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プロローグ
2.月の夜の蝶 後編
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双子が生まれ5年の歳月が過ぎた頃、ローランド家からは静寂の中で金髪の少女が黒髪の少女に対して注意している声が響く。
「アル、あんたねえ! まーた屋敷の調度品壊したんですってね!」
「う、ハイ。」
金髪の少女ライナリアは呆れつつ、正座をさせてる黒髪の少女アルセイヌと同じようにしゃがみ込むと優しく微笑み頭を撫でる。
「反省してるなら良いわ、ちゃんと謝ればお父様もきっと許してくれるはずよ。」
あいっとアルセイヌは立ち上がり、謝ってみようと思うも不安にかたれてライナリアも一緒に行って欲しいと掴もうとすると、スルッと避けられる。
なんで避けるのと不思議に思うアルセイヌだったが、すぐに気づいた。
自分には魔力は封印されているけれど、ある体質的な性質は補われず人に触れる事を自分からは出来ないんだと。
シュンと凹むもライナリアがヨシヨシと頭を撫でて、行こうかと横を歩いてくれるだけでも嬉しく、ちょこちょことアルセイヌはついて行った。
グライハイムが書類の整理をしながらも、執事で仕事の補佐をしてくれているケインが紅茶を置き
「そこまで煮詰めますと身体に悪いですよ。」
落ち着きのある声と、グライハイム自身を心配してくれている気遣いに苦笑をもらし。
そうだね。としばし休憩を挟むことにした。
コクコクと紅茶を飲めば、気持ちを落ち着ける味に。
ああ、私は余程...切羽詰ってたのだと気付かされケインに礼を言えば、良いんですよと笑む。
まったく良い友人をもったものだ。
ケインは私にとっては学生時代よりの旧友、メリアとの仲もコイツのおかげで恋人なれたと言っても良いため頭が上がらない。
気がつくし、優しくリードも良いのに、なんで恋人作らんのかね、良い歳だしモテるくせして良縁に恵まれそうなんだがな。
あ、いっそ何処かしら女性でも紹介してやるのも良いかも知れん。
「......大きなお世話ですよハイム。」
「ん? 何がだ?」
「白々しい、わたくしめには恋人など不要です。いまは仕事がわたくしめの恋人ですので、大きなお世話は結構と申しておきます。」
「仕事が恋人だと....。モテるくせしてか、あー嫌味だねー、いつでも恋人は出来るからって聞こえるぞ。」
あのですねーとケインが文句を言い返すタイミングで、部屋をノックする音がし、ケインはグッと文句を言えず睨まれるが、グライハイムは気にせずに訪問者がいるであろう扉へと進み開ける。
そこには我が娘達がいて、まさか私が直々に扉を開けるとは思っていなかったのか、暫し固まるもライナリアはハッとし淑女の礼を取ると、アルセイヌもライナリアの動作に気づき慌てて礼をとる姿に、あーもう可愛いなと口元が緩む。
だがケインの叱咤され小さく咳払いをしたのち、二人を中に導き入れた。
さて何しに私のもとへと訪れたのかと娘達に伺い聞くと、どうにも調度品を1つばかりアルセイヌが壊したとのことだった。
また壊したわけか。
ここ最近ばかりアルセイヌは溜まった魔力を使えないぶんを補う為に、突発的に魔力暴走することが多くなっていた。
制御はリングを嵌めているのだが、魔力が高いのと幼い身体には耐えられず暴走してリングを壊れ、一人になった側に調度品があったりするせいで破壊することがあるのだ。
呪われた性質かと最初は諦めていたが、このまま放置して娘の身体が耐えられず死んでしまうのは辛いと思うようになっていた。
さて許すのは簡単だが、どうしようか?
ジーッと娘達を見て考えているなかで、アルセイヌが私を見るなりビクッとした瞬間、私は不思議なビジョンを垣間見た。
...見たこともない建物に、一人の青年が私を見るなり『...は....なのか...。』と問い、次の瞬間には夜となり月の周りには綺麗なのに畏怖してしまう寒気が湧いたとき、月一面、いや違うな空に大量の蝶が舞い上がり消失する。
なんだいまのは!?
