよ!」
「敵意向けるからついついです。あと報告ならグライハイム様がもうすぐ来ると思うので、さっさと行くと良いですよ。我が子を侮辱する発言聞いただけでキレますから。」
「うへえーーしれっと爆弾発言すんなよな。確かにあの人、愛妻家で子煩悩だからな、さっさと用事済ませてくらあ!」
「あ! そうそう。ゲルフィンと毒姫様、そいつらしっかり処理しておいてくれや、死体だけどよ!」
カッカッカと笑いながら部屋を出て行くルーテンハイドにゲルフィンさんの眉がピクピクと動き小さく、やっぱり絞めておくべきか! と呟きが聞こえ、意外にも口悪いのかな? とか思ってしまうのであった。
0
お気に入りに追加
60
あなたにおすすめの小説
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
家族内ランクE~とある乙女ゲー悪役令嬢、市民堕ちで逃亡します~
りう
ファンタジー
「国王から、正式に婚約を破棄する旨の連絡を受けた。
ユーフェミア、お前には二つの選択肢がある。
我が領地の中で、人の通わぬ屋敷にて静かに余生を送るか、我が一族と縁を切り、平民の身に堕ちるか。
――どちらにしろ、恥を晒して生き続けることには変わりないが」
乙女ゲーの悪役令嬢に転生したユーフェミア。
「はい、では平民になります」
虐待に気づかない最低ランクに格付けの家族から、逃げ出します。
使えないと言われ続けた悪役令嬢のその後
有木珠乃
恋愛
アベリア・ハイドフェルド公爵令嬢は「使えない」悪役令嬢である。
乙女ゲームの悪役令嬢に転生したのに、最低限の義務である、王子の婚約者にすらなれなったほどの。
だから簡単に、ヒロインは王子の婚約者の座を得る。
それを見た父、ハイドフェルド公爵は怒り心頭でアベリアを修道院へ行くように命じる。
王子の婚約者にもなれず、断罪やざまぁもされていないのに、修道院!?
けれど、そこには……。
※この作品は小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。
乙女ゲームの断罪イベントが終わった世界で転生したモブは何を思う
ひなクラゲ
ファンタジー
ここは乙女ゲームの世界
悪役令嬢の断罪イベントも終わり、無事にエンディングを迎えたのだろう…
主人公と王子の幸せそうな笑顔で…
でも転生者であるモブは思う
きっとこのまま幸福なまま終わる筈がないと…
そして乙女ゲームは始まらなかった
お好み焼き
恋愛
気付いたら9歳の悪役令嬢に転生してました。前世でプレイした乙女ゲームの悪役キャラです。悪役令嬢なのでなにか悪さをしないといけないのでしょうか?しかし私には誰かをいじめる趣味も性癖もありません。むしろ苦しんでいる人を見ると胸が重くなります。
一体私は何をしたらいいのでしょうか?
【完結】悪役令嬢の反撃の日々
アイアイ
恋愛
「ロゼリア、お茶会の準備はできていますか?」侍女のクラリスが部屋に入ってくる。
「ええ、ありがとう。今日も大勢の方々がいらっしゃるわね。」ロゼリアは微笑みながら答える。その微笑みは氷のように冷たく見えたが、心の中では別の計画を巡らせていた。
お茶会の席で、ロゼリアはいつものように優雅に振る舞い、貴族たちの陰口に耳を傾けた。その時、一人の男性が現れた。彼は王国の第一王子であり、ロゼリアの婚約者でもあるレオンハルトだった。
「ロゼリア、君の美しさは今日も輝いているね。」レオンハルトは優雅に頭を下げる。
今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。
柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。
詰んでる。
そう悟った主人公10歳。
主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど…
何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど…
なろうにも掲載しております。
ここは乙女ゲームの世界でわたくしは悪役令嬢。卒業式で断罪される予定だけど……何故わたくしがヒロインを待たなきゃいけないの?
ラララキヲ
恋愛
乙女ゲームを始めたヒロイン。その悪役令嬢の立場のわたくし。
学園に入学してからの3年間、ヒロインとわたくしの婚約者の第一王子は愛を育んで卒業式の日にわたくしを断罪する。
でも、ねぇ……?
何故それをわたくしが待たなきゃいけないの?
※細かい描写は一切無いけど一応『R15』指定に。
◇テンプレ乙女ゲームモノ。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇なろうにも上げてます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる