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第1章・第2騎士団
3,最終試験
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カイトさんのお陰で、私への疑いは晴れたのだった。
「レイラ!」
「アリサさん。」
アリサさんも、合格を貰えている。
「さっきは大変だったね。」
「そうですね。アリサさんも、先程はありがとうございました。」
「そんなに役にたたなかったけどね。」
「いいえ、とても嬉しかったですよ。」
「レイラー!」
アリサさんに飛びつかれた。
ちゃんと受け止めたよ。それと、アレンさんも合格していた。
実技試験を行なっている間に、筆記試験の答案の丸付けをしているそうだ。
まだ終わりではなく、何試合かをする。合格した者達は、騎士団に入る事が可能だ。
この試合の目的は、第1騎士団~第5騎士団から配属場所を決める為に行われる。
多くの中から、高成績を出した10名が選ばれる。
本来、騎士団団長・副団長の話し合いで、それぞれの配属先が決まる。
しかし、選ばれた10名は特別で、自分の行きたい配属先を通す事が出来る。
第4騎士団で働きたい私は、それを確立する為に頑張っている。
そして、最後まで勝ち続けた。そして、第1訓練場と第2訓練場を合わせた14名に選ばれた。
これから第1訓練場に向かい、騎士団の上位の人達と戦う事になる。
彼らと戦い審査を受け、10名を選ぶんだそうだ。
第1訓練場に行くと、周りには騎士団の人達がいた。
順番で言えば私は、12番目らしい。くじ引きで決めたと言え、微妙だな。
最後らへんが1番緊張する。自分の順番が来るまで、試合している人達を観察する。
最初の人は、肩まである薄紫の髪に銀色の瞳をした美少年だった。
上位の騎士はとても鋭い攻撃をしているが、薄紫髪の少年は上手く逸らしている。
最初の攻撃と動きから、相手の攻撃の鋭さと素早さを確認したと同時に動きを変えた。
切り替えの良さと、上位の騎士の素早い動きについていけてるのが凄い。
身長差と筋力の差もある筈なのに。結果は、上位騎士が勝った。
薄紫髪の少年も凄かったが、流石は上位騎士である。
技量・経験共に段違いだ。それに、あの騎士は本気ではなかった。
利き手で試合をしていなかったからだ。あの騎士は、試合前に右手を良く使っていた。
それが、試合が開始した時には、左手に剣を持っていたのだ。
利き手なら、どうだったかなんて考えたくもない。
しかし、目を見張るのは次の人だった。紺色の髪に水色の瞳をした美青年。
彼は、纏う雰囲気が違う。勝負の結果は騎士が勝った。
さっきの試合でも見たが、アレンは強かった。素早く上位騎士と戦っている。
他の人達も皆が強い。私、彼等の次に戦うの?何か嫌だな。
等々私の番となったが、おかしくない?対戦相手の身長と体格が凄い。
口角が引きつってしまう。赤茶髪に赤い瞳をした体格が大きい男性。
赤色の団服から、第3騎士団の人と思われるんだが。
審判さんの言葉に、剣を構える。初めの合図に、赤茶髪さんは突っ込んで来た。
素早く振り上げられた剣を受け止める。すぐに横に払って距離を取る。
今の一撃はとても重かった。受け止めきれたのが、奇跡のようだ。
直ぐに構えるが、手が痺れている。だが、休む暇など勿論ない。
直ぐ様、次の攻撃が飛んでくる。私は攻撃を受け止める事はない。
最初の一撃で、受け止めるべきではないと思ったからだ。
だが、攻撃を弾いていても、腕の痺れはあるよ。手加減されていると分かっている。
でも、素早い動きに避けたり、弾くのが精一杯だ。
赤茶髪さんの剣の剣身に、鍔を引っ掛け体重をかける。
私はジャンプし空中から、蹴りを入れる。赤茶髪さんはギリギリで避けた。
赤茶髪さんは、剣を上へ振り上げて来た。私は鍔を引っ掛けていたので弾く。
直ぐに距離を取る。私の動きを見て、赤茶髪さんは口角を上げる。
「やるじゃねぇか。俺の名はドルトン!お前の名はなんだ!」
「私はレイラ・エバーガーデンです。」
私は構え、警戒する。
「レイラ!時間はまだある。この試合、本気で来いよ!」
ドルトンさんは、口角を上げ赤い瞳に鋭い光が。一瞬だった。
本能が危険信号を鳴らしたその時、ドルトンさんが間合いに入って来た。
鋭い剣筋を、ギリギリで避けた。マントのフードは落ちたが、気にせず重心を低くする。
剣を鋭く突く攻撃をした。しかし、逸らされ攻撃が当たらなかった。
後方に下がったが、私は間合いに入る。恐らく、一度離れたら相手の思う壺。
私は攻撃の手を緩めず、攻撃していく。当たってはいない。
攻撃を払ったり逸らしたりして、捌きつつ攻撃の隙を探す。
何だか少しずつ剣の速度が、上がっている気がするんだけど!?
