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3話
しおりを挟む彼はどうやらそれほどまでに怒ってくれているようだ。
ただ、何があったとしても彼が私の味方であることに変わりはないので、そういう意味では心強くもある。
「ちょっと! 犯罪よこんなの! 離しなさいッ」
「犯罪? それは君たちがしてきたことじゃないのか。罪なき若き嫁を隔離したうえ虐めぬくなど! ……それに比べればこの程度可愛いものだよ」
「やめてくれ! お、お、俺は……母に言われてそういう風に振る舞っていただけだ! 悪いのはこいつなんだ! 俺は脅されてそういう風に振る舞っていただけで……自分の意思じゃない!」
「だとしても罪は罪だよ、もはや何を言っても許されない」
アドムスは物干しざおを喉の奥まで突っ込まれた状態で口腔内に大量に水を注ぎ込まれ溺死。
リーゼラは食べ物飲み物を一切与えず放置され、徐々に衰弱していって、そのまま静かに死亡。
こうして悪しき二人は共にこの世から去ることとなった。
ちょうど、穏やかな風が髪を揺らすような季節だった。
◆
あれから数年、私は、兄が紹介してくれて知り合った素晴らしい男性と結婚した。
第一子にも恵まれ。
色々順調だ。
今は、忙しくも楽しい日々を生きられている。
あの時アドムスらのところから逃げなければ、あのままずっと耐えていたなら――考えるだけでも恐ろしい、私はきっと今頃心折れて絶望の中で生きていただろう。
勇気を出して行動して良かった。
幸せな今日があるのは、あの時の自身の行動あってこそ。
◆終わり◆
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