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3話
しおりを挟む「迷惑かけてごめんなさいね? 婚約者さん」
レミーの復讐は終わったようだ。
「……私にも死んでほしいですか」
「いいえ。そう思っているのはむしろそちらでしょう? 貴女は私に死んでほしいのでしょう?」
「いえ、そこまでは。……ルイーゴにも非はありますし」
レミーは謝罪してくれた。
なので私は彼女を見逃すことにした。
ルイーゴが死んだ今、レミーに言いたいことは特には何もない。
そうして私たちは別れたのだった。
◆
あれから数年、私は良家の子息である青年と結婚し穏やかな日常を手に入れられた。
「――ってことがあって」
「そっか。それで別れを迎えたんだね? ってことは、婚約破棄の原因はすべて向こうにあったんだね」
夫はいつも私の話を聞いてくれる。
彼はいつだって寄り添おうとしてくれるのだ。
「ええそうなの」
「ちょっと意外だな。君がそんな風に苦労していたなんて」
「意外かしら」
「うん。失礼かもしれないけど。君は多分僕が思っているより――ずっと、ずっと、強いんだろうね」
だからこそ、私もまた彼に寄り添って生きていきたいと思う。
人生とは、人間関係とは、支え合いで成り立っているものだ。
「君の話、また聞かせてね」
「ありがとう」
「もっと知りたいから、君のこと」
「私も知りたいわ、貴方のこと。だから、貴方のことも、可能な範囲で大丈夫だから聞かせてくれる?」
◆終わり◆
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