何とかついていくが、本当にギリギリの戦いである。
一瞬でも、油断したら……間違いなく負ける。私の剣技は強者に通用しない。
私は師匠にそう言われた。どれだけ努力して、基本の技・知識が完璧だとしても。
努力し続ければ、努力した分だけ力を得る。だが、それには必ず限界がある。
限界のその先とは、己の才能を開花させる事にあるのだと……。
だからこそ私は、多くの剣技の知識を取り入れ、フェイントも覚えた。
これで、少しは単純な動きを改良出来ただろうか?
しかし、師匠から与えられる評価は同じだった。分からない。どうすればいいのか。
だから、私はドルトンさんに負けるのか?
ーー違う。
ドルトンさんと、私の剣技の訓練に費やした時間は違う。
どれだけ努力しても、ドルトンさんとの訓練の時間の差は中々埋まらない。
私は強く地面を蹴り、素早くドルトンさんの間合いに入る。深く息を吸う。
ドルトンさんは、剣を振り上げ攻撃して来た。私は剣の鍔を利用した。
ドルトンさんの剣に引っ掛け、横に力ある限り払う。
「……面白ぇ。」
「待て!ドルトン!」
ドルトンさんの剣を払った筈なのに、下から攻撃が来たのだ。
私は直ぐに剣を下に叩き付けたが、吹き飛ばされ地面に転がる。
受け身を取り素早く立ち上がるが、身体は限界に近い。
剣をもう一度構える。何故なら、ドルトンさんが突っ込んで来るからだ。
本当に最悪だ。第4騎士団に所属する為に来たのに、何故こんなに戦ってるんだろう。
強い衝撃を覚悟した私。
「時間切れ!引き分け!」
ドルトンさんが剣を振り下ろす時、審判の声が響いた。
勿論、ドルトンさんは剣を止める。危なかった……。
私は、試合が終了した。
「ありがとうございました。」
ドルトンさんにそう言って、私は壁端に移動した。
「レイラ!」
「アリサさん。」
アリサさんも、合格を貰えている。
「さっきは大変だったね。」
「そうですね。アリサさんも、先程はありがとうございました。」
「そんなに役にたたなかったけどね。」
「いいえ、とても嬉しかったですよ。」
「レイラー!」
アリサさんに飛びつかれた。
ちゃんと受け止めたよ。それと、アレンさんも合格していた。
実技試験を行なっている間に、筆記試験の答案の丸付けをしているそうだ。
まだ終わりではなく、何試合かをする。合格した者達は、騎士団に入る事が可能だ。
この試合の目的は、第1騎士団~第5騎士団から配属場所を決める為に行われる。
多くの中から、高成績を出した10名が選ばれる。
本来、騎士団団長・副団長の話し合いで、それぞれの配属先が決まる。
しかし、選ばれた10名は特別で、自分の行きたい配属先を通す事が出来る。
第4騎士団で働きたい私は、それを確立する為に頑張っている。
そして、最後まで勝ち続けた。そして、第1訓練場と第2訓練場を合わせた14名に選ばれた。
これから第1訓練場に向かい、騎士団の上位の人達と戦う事になる。
彼らと戦い審査を受け、10名を選ぶんだそうだ。
第1訓練場に行くと、周りには騎士団の人達がいた。
順番で言えば私は、12番目らしい。くじ引きで決めたと言え、微妙だな。
最後らへんが1番緊張する。自分の順番が来るまで、試合している人達を観察する。
最初の人は、肩まである薄紫の髪に銀色の瞳をした美少年だった。
上位の騎士はとても鋭い攻撃をしているが、薄紫髪の少年は上手く逸らしている。
最初の攻撃と動きから、相手の攻撃の鋭さと素早さを確認したと同時に動きを変えた。
切り替えの良さと、上位の騎士の素早い動きについていけてるのが凄い。
身長差と筋力の差もある筈なのに。結果は、上位騎士が勝った。
薄紫髪の少年も凄かったが、流石は上位騎士である。
技量・経験共に段違いだ。それに、あの騎士は本気ではなかった。
利き手で試合をしていなかったからだ。あの騎士は、試合前に右手を良く使っていた。
それが、試合が開始した時には、左手に剣を持っていたのだ。
利き手なら、どうだったかなんて考えたくもない。
しかし、目を見張るのは次の人だった。紺色の髪に水色の瞳をした美青年。
