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婚約破棄されたので、ミカンになってみた!
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「君は僕の母親に失礼なことを言ったそうだね。許せることではないよ」
ミミリーナ・オランジェは婚約者から突然そんなことを言われた。
だがそれは事実ではない。
ただ、なぜそういう話が出てきたのか、それはミミリーナにも分かった。
彼の母親が嘘を言ったのだ。
というのも、彼の母親はミミリーナを嫌っていた。彼の母親が平民の出であるのに対しミミリーナは良家の出てあるというところも、嫌っている理由の一つだろう。また、彼の母親はウシガエルのような顔面だが、ミミリーナは皆から美しいと評価されている整っているとされる目鼻立ち。それもまたミミリーナが嫌われている理由であろう。
「私はそのようなことはしていません」
「信じない。ママは僕が守る、婚約は破棄させてもらうよ」
「はぁ……分かりました」
「ま、僕もママも優しいから慰謝料は取らないでおくよ」
こうしてミミリーナは婚約破棄された。
その後ミミリーナは一人の魔法使いと知り合った。
魔法使いの彼はミミリーナに魔法をかけ、同意を取ったうえで彼女をミカンにした。
ミカンになったミミリーナは、魔法使いの家の庭に生えているミカンの木にぶら下がり、魔法使いと楽しく暮らした。
「ミミリーナ、今日も皮に艶があるよ」
「ありがとう。ミカンライフって気にすることがなくて最高ね」
「のんびりしていていいよ」
「本当に感謝しているわ。本当にありがとう、あなた」
一方その頃ミミリーナに婚約破棄を告げた彼は、謎の病にかかっていた。
どのような病気かというと、皮膚がミカンの皮に似てくる病気である。
最初は指先や頬の端などの一部分の皮膚だけがミカンの皮化する。しかし、ミカンの皮化した範囲は日に日に広がってきて、薬を塗っても効果はない。
彼はやがて人前に出ることを恐れるようになった。
また、一ヶ月遅れくらいで彼の母親も同じ病気を発症。
あの家は呪われている、と、近所の人たちに噂されるようになった。
◆終わり◆
ミミリーナ・オランジェは婚約者から突然そんなことを言われた。
だがそれは事実ではない。
ただ、なぜそういう話が出てきたのか、それはミミリーナにも分かった。
彼の母親が嘘を言ったのだ。
というのも、彼の母親はミミリーナを嫌っていた。彼の母親が平民の出であるのに対しミミリーナは良家の出てあるというところも、嫌っている理由の一つだろう。また、彼の母親はウシガエルのような顔面だが、ミミリーナは皆から美しいと評価されている整っているとされる目鼻立ち。それもまたミミリーナが嫌われている理由であろう。
「私はそのようなことはしていません」
「信じない。ママは僕が守る、婚約は破棄させてもらうよ」
「はぁ……分かりました」
「ま、僕もママも優しいから慰謝料は取らないでおくよ」
こうしてミミリーナは婚約破棄された。
その後ミミリーナは一人の魔法使いと知り合った。
魔法使いの彼はミミリーナに魔法をかけ、同意を取ったうえで彼女をミカンにした。
ミカンになったミミリーナは、魔法使いの家の庭に生えているミカンの木にぶら下がり、魔法使いと楽しく暮らした。
「ミミリーナ、今日も皮に艶があるよ」
「ありがとう。ミカンライフって気にすることがなくて最高ね」
「のんびりしていていいよ」
「本当に感謝しているわ。本当にありがとう、あなた」
一方その頃ミミリーナに婚約破棄を告げた彼は、謎の病にかかっていた。
どのような病気かというと、皮膚がミカンの皮に似てくる病気である。
最初は指先や頬の端などの一部分の皮膚だけがミカンの皮化する。しかし、ミカンの皮化した範囲は日に日に広がってきて、薬を塗っても効果はない。
彼はやがて人前に出ることを恐れるようになった。
また、一ヶ月遅れくらいで彼の母親も同じ病気を発症。
あの家は呪われている、と、近所の人たちに噂されるようになった。
◆終わり◆
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