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折り紙とローラン君

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最初に教えてあげるのは鶴だ。
正方形の紙を三角形に追って2回ぐらい繰り返し折る。
次に三角の場所にヒラヒラのところがあるとこで、開くように正方形の形にするんだ。
左右に一度折り目を作るんだけど、これは次の工程に必要だからだね。

次は広げて上に持っていくんだけど、形はトランプのダイヤのようにかな。
え? トランプを知らないとな?

えっと、じゃあアレと同じ感じだよ。

店にかかっているダイヤ型の装飾品を指差したらローラン君は納得してくれて、再び折り紙に集中する。

一回教えただけなのに飲み込みと理解力あるよね。

さて続きを説明しないとだった。

今度はまた左右に下方面におるんだけど、今回のは折り目ではないんだよ。うん、そうそう、そんな感じ!
でね、次に間にある場所を開いて上に持ち上げてからまっすぐにして先端を軽く折るの、反対は同じだけど折ってから形を整えてね。

そして大きいほうを広げてみて、あ! 折る方じゃなくて、そっち...うんうん。

「上手く出来たね。」

見るからに今すぐにでも飛んで行けるような綺麗に折られた鶴にを見て褒めたんだけど。
ローラン君ってば自分が作った鶴を見て観察し、感激してるように目がキラキラしていて、コクコクと頷かれた。

ここまで感激してくれると教えがいがあるよね。

「それね【鶴】って名前の折り方なんだよ。」
「ツル?」
「うん。願掛けっていうのかな? 相手の病気とか健康を思って1000個作って相手に送ったりすると思いが神様に届いてくれて願いを叶えてくれる言い伝えがあったりするんだよ。」
「...ツルに願掛け、変わってるんだな。でも良い言い伝えだと思う。あと面白いな折り紙って、他のも教えてくれるか?」
「うんうん。どうせ暇だし、教えてあげる!」

この後、ヤッコ型や風船、騙し船とかして遊んだりしていた。

ん? 私が折ったりしたのかって、いやー意外にも出来たから不思議なんだよね。
なんかピコピコとアナウンス流れてたから、後で確認しておこうと思っている。

夢中になって遊びこと暫し、雛鳥のくせに眠気がこないぐらい遊ぶのに集中してらしく、うーんと背伸びをすればバキバキ音が聞こえた。

外を見ると夕方かと思ったら夜で、お腹からグオオオオとモンスター並みに鳴り響き咄嗟にさする。
私のお腹って食いしん坊だね。
まあ、食うのは食べられない事あったせいと、ボルトおじいちゃんのご飯が美味しいから求めちゃってるのかも。

「もう夜になってたんだね。」

お、ローラン君も集中力が切れたのか外を見て驚いてる。

「うん。楽しいと時間過ぎるの早いね。」
「......うん。僕...こんなに時間忘れて遊んだの初めてかもしれない。」
「そうなんだ。」
「うん。」

ふむ。いったい家では、どんな生活してるんだろう?
初めてって......やめとこ。
まだ知り合って間もないのに、ズケズケ聞き出すのはフェアじゃないもんね。
どうせグラフさんが帰ってくるまで時間あるし、ちょっとずつ仲良くなって聞こうっと。

グオオオオ

うん。私のお腹よ、空気読んで鳴いて恥ずかしいなぁ。
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