彼は、纏う雰囲気が違う。勝負の結果は騎士が勝った。
さっきの試合でも見たが、アレンは強かった。素早く上位騎士と戦っている。
他の人達も皆が強い。私、彼等の次に戦うの?何か嫌だな。
等々私の番となったが、おかしくない?対戦相手の身長と体格が凄い。
口角が引きつってしまう。赤茶髪に赤い瞳をした体格が大きい男性。
赤色の団服から、第3騎士団の人と思われるんだが。
審判さんの言葉に、剣を構える。初めの合図に、赤茶髪さんは突っ込んで来た。
素早く振り上げられた剣を受け止める。すぐに横に払って距離を取る。
今の一撃はとても重かった。受け止めきれたのが、奇跡のようだ。
直ぐに構えるが、手が痺れている。だが、休む暇など勿論ない。
直ぐ様、次の攻撃が飛んでくる。私は攻撃を受け止める事はない。
最初の一撃で、受け止めるべきではないと思ったからだ。
だが、攻撃を弾いていても、腕の痺れはあるよ。手加減されていると分かっている。
でも、素早い動きに避けたり、弾くのが精一杯だ。
赤茶髪さんの剣の剣身に、鍔を引っ掛け体重をかける。
私はジャンプし空中から、蹴りを入れる。赤茶髪さんはギリギリで避けた。
赤茶髪さんは、剣を上へ振り上げて来た。私は鍔を引っ掛けていたので弾く。
直ぐに距離を取る。私の動きを見て、赤茶髪さんは口角を上げる。
「やるじゃねぇか。俺の名はドルトン!お前の名はなんだ!」
「私はレイラ・エバーガーデンです。」
私は構え、警戒する。
「レイラ!時間はまだある。この試合、本気で来いよ!」
ドルトンさんは、口角を上げ赤い瞳に鋭い光が。一瞬だった。
本能が危険信号を鳴らしたその時、ドルトンさんが間合いに入って来た。
鋭い剣筋を、ギリギリで避けた。マントのフードは落ちたが、気にせず重心を低くする。
剣を鋭く突く攻撃をした。しかし、逸らされ攻撃が当たらなかった。
後方に下がったが、私は間合いに入る。恐らく、一度離れたら相手の思う壺。
私は攻撃の手を緩めず、攻撃していく。当たってはいない。
攻撃を払ったり逸らしたりして、捌きつつ攻撃の隙を探す。
何だか少しずつ剣の速度が、上がっている気がするんだけど!?
何とかついていくが、本当にギリギリの戦いである。
一瞬でも、油断したら……間違いなく負ける。私の剣技は強者に通用しない。
私は師匠にそう言われた。どれだけ努力して、基本の技・知識が完璧だとしても。
努力し続ければ、努力した分だけ力を得る。だが、それには必ず限界がある。
限界のその先とは、己の才能を開花させる事にあるのだと……。
だからこそ私は、多くの剣技の知識を取り入れ、フェイントも覚えた。
これで、少しは単純な動きを改良出来ただろうか?
しかし、師匠から与えられる評価は同じだった。分からない。どうすればいいのか。
だから、私はドルトンさんに負けるのか?
ーー違う。
ドルトンさんと、私の剣技の訓練に費やした時間は違う。
どれだけ努力しても、ドルトンさんとの訓練の時間の差は中々埋まらない。
私は強く地面を蹴り、素早くドルトンさんの間合いに入る。深く息を吸う。
ドルトンさんは、剣を振り上げ攻撃して来た。私は剣の鍔を利用した。
ドルトンさんの剣に引っ掛け、横に力ある限り払う。
「……面白ぇ。」
「待て!ドルトン!」
ドルトンさんの剣を払った筈なのに、下から攻撃が来たのだ。
私は直ぐに剣を下に叩き付けたが、吹き飛ばされ地面に転がる。
受け身を取り素早く立ち上がるが、身体は限界に近い。
剣をもう一度構える。何故なら、ドルトンさんが突っ込んで来るからだ。
本当に最悪だ。第4騎士団に所属する為に来たのに、何故こんなに戦ってるんだろう。
強い衝撃を覚悟した私。
「時間切れ!引き分け!」
ドルトンさんが剣を振り下ろす時、審判の声が響いた。
勿論、ドルトンさんは剣を止める。危なかった……。
私は、試合が終了した。
「ありがとうございました。」
ドルトンさんにそう言って、私は壁端に移動した。
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