魔王の覇道 〜その男歴代最強につき〜

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魔王決定戦

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カセドラル王国最大都市アルバ
魔王城を中心として栄えるこの街は、かつてないほどの活気に満ちていた

〈第75代魔王死去〉

230年生き、歴代の魔王の中でもっとも長くその座に君臨してきた魔王が先月息を引き取った
その事実は王国中を瞬く間に駆け巡り、我こそが次の魔王となるのだとばかりに、百数十年ぶりの魔王決定戦の舞台となるこのアルバに集まってきたのだ

そしてその男もまた同じ目的でこの地へと足を踏み入れた


その男は色んな意味で注目を集めていた
歳は20代前半くらいだろうか、ニュアンスパーマと呼ばれる髪型に、180cm程の高身長、女性のような美しい容姿、目に優しい光を浮かべている彼は、屈強な男たちがひしめく今のアルバには少々、いや、かなり、いや、ものすごく場違いであった

しかし彼が背負っているものを一目見ればその印象は180度違うものになるだろう


彼は自分の身長より大きな棺を背負っていた






アルバコロシアム
カセドラル最大のコロシアムであり魔王決定戦が行われる場所である
その中にある受付カウンターでは魔王決定戦に出場する人達でごった返していた
ここで受付を済ませておかなければ出場することが出来ないからだ

そして、あの棺を背負っていた男もその中にいた


_______________



「次の方どうぞー」

受付嬢が呼ぶ声が聞こえる
どうやら自分の番が回ってきたようだ

「こんにちは、綺麗なお嬢さん」

まずは挨拶、これが意外と重要なのだ
第一印象が悪ければそれだけその人との関係を良くすることが難しくなるものである

「あらお上手ね、その調子でぱぱっと必要事項も書いちゃってちょうだい」

そう言って紙とペンを渡される
その調子ってどういうことだよと思うがつっこむのは野暮だろう

「レディの手を煩わせる訳には行かないな」

そう言ってササッと必要事項を埋めていく
埋め終わったら間違いがないか確認し受付嬢に返す

「またせて済まないな」

「そんなにまってないから大丈夫よ」

「そうか、ならよかったよ」

レディをまたせるなんて論外だからな

「他にすることはあるか?」

「いえ、これで終わりよ」

「ありがとう」

しっかりとお礼を言ってカウンターを後にする

さて明日はいよいよ魔王決定戦だ
しっかり休むために奮発していい宿を取ろう


_______________


「あの人かっこよかったなぁ」

ぼーっとしながら呟く
(綺麗な受付嬢だって…うふふ)
ニマニマしながら書類を確認して………








「…………え?」


目がおかしくなったのだろうか

もう一度読み直す

やはりそう書いてある



・名前
    ジェスタ・フォン・ブラックファング

・性別
    男

・年齢
    575歳

・武器
    棺

技能スキル
    改造カスタム
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