不可解な感覚と同時にビジョンは消え戸惑いが隠せずにいると、いつの間にやら娘二人の姿がいなくなっていた。
ケインに娘二人の事を聞いてみると、ビジョンが見えている中で私は娘達に許す言葉と今後の注意のもと気をつけるようにと話していたようだった。
理解出来ない状態に私自身混乱していると
「未来予知を見たのかもしれませんね。」
静かに一人事のような言葉にケインを見れば頷き、懐から紙を一枚机の上に置いた。
「最近のアルセイヌ様の健康調査と魔力暴走する期間、そして......瞳に関する魔力の能力です。」
私の紙を取り内容を読んでいき、まさかと驚きが隠せずに深く溜息が溢れ落ちた。
「......今後のアルセイヌが心配になってきたぞ、まったく。ケイン、この事は誰にも漏らさずに処置を頼む。」
「はい。」
ケインは返事した後に、グライハイムに一礼して部屋を後にし、部屋に一人になったあと、窓際をより空を見上げれば、夜空の月が輝いて、綺麗な鋼色のチョウが一羽舞っているように見え、慌てて目を擦ると消えていた。
不安に満ちる未来図はグライハイムへ見せてきたのだろう。
負けるわけには行かないな。
夜空を眺め今後の対策を練るべく視線を部屋へと戻した。
「アル、あんたねえ! まーた屋敷の調度品壊したんですってね!」
「う、ハイ。」
金髪の少女ライナリアは呆れつつ、正座をさせてる黒髪の少女アルセイヌと同じようにしゃがみ込むと優しく微笑み頭を撫でる。
「反省してるなら良いわ、ちゃんと謝ればお父様もきっと許してくれるはずよ。」
あいっとアルセイヌは立ち上がり、謝ってみようと思うも不安にかたれてライナリアも一緒に行って欲しいと掴もうとすると、スルッと避けられる。
なんで避けるのと不思議に思うアルセイヌだったが、すぐに気づいた。
自分には魔力は封印されているけれど、ある体質的な性質は補われず人に触れる事を自分からは出来ないんだと。
シュンと凹むもライナリアがヨシヨシと頭を撫でて、行こうかと横を歩いてくれるだけでも嬉しく、ちょこちょことアルセイヌはついて行った。
グライハイムが書類の整理をしながらも、執事で仕事の補佐をしてくれているケインが紅茶を置き
「そこまで煮詰めますと身体に悪いですよ。」
落ち着きのある声と、グライハイム自身を心配してくれている気遣いに苦笑をもらし。
そうだね。としばし休憩を挟むことにした。
コクコクと紅茶を飲めば、気持ちを落ち着ける味に。
ああ、私は余程...切羽詰ってたのだと気付かされケインに礼を言えば、良いんですよと笑む。
まったく良い友人をもったものだ。
ケインは私にとっては学生時代よりの旧友、メリアとの仲もコイツのおかげで恋人なれたと言っても良いため頭が上がらない。
気がつくし、優しくリードも良いのに、なんで恋人作らんのかね、良い歳だしモテるくせして良縁に恵まれそうなんだがな。
あ、いっそ何処かしら女性でも紹介してやるのも良いかも知れん。
「......大きなお世話ですよハイム。」
「ん? 何がだ?」
「白々しい、わたくしめには恋人など不要です。いまは仕事がわたくしめの恋人ですので、大きなお世話は結構と申しておきます。」
「仕事が恋人だと....。モテるくせしてか、あー嫌味だねー、いつでも恋人は出来るからって聞こえるぞ。」
あのですねーとケインが文句を言い返すタイミングで、部屋をノックする音がし、ケインはグッと文句を言えず睨まれるが、グライハイムは気にせずに訪問者がいるであろう扉へと進み開ける。
そこには我が娘達がいて、まさか私が直々に扉を開けるとは思っていなかったのか、暫し固まるもライナリアはハッとし淑女の礼を取ると、アルセイヌもライナリアの動作に気づき慌てて礼をとる姿に、あーもう可愛いなと口元が緩む。
だがケインの叱咤され小さく咳払いをしたのち、二人を中に導き入れた。
さて何しに私のもとへと訪れたのかと娘達に伺い聞くと、どうにも調度品を1つばかりアルセイヌが壊したとのことだった。
また壊したわけか。
ここ最近ばかりアルセイヌは溜まった魔力を使えないぶんを補う為に、突発的に魔力暴走することが多くなっていた。
制御はリングを嵌めているのだが、魔力が高いのと幼い身体には耐えられず暴走してリングを壊れ、一人になった側に調度品があったりするせいで破壊することがあるのだ。
呪われた性質かと最初は諦めていたが、このまま放置して娘の身体が耐えられず死んでしまうのは辛いと思うようになっていた。
さて許すのは簡単だが、どうしようか?
ジーッと娘達を見て考えているなかで、アルセイヌが私を見るなりビクッとした瞬間、私は不思議なビジョンを垣間見た。
...見たこともない建物に、一人の青年が私を見るなり『...は....なのか...。』と問い、次の瞬間には夜となり月の周りには綺麗なのに畏怖してしまう寒気が湧いたとき、月一面、いや違うな空に大量の蝶が舞い上がり消失する。
なんだいまのは!?
不可解な感覚と同時にビジョンは消え戸惑いが隠せずにいると、いつの間にやら娘二人の姿がいなくなっていた。
ケインに娘二人の事を聞いてみると、ビジョンが見えている中で私は娘達に許す言葉と今後の注意のもと気をつけるようにと話していたようだった。
理解出来ない状態に私自身混乱していると
「未来予知を見たのかもしれませんね。」
静かに一人事のような言葉にケインを見れば頷き、懐から紙を一枚机の上に置いた。
「最近のアルセイヌ様の健康調査と魔力暴走する期間、そして......瞳に関する魔力の能力です。」
私の紙を取り内容を読んでいき、まさかと驚きが隠せずに深く溜息が溢れ落ちた。
「......今後のアルセイヌが心配になってきたぞ、まったく。ケイン、この事は誰にも漏らさずに処置を頼む。」
「はい。」
ケインは返事した後に、グライハイムに一礼して部屋を後にし、部屋に一人になったあと、窓際をより空を見上げれば、夜空の月が輝いて、綺麗な鋼色のチョウが一羽舞っているように見え、慌てて目を擦ると消えていた。
不安に満ちる未来図はグライハイムへ見せてきたのだろう。
負けるわけには行かないな。
夜空を眺め今後の対策を練るべく視線を部屋へと戻した。
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