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後編
しおりを挟む王女は私の名誉のためにフィーガスにあれこれ言ってくれたけれど、それでもフィーガスはアルフィエラのことだけを信じていた。
そうか結局妹さえもどうでもいい存在なのか。
彼は、私の言葉だけでなく、実妹の言葉すら聞かないのか。
「うるさい黙れ! 黙れ! くそ妹め! アルフィエラの名誉を穢すな!」
真実に目を向けようとしない兄に腹を立てた王女はそこから動き出す。彼女は私を一旦保護し、アルフィエラの悪行を世に出すべく調査を開始した。そしてその調査の結果、王女暗殺未遂に使われた毒物と同じ毒物をアルフィエラが秘密裏に取引していたデータがあがってきて。
それにより、アルフィエラの悪行が明るみに出ることとなった。
アルフィエラは拘束され、北の収容所へと送られる。そしてそこで強制労働させられることとなった。早朝から夜遅くまで働かされ、また、食事は腐りかけの固いパンしか与えられない――アルフィエラはそんな生活を強いられることとなった。
また、嘘を信じ込んでしまい負の意味で派手な行動をとってしまっていたフィーガスは、王子の位を返還させられることとなる。
そこには王女の意向があり、また、冤罪事件に対して激怒していた父である国王の意思も含まれていた。
こうして、一度偽りの主張によって私の名誉を傷つけた二人は身を亡ぼすこととなったのであった。
その後私は王女より様々な形で支援を受け、経済的余裕を得られたし、良き縁を得ることもでき結婚もできた。
また、色々あった中で王女としたしくなっていたこともあり、彼女との関わりは冤罪事件解決後も続いていくこととなった。
王女はとても良い人。
高貴だけれど変な飾り気はない、貴さを体現したような女性。
それでも気さくに話してくれるので、一緒にいるととても楽しい。
◆終わり◆
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